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2020年4月29日

【新型コロナウイルス感染症シリーズ7】(マイナンバー1)なぜマイナンバーを使わないのか-マイナンバーと直結した口座があればすぐ給付できるのに- 20.04.29

 4月30日異例ずくめの補正予算がこれまた珍しく全会一致で成立する予定である。今までも災害対策の補正予算は全会一致であったこともあるが、相当揺れに揺れた大型補正予算にもかかわらずである。それだけ急いでいるからである。だから、特に急がれる10万円の特別給付金は速やかに給付をしてもらわないとならない。
 しかし、問題点は今からでも検証しておかなければならない。
 

<一律10万円より困窮者に30万円が理に適う>
 すったもんだした挙句、前代未聞の政府与党による補正予算の組替えで1人当たり10万円の一律給付が決まった。野党が喚き、公明党が乗り、二階幹事長が動き大逆転したのだ。国民の声だと口を揃えているが、本当だろうか。世論調査で、本当の困窮世帯に30万円を給付するのと国民一人に一律10万円を給付するのとどちらがよいかと問うたならば、平均的日本人は前者を答えるのではないだろうか。貰えるものは貰っておこうという姿勢はあるにしても、別に収入も減っていないなら困っている人を優先的にという心ある日本人も多いと思うからだ。布マスク2枚の全家庭配布も同根である。その一つの証拠に、国民の一連の対策に対する評価はさんざんであり、7~8割は満足していない。
 麻生財務相は、リーマンショックの定額給付金1万2000円は、貯蓄に回ったりして景気対策という意味での効果がなかったと毛嫌いする。事実その通りだろう。ただ今回の30万円給付はそもそも困窮者の救済を目的としていた。これが一律10万円になると困窮者の救済という性格がより薄められて「特別定額給付金」と似たように呼ばれている。今は景気対策は横に置いておいて、生活なり暮らしを優先すべきなのだ。そういう意味では、約1300万世帯(5300、世帯の2割)が対象となる30万円給付するほうが理に適っていたのである。

<農業者戸別所得補償と10万円給付の差>
 30万円も10万円も、収入減に対するものであり、民主党政権で導入した「農業者戸別所得補償」の全国民版なのだ。農業者戸別所得補償は、農民も歓迎し、今も野党のマニフェスト等の公約では農政の柱にいつも登場する。それなのに今回の所得補償がうまくいかないのはなぜか。
 農業者戸別所得補償の場合は、農地は動かないし面積もわかっている。何を作っているか誰にもすぐわかる。そして、元になる作物価格、作付面積等の基礎データが揃っており、ごまかしがきかない。
 米でいうと10aあたり1万5000円、麦で3万円といった具合で所得補償した。だから農民に手続き上の負担を強いることもなく、不公平感も生じない。地方自治体の窓口の農政坦当者も残業せずにすむことになる。
 それに対して、30万円の場合給付の元になる所得が捕捉されておらず、誰に給付したらいいかを決められないからだ。

<米麦等生産者への給付は困窮者への30万円の給付と同じ>
 農業者戸別所得補償は全農家が対象ではない。国民に不可欠な主要食料すなわち米、麦、大豆等、狭隘な農地では競争力がなく、生産コストが販売価格を上回っている作物を生産してくれている農家に対するものである。利益の上げられる果樹や野菜を作ったり、和牛を飼育している農家には行かないのだ。つまり選ばれた一握りの農家であり、今回の例で言えば、30万円の対象者である困窮者といってよい。ところが後者の問題は、一体誰が本当の困窮者か区別がつかないので、収入減を示す書類の提出が求められ、給付までに時間がかかりすぎることである。すぐ必要なのにスピード感がないし、困窮者にそんな煩雑なことをさせられないため、あえなく葬り去られてしまった。
 一律10万円給付は農家なら大規模だろうと小規模だろうと何を作っていようが、どの家畜を飼育していようが構わずに誰でも所得補償するという荒っぽいものである。こんな愚策には経済界や都市部から、農業過保護論が一斉に吹き出すだろう。それを10万円の一律給付は国民が一様に歓迎し、マスコミも批判しないのは、私には不思議でならない。

<忘れ去られているマイナンバーの活用>
 だとすれば問題は本当の困窮者をどう決めるかということだけだが、やりようがないのだろうか。いや、マイナンバー制度がある。今回の休業補償に合わせて敢えてわざと使えば、評判の悪い「納税者番号制度」である。2016年から、日本国民全員がマイナンバーを持っている。社会保障、税、災害対策に使うことになっている。ところが問題は、市区町村の交付するカードを持っている者は15%しかおらず、ほとんどは紙の番号通知書のままタンスに眠っているだけだ。住民票の取り寄せ、ネットでの確定申告、パスポートの新規発行などの使いみちがあるが、肌身離さず持ち歩く理由が見いだせないのでしかたないのかもしれない。

<米・仏のマイナンバー>
 私の古い体験で言うと、1976年アメリカ留学をした時に、身分証明書をもらった。拙い英語しか話せない日本人留学生に、入国管理のおばさんは「このsocial security number (社会保障番号)はあなたがアメリカで一生使うものなのだ」と2度3度念を押されたことを覚えている。そして、アメリカの行政手続きはまさに社会保障番号をもとに速やかに行われる仕組みとなっている。そして今回も日本と大体似ており1人当たり最大1200ドル(13万円)の支給は、社会保障番号を持つ個人の銀行口座に直接振り込まれる。3月27日関連法成立後約2週間後に始まり、4月15日には8000万人に届くという。
 フランスでは社会保障なり福祉政策がしっかりしている。その根元の所得の捕捉がある。例えば親の所得によって給食費等にも差が設けられている。
 こうしたことは納税ばかりでなく、諸々の手続きが全てこうした番号を基に行われている。私は日本もこうした仕組に早く変えるべきではないかと思う。

<国民一人ひとりの収入も捕捉し給付手続きを簡素化すべし>
 私は深く関わっていないから、正直なところ今回の給付にマイナンバーがどのように役立てられるのかよくわからないが、導入から4年も経つのに政府が活用に力をいれてきた気配が感じられない。悪夢の民主党政権がやり出そうとしたこと故、意図的に手をつけなかったとでもいうのだろうか。そういえば同じく民主党政権下でできた新型インフルエンザ特措法(以下特措法)もいくら適用をせかしても応じず、改正してやっと使いだした。そして、緊急事態宣言の下の休業要請や要請に従わないパチンコ店の公表は元々の特措法に拠っている。
 マイナンバー制度は、元々民主党政権が給付付き税額控除制度と一体で導入しようとしたものだ。消費税の逆進性を補うため、低所得者からも徴収するが消費税負担額をあとから給付するのに使うはずだった。もしも、マイナンバーと口座が繋がっていたら、今回のように緊急の時には指定された口座にたちどころに振り込むことが出来たはずである、

<社会保障には収入捕捉が不可欠>
 2009年の定額給付金では審査不要でも3か月かかった。それを地方自治体の6月定例議会を待ったり、2月~6月の収入が住民税非課税水準以下とか半減したという書類を揃えていたのでは、どれだけ時間がかかるかわからない。常識的考えて夏までかかる。その間に収入減により家賃も払えず食事にも事欠き干上がってしまう困窮世帯も出て来る可能性もある。だとすれば手間がかからず収入を捕捉するのはマイナンバー直結の納税であり、払い込みもマイナンバー直結の口座ではなかろうか。その導入を怠った政府の怠慢である。(続く)

2020年4月25日

【新型コロナウイルス感染症シリーズ6】(マスク3)マスク覇権外交が食料覇権外交に代わる日は近い -必要不可欠な物を自国で作れる国が生き残る- 20.04.25

<見苦しい欧米のマスク争奪戦>
 いざという時になると自国優先はどこの国も同じである。欧米では、マスク争奪戦が加熱している。信仰のようになってしまった自由貿易の名の下、少しでも利潤を求めて何でも中国等低賃金国に生産を任せて投資していったツケが回ってきたのである。
 ドイツ(カイゼル内相)は、警察官の使うマスク20万枚をアメリカが高い価格で横取りした、と怒ったが、アメリカ政府は否定し、トランプ大統領は「我々もマスクが必要だ。他の人々には渡したくない」と例の調子で平然と本音を開陳している。フランスも同様にアメリカを非難し、更に、スウェーデン企業が伊・西向けに製造したマスク400万枚を差し押さえ、外交上の問題にまでなった。

<マスク世界は中国一強>
 中国は強権を行使できる体制を活かして1,100万都市武漢の封鎖をやり遂げ、今のところ見事に収束させている。3月10日 習近平国家主席が視察し、1ヶ月後の4月10日には封鎖解除し、自らの体制の優位性を誇示している。社会主義・共産主義は終わってなどいないことを実績をもって示している。そして、国威発揚のために次に目をつけたのが世界中が不足して困っているマスクである。5割を占めるマスクをはじめ医療機器の一大生産拠点になっているからだ。
 中国は、他の先進国が皆マスク不足で混乱しているのを尻目に、間隙を縫って各国にマスクを届けることにより存在感を高めつつある。3月中に世界に38億枚を輸出したと悦に入っている。他の医療器具等も無償・有償で世界に送り込み感謝されている。

<したたかな中国のマスク覇権外交>
 トランプ大統領が国際協調路線を捨てアメリカファーストに現を抜かしている間に、頼りになるのは中国だと売り込んでいる。社会主義国なのに、災害資本主義(ショックドクトリン)を盗用してしまっている。そして「一帯一路」にG7で唯一乗っかっているイタリアには医療資材の援助を素早く行い、ちゃっかり「健康シルクロード」と言い寄るしたたか振りである。それに対して、資本主義の権化の国アメリカでは、いまだ新型コロナ肺炎が収束していない。中国の医療機器の緊急援助にほだされる発展途上国は、どのような体制の国が自らに合うか米中をよく見比べているはずである。

<中国のマッチポンプか アメリカのブーメランか>
 中国は自ら蒔いた種(新型コロナウイルス)で世界から非難の眼が向けられていたが、それを逆手に取った形である。もしアメリカが指摘するように武漢ウイルス研究所から漏れたものだとしたら、とんだマッチポンプということになる。また中国側が言うとおり、米軍が持ち込んだとしたら、アメリカはとんだブーメランを喰らっていることになる。誹謗・中傷合戦の中、真実はどこにあるかわからない。
 私はこの一連のマスクを巡る各国間の狼狽振りを見て、今身体から血の気が引いている。なぜならば、たかがマスクでこの騒ぎとなる。これがもっと基本的な食料の奪い合いになったらどうなるのだろうか、と心配しているからである。

<2020年は農業生産資材不足と外国人労働力不足で生産減は必至>
 長引くコロナ外出自粛や休業により飲食業や観光業が影響を受けている。自動車の売り上げも減少傾向であり、経済は上向きそうにない。このままいくとありとあらゆる生産活動が停滞することになるだろう。その中に農業機械や化学肥料等の生産も含まれ、農業生産国では資材不足で今年の作付けが減るかもしれない。
 また、かねてから外国人労働力に頼る欧米諸国では、移動制限による労働力不足が生産減に拍車をかけることになる。アメリカは新型コロナウイルスでメキシコ移民を拒絶する絶好の口実を見つけた。欧州は東欧や北アフリカの外国人労働力が来られなくなっている。
 新自由主義・グローバリズムとやらは、ヒト・モノ・カネと国境を越えて自由に行き交うのが最も効率的だと突き進んだ。その行き着く先が非常時の不効率である。農業生産資材は在庫もあろうが、労働力に在庫はない。このコロナ騒ぎであまりに危険が大きいことが知らされたのだ。

<食料の物流が滞り貿易量も減る恐れ>
 新型コロナウイルスの侵入を止めるための入国・渡航禁止は、物流機能をも道連れにした。貿易が止まり、食料供給も途絶える。日本のフードマイレージ(食料の重さ×輸送距離の合計)は抜きん出ている。原油価格が景気の停滞でいくら安くとも、輸送コストもかさむ。金を積んでも自国の国民優先は当然であり、余らなければおいそれと輸出してくれまい。今恐れられている「医療崩壊」の次は「食料(農業)崩壊」が危惧される。両方とも経済合理性や競争原理ではすまされない分野なのだ。

<食料こそ自国第一になるのは自明>
 アメリカのトランプ政権は前述のように、3Mに対してマスク等の輸出を止めようと迫った。その後、トルドー加首相が「医療品を含め、必要不可欠なものの貿易を止めるのは問題だ」とクレームをつけ、国内からも非人道的で報復を受けるという批判もあり、輸出禁止は一応解いた。この一件は、我々に緊急時にはそれだけやみくもに自国優先になることを教えてくれる。あれだけヨーロッパ、EUの結束を唱導してきたフランスでさえ、平然とマスクを国家管理にしている。
 食料にはもっと露骨に国内優先主義を導入してくることは間違いない。TPP・日欧EPA・日米協定等いずれの協定も輸入制限をさせない規定ばかりで、輸出制限を禁ずる規定はない。ガット・ウルグアイラウンドの時以来、輸出制限を禁止する規定がないのは、食料は自国優先で輸出禁止してもしようがないと思われているからである。

<FAO、WHO、WTOの3事務局長とWFPが食料不足を警告>
 4月3日、屈冬玉(FAO)、テドロス(WHO)、アゼベト(WTO)の国選専門機関の3人の事務局長が、共同声明で「このままでは輸出制限が起きて食料不足になりかねない」と警告を発した。また、WFP(世界食糧計画)のビーズリー局長は、4月21日安全保障理事会で演説し、「30カ国以上が飢餓状態に陥る可能性がある」「飢餓パンデミックの瀬戸際にある」「経済的影響による死者が、COVID-19のウイルスによる死者を上回る現実的な危険がある」と訴えた。既に1億1300万人が危機的状況であり、これがコロナ騒ぎで10億人近くが危険にさらされるかもしれないのだ。

<先進国にも忍び寄る食料不足>
 世界の国々は新型コロナウイルスの拡散を抑えるため、都市封鎖(ロックダウン)や外出制限に踏み切ったため、先進国でも深刻な影響が出て、スーパーに食料を買いに走り、陳列棚が空になった国もみられる。日本でも最近では2011年の東日本大震災の折、東京等一部でみられたし、今回もマスク以外にもトイレットペーパーの買い占めがみられた。
 日本の主要食料の輸入先国は、米、加、豪等先進国であり、輸出制限などしない国だという反論がすぐ投げ返される。輸出制限は、1973年のアメリカの大豆輸出禁止ぐらいしかない。しかし、今回のコロナ騒ぎは、一時的な生産減による食料不足とは違うのではなかろうか。飢えは起きないにしても、マスク不足がいつ何時食料不足に代わるかもしれないのだ。
 今マスクを盾に中国が覇権を広めている。米中の対立は次に食料にも広げられよう。今度は農業大国アメリカが手ぐすねを引いて待っているに違いない。その時日本はどうすればいいのか。今から心してかからなければなるまい。
 今回の新型コロナウイルス騒ぎは、どのような国が健全かしっかりと我々に教えてくれている。

2020年4月23日

【新型コロナウイルス感染症シリーズ5】(マスク2)多様性を失いうろたえる「官邸崩壊」の日本-見事な対応をする台湾、大国の意地を示すアメリカ- 20.04.23

<見事な台湾のマスク支給対策>
 台湾の素早い水際対策については既に『【新型コロナウイルス感染症シリーズ2】【政僚シリーズ9】危機管理対応ができない安倍官邸の病巣20.03.27』で報告している。
 人口2,700万人、マスクの生産能力は1月は188万枚/日 に過ぎなかった。新型コロナウイルス肺炎の国内感染が始まるや直ちに輸出を禁止、国内メーカーに生産増を促し、今は7倍の1,500万枚/日 となり台湾の需要を一定程度満たしている。2月には全てのマスクを政府が買上げ、その販売も一元管理し出した。マスクを購入するには保険証を持って薬局へ行き、当初は一人あたり週2枚、増産で今は2週間に9枚購入できる。なおかつ、在庫や販売店をネットで知らせ、国民が不安を抱かせないようにしており、買い占めなどは一切起きていない。国民は政府を信用しているのだ。モリ・カケに始まる文書改ざん、桜を見る会のごまかし答弁と国民の信用を全く失ってしまった日本政府とは大違いなのだ。
一事が万事とはこのことで、世界中がマスクで四苦八苦している中、今(4月中旬)は米、伊、西、等困っている国の医療従事者に1,000万枚を寄贈している。そして4月21日、日本にも200万枚が到着した。まさに余裕である。世界ではオタオタする日本との比較の上で、中国との交流が多いにもかかわらずも感染者数426人、死亡者数が6人(4月23日)に抑えている台湾は、別途紹介する韓国とともに世界から賞賛を浴びている。

<必死にもがくアメリカにもまだ回復力が残る>
 それでもアメリカは、さすが危機管理のできている国である。トランプ大統領は口で「ウイルスとの戦争だ。私は戦時大統領だ」というだけあって、朝鮮戦争時(1950年)にできた戦時向けの国防生産法を発動していた。高機能マスク大手3Mに増産を命じ、自国優先主義を地で行き医療用マスクや手袋のカナダや中南米への輸出も止めるように指示し、国内のマスクの確保に躍起になっていた。 更に他の医療機器についても、フォード(自動車)、GE(電機)、医療機器メーカ-の協力で、人工呼吸器を月数千台の生産を指示し、自動車メーカーのGMに命じるばかりでなく、なんとトヨタや日産にまで指示を出している。国民を守るために必死である。

<イギリスもイタリアも総力戦なのに日本は?>
 いざという時の底力はイギリスも同じである。フォークランド紛争の折、サッチャー首相がすぐさま客船を徴用し、世界を驚かせた。今日もダイソン(電器)に人工呼吸器1万台の生産を要請し、日産やホンダにも声をかけているという。エアバス(航空機)、マクラーレン、ロールスロイス(自動車)と他の産業界も総動員である。イタリアさえグッチやプラダ(バッグ・衣料)にマスクや防護服、更にフイアット・クライスラー(自動車)に人工呼吸器の生産の要請をしている。
 ところが、日本は本国でトヨタ、日産、ホンダ等に医療機器の生産を要請した話は聞かない。いざという時の心構えがなっていないのだ。

<マスクを通じて日本の産業力の衰退が見えてくる>
 それに対して岩盤規制の緩和を呪文のように唱え、弱い産業はなくなってもよいとほっぽりだしてきた日本は、為す術がなくいつまでたってもマスクが店頭に並ばない。
 4月中に布マスクを1億枚生産、全国の小中学校に1,100万枚配布し全てに行き渡らせる、使い捨てマスクは3月6億枚、4月には7億枚生産する、と相変わらず掛け声だけが聞こえてくる。外に出る時は皆が必ずマスクをしているというのに、1億2600万人に1カ月に7枚では、いつまでもマスク不足は続くであろう。
医療機関も高機能マスクやサージカルマスクが足りず、下手をすると医療崩壊はマスクはもちろん、防護服、消毒液、人工呼吸器等の医療機材不足から始まるかもしれない。強制力を持つ手段はなく、何事もお願いすなわち要請ベースでしかない。それでも最大手のユニ・チャームをはじめとする13社が要請に応じ、電器メーカーのシャープも生産を開始し、やっと増産体制が整いつつある。4月21日、シャープが10時からネットで1日3000箱(50枚)を販売するや10時前からアクセスが殺到し、不都合が生じしばらく延期された。マスクがそれだけ逼迫している証左である。

<新自由主義者の推奨する市場システムは緊急時には動かず>
 日本の産業構造をIT産業等の先端産業にすることばかりに気をとられ、国民が生きて行く上に必要な基本的な「物」を造る産業を捨て去ってきた報いを受けている。そして、こういういざという時にも、物不足を回避したりすぐ必要な物の生産に転換する、柔らかな「産業力」はもうなくなってしまったのである。新自由主義者ならば、いや必要とあらば市場システムが働き、すぐどこかが生産するようになる、と言うだろう。しかし、いまだその動きは見られない。世の中は需要と供給、競争原理と利益だけで動いているのではない。今や日本の産業構造は偏り多様性を失い硬直化(硬度化?)してしまい、臨機応変の対応ができなくなっている。

<多様な業種の存在する多様な産業構造が国を救う>
 私は、日本国民に必要なものは、なるべく日本で生産するのが大切だと食料・農業の観点から「地産地消・旬産旬消」を唱え、何でも自由化するTPPには絶対反対で政治活動をしてきた。先の環境委員会では、気象変動に対応して地球環境を守るためにも、無駄な輸送は少なく、と小泉環境相に諭した(?)ところだ ( 『グレタさんに代わり小泉環境大臣に地球環境問題を質す 20.03.29)。こうしたことをわかってもらうには、今はマスクもいざという時に備え、日本の必要量の半分くらい製造する体制を維持したほうがいい、と例示するのが一番かもしれない。
 マスク不足は戦後の花形輸出産業だった繊維産業の衰退を如実に物語っている。1964年東京オリンピックの頃なら、「東洋の魔女」日紡貝塚に象徴されるように、繊維産業も健在であり、たちどころに増産し、世界中にマスクを届け、喜ばれたであろうに、半世紀後の今は昔の話である。磨き抜いてきたモノ作りのノウハウも急速に失いつつある。
 つまり車一強のトヨタ一強の硬直的産業国家は、一難あった時には脆いのだ。一国はもっと多様性のある柔らかい構造を持っていなければならない。中小企業がありとあらゆる物を生産していることが日本の強みだったのに、その強みが消えつつあるのだ。

<思いやりがある器用な日本人は辛うじて顕在>
 政府の対応能力は、水際措置の遅れ、感染症への対応の遅れ、経済対策等の二転三転からしても、相当劣化している。安部官邸の慢心が非常時に全く裏目に出たのであり「官邸崩壊」である。
 しかし、まじめな日本人は健在である。あちこちで手作りマスクが作られている。私が思わず手を叩いたのは、「老舗すき焼き店が手作りマスク配布」(毎日20.04.19)の記事である。国会の会議が昼食にかかると、ごくたまにおいしい人形町のすき焼き弁当にありつく。今は、国家は率先して自粛一色で会合もなく、東京都は外出自粛でさすがの老舗も半休業状態だろうに、その合間を縫って授業員が近くの高齢者用のマスク作りをして好評というものである。各地で布・紐等がよく売れているという。そういえば白や黒でないカラフルなマスクをみかけることも多くなった。となると、日本のダメ対応は日本人がダメになったわけではなく、あげて政府の責任でしかない。
 一方、マスクを必要とする者に届ける運動も始まっている。余計なことだがかくなる上は、全家庭に届くというマスクを、市町村が窓口となり皆でまとめて近隣の高齢者施設等に届けるのも一案である。つまり、政府の足らない所を、我々個人の手で修正してもよいような気がする。それが思いやりのある日本人の成熟した姿ではなかろうか。
(マスク3に続く)

2020年4月22日

【新型コロナウイルス感染症シリーズ4】(マスク1)マスクの対応で問われる日本の国力-マスク愛用国が世界に晒す醜態-20.04.22

<見えざる敵との戦争は戦後最大の危機>
 トランプ大統領を筆頭に、世界の首脳達はTV 画面に向かって国民に国難を訴え、対応策を説明、自らの指導力をアピールしている。当初は対応が遅れ、のんびり夕食会のはしごをしていた安倍首相も今や連日大演説をぶっている。ドヤ顔の小池都知事の記者会見に対抗しているようにも見え、興醒めするばかりである。
 口を揃えて「見えざる敵」コロナウイルスとの戦争であり、第二次世界大戦以来の危機だと言う。さすれば、我が国の防衛に殊の外熱心な安倍首相は、好機到来とばかりに手際よい対応をして見せてくれるかと思いきや、出遅れ、迷走、思いつき、唐突、と戦時だったら致命傷のことばかりの連続である。

<アベノマスクは論外の対応>
 身近なマスクを例にみてみよう。まず最直近の「アベノマスク」と揶揄される、布マスクの全国民への2枚の郵送である。誰もが気付いているので、私が今更追い打ちをかける必要もないが、頓珍漢な対応の代表である。
 イリノイ大学や米国立労働安全衛生研究所は医療用高機能マスクN95が微粒子の95%を抑えるに対し、布マスクの感染症防止効果は10%~30%と低いとしているが、ただ政府の言うとおり1億枚が20回洗って使えば20億枚に当たるという点は評価してもよいと思う。
 万人が認めるように同じ466億円のマスクの供給なら、必死で頑張っている医療機関や介護施設、学校等に回すべきである。国民がそれに文句を言うはずがない。新型コロナ対策の遅れや経済対策の不備を少しでも取り繕おうと躍起になっているが、空回りである。国民は貰える物は貰っておこうというぐらいの反応しか示さないだろう。そして、マスク不足の不安は拭えないままである。

<国力を問われる日本は?>
 戦争は国の総力を挙げての戦いであり、まさに「国力」が問われる。とすれば、一難あるこの時に国民のマスクがきちんと供給できるかどうかは、即時対応力を見極める一つの材料になる。病人と思われて着用の習慣のない欧米社会と異なり、日本人はもとからマスクを愛用する国民である。まして飛沫感染が危険とされる今は需要が何倍にもなることは見通せたはずである。それをすぐに手を打つことはなかった。
 緊急事態に即座に対応できる政治力だが、これは言わずもがなで論評するのも憚る。
 それでは、安倍政権なり自公政権が、農業や労働者をそっちのけでひたすら強化をしてきた「産業力」はどうなのか。必要とするマスクをきちんと供給できたのだろうか。多分世界の先進国の中で最も不足し、国民も国も踊らされているのが、悲しいかな日本ではなかろうか。

<各国とも自給できず中国依存ばかり>
 軍備も原発や石炭火力による電力もやたら自前に拘るのに、日本人の生命を守るのに大切な必需品でも安く作れる外国にどんどん行ってしまっても何の手も打ってこなかった。得意の経済効率一辺倒である。その典型でないがしろにされてきたのが、後述の農業・食料であるが、ここで一気に持ち上がったのは、新型コロナウイルス感染防止に必要不可欠なマスクである。
 日本の需要は55億3800万枚(2018年)、マスクの自給率は約2割、大半が中国からの輸入に頼っていた。これはアメリカもEUも大差はない。なぜなら中国は世界のマスクの半分を生産しているからだ。

<世界もマスクの効果を認め着用義務を課す>
 WHOもかつては「予防目的ではマスクの効果は薄い」としていたが、4月3日には、「他人に感染させる可能性が低くなる」、と一定の効用を認めた。ウイルスの排出を9割止めることができるのだ。
 またアメリカでも「健康な人は原則としてマスクは必要ない」(CDC)、「マスクをつけると自分を守れるという誤った安心感ができる」(ホワイトハウス)と冷ややかだったが、4月3日WHOの見解と同じく、「他人にうつさないのに有用」と一転して着用を推奨し出した。しかし、トランプ大統領は、「自分は外国の指導者の前ではしない」、と今も頑固に嫌っている。一方、メラニア夫人までもが「ソーシャルディスタンシング(1.8フート、2m)とマスクの着用を」とツイッターで訴えるまでになった。
 かくして、世界中でマスクについて認識が高まり、各国とも少なくとも感染者が周りに飛沫感染をさせることは防ぐことができることを認め、接客業には着用義務を課し始めている。

<後追いであたふたするマスク愛用国日本>
 日本のマスク不足はすぐに顕著化した。だから1月28日一応業界団体に増産を要請した。2月13日には安倍首相は月産6億枚と表明、生産企業の設備投資に令和元年度予備費より4.5億円の補助金(上限3,000万円)を出した。3月3日には国国民生活安定緊急措置法に基づき、家庭用マスクの製造販売業者等に物品を国に売り渡すように指示。3月10日、価格上昇(通常の50枚500円~1,000円が3,000~4,000円)でネット上の転売がひどくなったので高額転売を禁止...と、あたふたと対応している。
そして、3月31日には官邸での政府会合出席者にマスク着用義務付け、国会もそれに従うことになった。行き過ぎとはこのことだと思われるが、本会議場の登壇者も諸々も記者会見も、突然マスクのままである。私はここまで急に変わらなくてもよいのではないかと思う。トランプ大統領はマスクなし、しかもなるべく外で記者会見するようにしている。理にかなっているのはどちらか明らかである。
 このように遅ればせながら一応やることはやっている。しかし、次回に触れる台湾と異なり、マスクがさっぱり店頭に並ばない。何かが足りないのだ。
(マスク関係はあと2回続く)

2020年4月18日

【新型コロナウイルス感染症シリーズ3】コロナ疎開こそ止めないとならない - こんな時ぐらい東京は地方に遠慮すべきだ - 20.04.18

 日本だけではなく、世界中がコロナ一色である。このコロナの問題は我々の今までの生き方自体、つまり政治、経済、社会のあり方に疑問を投げかける大きな出来事だと思う。

<アメリカの州境をまたぐ移動制限騒動>
 山ほど考え直さなければならない点があるが、その中の一つに「コロナ疎開」という現象があり、多くの教訓を含んでいる。
 三密を避けるべしと言われているが、その三密が一番酷いのは大都会である。だから1千万の大都市武漢でこのコロナウィルス騒ぎが始まり、今世界の首都ともいえるアメリカのニューヨーク州なかんずくニューヨーク市が大変な被害に遭っている。
 当然のこととして皆安全な所に行こうとする。アメリカではNYの富裕層がトランプ大統領の別荘もあるフロリダに逃げ出した。これに対してフロリダ州が14日間の隔離義務を行政命令で発出し、クオモNY州知事が憲法違反だと批判する騒ぎとなっている。

<日本の都市と地方の鞘当て>
 テレビのニュースが連日地図入りで、どこの県で何人新型コロナに感染したということを伝えていた。青森、山形、岩手、鳥取、島根、鹿児島等長らく感染者ゼロで、白く色塗りされていた。4月17日現在、いまだもって岩手はゼロである。国民はそれが頭に残っていたのであろう、週末どこかに出かけようとしたとき、感染者の多い東京、大阪はパスである。そこで3月の3連休に鳥取砂丘に観光客がどっと訪れたという。情報化社会がかもし出したホットスポットであった。鳥取県の人たちは、都市部の人たちの状況に理解は示しつつも、複雑な心境であったようだ。
 柳田清二佐久市長が3月下旬、東京ナンバーの車が佐久に多く来ているのに気付き、このような動きをあまり歓迎しない、といち早くSNSで発信し、物議をかもしていた。東京に近い東信地方の住民の気持ちを素直に代弁したものである。阿部知事も呼応するかのように「不要不急の(県内への)帰省は控えていただくのが望ましい」と発言していた。連日の小池都知事の大喧伝(?)もあってか、東京はすっかりコロナ汚染都市のイメージが定着した。

<トランプ大統領は思いとどまり、安倍首相は断行した全国非常事態宣言と州境(県境)移動制限>
 東京が国内感染者数の約3割を占めており、それはそれで仕方ないとして、問題なのはコロナウィルスの全国各地への拡散である。当初は、コロナウィルスの地方拡散は春休みに若者が帰省するのはよくないのではないかということが言われていた。ところが4月7日に7都道府県に発せられていた緊急事態宣言が、4月16日に突如全国に拡大された。その大きな理由の一つは、地方へのコロナウィルスの拡散を防ぐことである。トランプ大統領は一旦はNYを含む民主党知事の3州を対象に移動制限を掛けようとしたが、思いとどまっているのと好対象である。

<長野市でも不特定多数の接触者に感染の恐れ>
 長野県でも、ぽつぽつ感染者が発生していたが、東京と違い経路はほとんどわかっていた。長野市の例では第一号はイギリスから帰国した女性だが、濃厚接触者は夫1人と冷静に受け止められていた。
 ところが、4月10日長野市権堂のキャバクラ「林檎館(りんごかん)」の関係者2名が感染者と判明した。東京に行った従業員がコロナウイルスを持ち帰り、何十人もの不特定多数の濃厚接触者が生じてしまった。小池都知事が何度も指摘した、感染経路のわかりにくい厄介な発生源である。こうなると真面目な長野市民は一斉に繁華街「権堂」に出かけることを控えることになる。さもなくてもそれほど人通りがない権堂は今やそれこそ閑散としているという。
 地方では人口減少が激しいものの、いきなり人口増とはいかない。そこで過疎市町村は関係人口(密接な関係を保ち頻繁に訪れてくれる人達)を増やすことを目標の一つにしている。それからするとコロナウィルスを逃れて馴染みの地方に来ようとする者に対して、来てくれるなというのは矛盾に満ちているかもしれない。経済的な打撃を回避するよりも今の命を守るほうが大切であり、背に腹は代えられないということである。

<地方は多くの高齢者と医療施設が不十分という二つのハンディ>
 なぜならば、どこでも大変だけれども、地方は元々大きなハンディを負っている。コロナ疎開を忌避する一番の理由は、感染したら死亡率の高い高齢者が多いことである。   
 今はイタリアが、アメリカに次いで死者数が多い。イタリアは緊縮財政のあおりで医療制度がガタガタということもあるが、日本と同じく高齢者の比率が高いからでもある。あまり詳しく報じられていなが、欧米諸国の死者の大半、40%近くは老人ホームなどの住人である。日本の高度経済成長を支え、そして今若者が立ち去った後、一生懸命農地を耕し地方を支えて生きている高齢者が危機に迫られているのである。日本はこの人たちに報いなければならないのに、逆に危険に晒すことは忍び難い。
 2番目は、高齢者が入院するにしても医療施設が十分とはいえない。長野県は感染症指定病院が11あるが、今は病床を300床確保し、感染者向けに200床も用意することを目標に掲げている。集中治療室(ICU)、人口呼吸器、人口肺(ECMO)は、大都市に比べたら圧倒的に少ないはずである。重篤な新型コロナ肺炎感染者が病床を占領して、他の病を抱えた地域住民が満足な治療も受けられない事態は絶対に避けなければならない。

<各国とも地方への移動制限に悪戦苦闘>
 国境の場合は入国や渡航禁止措置で、厳しく履行できるけれども、県境に関所のようなものはなく、アメリカのような合衆(州)国でも各州間の往来を止めることはなかなか難しい。従って、日本では自粛要請以外にない。強権発動のできる中国では、武漢で最初に都市封鎖が行われたが、情報を事前に察知した武漢市民の半分近く500万人が都市封鎖の前に脱出したとも言われている。
 フランスの場合は元々都市と地方の二重生活(Dual Life)が典型的な国であり、パリで仕事をしていながら地方にも根城がある人が多い。3月17日に外出禁止令が出そうになると、前日にはパリの駅が大混乱し、数日間でパリ人口の17%に当たる120万人ほどがこぞって脱出し、マクロン大統領を慌てさせた。イタリアでは当初感染者の多い北部のみに移動規制を課していたが、他地域へ移動する者が多いので、後から移動制限を全国に広めている。都会脱出を考えるのはいずこも同じであり、政府の対応も似かよってくる。

<ネット上で本音で繰り広げられる都市・地方の罵り合い>
 日本では、今、ネット上で東京の住民をトンキン人といって地方に来ることを批判し、論争が行われているという。「楽しい思いをしていて、こういう時だけ地方を利用するな」。これに対して「普段は来てくれと言っておきながら、何だ」といった応酬である。本音のぶつけ合いだが見苦しい言い争いである。日本の地方・農村は、長く続いた工業重視政策、そして最近のアベノミクス農政でズタズタにされ、戦前都会の子供を受け入れた疎開当時と比べて余裕がなくなっている。

<狭間に立つ地方に故郷を持つ学生>
 緊急事態宣言の中にもあるように、コロナウィルスの蔓延を防ぐには、何よりも接触を断つことである。8割接触を断つと2週間後には効果が出て、1ヶ月すると相当感染が減ると見込まれている。大都会の外出禁止令以上に素早く大都市から地方への移動を制限すべきなのだ。コロナウィルスを持っていても発症せずにウイルスをばら撒く恐れのある若者には、特に自制をしてもらわなければならない(かくいう私はもう二週間も長野に帰ることを控えている)。
 東京は外出自粛要請があり、大学もインターネット授業に切り替えられたところもあるという。長野の実家でも授業を受けられるし、帰省できるのに、自分が感染していることを前提にして、帰省して祖父母にうつしてはいけないと、下宿暮らしを続ける健気な若者もいる。また、私の秘書の報告には、帰りたがる息子に母親が、自ら選んだ道だ、高齢者がいるから帰ってはならないと突き返したといううるわしい話もあった。

<困った夜の歓楽街で働く人たちの地方への移動>
 ここで大きな問題は、夜の街に働く人たちである。店の経営者は休業要請で休業しなければならず、売り上げを得られず大変である。更にそこで働いている人たちにも深刻な死活問題となる。少し従順だが知恵のある人たちは、需要のある地方に流れ、そこから感染が広がってしまう。感染経路は不明になり、こうした場所には全く無縁の地方の善良な住民までもが巻き込まれる。こうした悪循環は絶対阻止しなければならない。
 私は日本人の命を守るためには、この際いろいろな規制が必要だと思うが、このコロナ疎開をストップすることも日本国政府が相当力を入れなければならないことだと思う。だから私は、この際地方の夜の街もしばらく静かにしていてほしい、という4月16日の拡大宣言は、やむを得ないものと思っている。

<何らかの休業補償は当然>
 一方、我々政治家は、職を求めての移動を抑えるためにも休業補償の仕組みを早急に講じなければならない。長く続くコロナ対策はこれからが本番である。

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