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【環境委員会質問1】グレタさんに代わり小泉環境大臣に地球環境問題を質す - 3Rを飛び越えて、物の輸送を少なくして脱炭素社会を実現すべし - 20.03.29

<小泉大臣は篠原とグレタさんの中間世代>
 今国会では私は環境委員会に所属している。通常国会では予算委員会が終ると、大臣の所信に対する質疑が行われる。小泉環境大臣に対しては初めての質問であり、私がグレタさんに成り代わって質問をするという形で、地球環境問題全般について質問・討論を行った。(というより、私の講義(?)のようなものだった)以下に私の質問を中心に紹介する

 今、世界はグレタ・トゥ―ンベリで動いている。気候変動のジャンヌ・ダルク17歳、私はそれを一桁と二桁を反対にした年で71歳。小泉大臣とグレタさんとの年の差は22歳、小泉大臣と私の差は32で大体中間に位置している。だけども私とグレタさんの考えはほとんど変わらない。トランプ大統領などは、裕福な白人娘のお遊びだとか、口さがない大人は発達障害といった不埒な事を言っており、環境問題は世代間闘争とも言える。しかし、私はグレタさんこそ本当に未来の事を心配して発言していると思う。未来の子供達のために地球環境を守ってほしいと必死で訴えているのだ。
 小泉大臣は、Climate Crisis 気候危機の中、国連総会(19年9月)ではグレタさんのスピーチが際立っていた、とグレタさんへの共感を示した。
 
<グレタさんがヨットで大西洋を横断する理由>
 グレタさんは地球環境だけではなく地球の資源自体を無駄遣いすべきでないと言っている。スウエーデンからアメリカまでソーラーパネル付きのヨットで来て、そのままチリのCOP25に行くためそのままアメリカに留まっていたが、急遽スペインのマドリードに会場が変わったので、また同じ様にヨットでヨーロッパ大陸に戻った。つまり、行きも帰りも飛行機を使っていない。航空機がジェット燃料で相当空気を汚すからである。飛行機は1km移動するのに96gも排出するのに、鉄道は19g、バスは56gにすぎない。航空機が圧倒的に環境に悪い交通手段だから乗らないのだ。
 私もCOP25が開かれていた同じころEUに出張したが、グレタさんと同じ事をしたら日本との往復に2ヶ月もかかってしまうので、現実の世界ではなかなか難しい。しかし、グレタさんは頑として自分の主張を貫き通しかつそれを実践している。これに呼応して、仏政府は航空機によるEU内の出張を控えるように指令を出している。

<飛び恥(Flight Shame)が世界を席巻>
 日本では大阪の2つの小さなライブハウスで、新型コロナウイルスが拡散した事が問題になっている。閉鎖空間によるクラスター(集団)発生である。私はよく知らないがイギリスの人気ロックバンド「コールドプレイ」が行動をおこした。グラミー賞を7回受賞、2015年の世界観客動員数は桁違いの539万人、興行収益5億230万ドルを記録、1公演で4万5千人を集めると言われている。ところが、機材を運んで世界講演ツアーに行くと、スタッフも含め航空機を使う。会場に来る人もいろいろな交通手段で来る。このようなCO2排出増につながるワールドツアーを中止した。興行主等の関係者は真っ青である。規模は小さいが日本のフジロックにも影響を与えることは必至である。元々歌手等の芸術家は感度が強く今までもそういう活動をしてきた人が多い。発信力のある小泉大臣には同じようなことをしたら良いのではないかと問い質したところ、「Flight Shame」という言葉を出して、テレワークも推進していると前向きに応じた。この間に、ちょっと昔ロックグループX JAPANのファンの総理大臣がいましたね、と冗談を付け加えた。

<地球を汚さない移動に向かう世界>
 ピーター・ラビットの農的世界を守るためにナショナル・トラスト運動を始めたイギリスは、こういう点でも進んでいる大手スーパーMarks & Spencerは、かなり前から作物にAir Freighted Label(空輸食ラベル)を貼り、環境を汚して遠くから運ばれているけど、それでも買って食べますか、と問いかけていた。この動きにより世界の航空業界で環境の賞を得ている。 日本人の感覚からすると、それなら売らなければいいと思うし、航空機を使わない運動を航空業界が表彰するというのもどうも理解しがたい。ドイツは、飛行機の税金を引き上げ、長期列車は価格を引き下げしている。スウェーデンではヨーロッパ大陸へは夜行列車でいくことを推奨している。そこに今は一時的とはいえ新型コロナショックで航空会社は踏んだり蹴ったりである。しかし、脱飛行機の流れはもう止めようがないだろう。

<アマゾンが金曜デモの標的にされる理由>
 グレタさんの仲間は、これよりももっと進んでいる。Friday Strikeで通販大手アマゾンに向けてデモをしている。なぜかというと、アマゾンはやたら購買意欲をそそり、余計なものを造らせ買わせているからだ。なおかつ、店に行かずに宅急便で家に送りつけられるので、二重に地球を汚すと問題にしている。ここまでくるとすっかり便利な宅配に慣れた日本人にはなかなか理解されないのではないかと思う。
 アメリカでは感謝祭(11月の第4木曜日)の翌日、いつの間にか安売りをする日になっており、ブラックフライデーと呼ばれている。中国でも11月11日、独身の日ということで、アリババ等はインターネット通販の各社大手が参入し、2019年は一日で4兆円を超える販売が行われたが、この二つとも同じ理由で問題にされている。その根底にあるのは、地球環境を守るのは当然として、地球の資源の無駄使いもやめてほしいということだ。スリーR:Reduce(削減)、Reuse(再利用)、Recycle(再生)と呼ばれているけれども、そこにRefuse or Reject to Produce or Buy(造ったり買ったりすることを拒否すること)4つ目のRが必要だということだ。これまた日本の造って造ってという製造業界や売って売っての流通業界には受け入れられないことかもしれない。

<余計なものを造らず・使わず・買わず>
 江戸時代の末期から明治時代にかけて日本に来た外国人がいっぱい手記を残しているが、その中で江戸時代の日本人はまさに省資源的な生き方をしていたと書かれている。相当大金持ちの豪商の家に行っても大名の家に行っても、豪華なシャンデリアのような飾りはないし、巨大な家具もない。小さな畳の部屋に掛け軸がかかっているのが最高の部屋。なんと質素な生活をしている国かとびっくりしていた。
 それに引き換え、今の日本人はいろんな電気器具から何やらを部屋いっぱいに詰め込んでいる。そういう意味では、かつての日本人の美徳を失いつつあると言える。ただ、よくしたことにシンプリスト、ミニマりスト、すなわち環境に配慮して商品やサービスを買わない慎ましやかな生活をしようとする人が増えている。嬉しいことに先祖返りをしているのだ。

<地産地消・旬産旬消>
 最後に、私の長年の友人である加藤三郎元環境省地球環境部長(退官し地球環境文明所長)が、環境が大事だということを憲法に書き込むべきと主張しているがどう考えるかと問い質した。それに対して、ロックストローム博士が提唱したPlanetary Boundaries(地球の限界、人類の活動がある点を越えると取り返しがつかない)を紹介し、脱炭素に向かうべきだと答えたものの、憲法議論については答えなかった。
 質問のついでに2002年、国会議員になる前に、荏原製作所の企業のフィランソロフィー、最近はCSR(Corporate Social Responsibility)でもって3~4年、循環社会研究会(メンバー表は別紙)というのをやり、一早くゼロ・エミッションについて提言したことを紹介した。また、物の輸送をなるべく少なくということについて、いろいろな考え方があり、一番最近でいえば、大臣も触れたFlight Shame、古くは、身土不二、スローフード、私が作った地産地消、旬産旬消、フードマイレージ、ウッズマイレージ、グッズマイレージという考え方をペーパーで示して、環境委員の皆様にも理解していただくようにした。
(別表参照)200310環境委員会 質疑資料.pdf