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コロナ禍が「向村離都(都を離れて村に向かう)」のきっかけになってほしい - テレワーク、オンライン会議等で二地域居住を進める - 20.07.11

<止まらない東京一極集中>
 コロナを機に生活スタイルも価値観も大きく変わっていくだろうと言われている。
 私はその1つとして東京への一極集中が改善されることを願っている。しかし、現実には相変わらず東京への流入が多く、2020年に東京圏(東京、神奈川、埼玉、千葉)への転出入を均衡させるという目標(2014年"まち・ひと・しごと創生本部"の第1期(15~19年度)総合戦略)は、第Ⅱ期総合戦略で2024年まで延期された。なぜなら、現実には東京圏への転入は14年の116,048人から19年には148,783人と約3割増加しており、一極集中は一向に収まっていないからだ。放置しておいたら、若者が相変わらず都会に吸い寄せられ、地方は人口減少に伴う過疎化に歯止めがかからず、それこそ消滅市町村が増えてしまう。

<テレワーク(リモートワーク)の定着>
 しかし、今回のコロナ禍が、こうした傾向に楔を打ち込んでくれた。都市文明すなわち都市の過密が、感染拡大、医療崩壊等リスクが大きいことが明らかになったのだ。
 そこで、3密を避けるために、テレワークないしリモートワークという手が打たれた。いちいち会社に勤務しないで自宅で仕事をし、必要なときだけ出勤、大事な会議等はオンラインで済ますという大胆な対応である。現実にも東京では、緊急事態宣言下にはなんと8時9時台の通勤ラッシュ時も悠々と電車内で席に座ることができた。
 一部のIT企業では都会のオフィスがいらなくなり、今まで活況を呈してきたオフィス市場に悲観論が浮上しつつある。感染症対策による外出自粛の思わぬ副産物である。

<テレワークで地方志向、便利さ追求で都市志向への二極分化>
 製造業、小売業、飲食店、観光業、医療福祉等、職種によってはテレワークのできない職種もある。これらの職種の人は地方移住に転職しなければならない。となるとテレワークはそれほど広がらないかもしれない。また、外出規制で、すべてが揃っている都心の便利さが再認識されたため、逆の動きがあることも予想される。
 ところが一般的な事務職ではデスクワークは相当パソコンに向かっている仕事であり、片田舎にいてもできないことではない。感染リスクの高い都市部よりもテレワークで済ませるなら地方に転職したい、住みたいと希望する者が増えてくるだろう。テレワークがある程度定着すれば、何も首都圏や都会に住まなくたってよく、地方に居を構えてたまに都市部に行けばよいという考え方が持ち上がってくるのは当然である。

<明治以降の「向都離村」から21世紀は「向村離都」へ>
 私の尊敬する榛村純一 元掛川市長は、生涯学習という言葉を作られた先の読める方であるが、他に私がもっとほれぼれする言葉を作っている。明治以降、村を離れ都に向かう向都離村が続き、特に戦後は「集団就職」「金の卵」といった言葉に象徴されるように、工場労働者として、はたまた都市生活の下支えとして多くの若者が都会に繰り出して行った。その結果、江戸時代には約100万人と日本の人口約3,000万人の30分の1に過ぎなかった東京の人口は、今や1,400万人を超え10分の1も占めるようになった。これは、いくらなんでもいびつであり、21世紀は逆に都を離れ村に向かう「向村離都」にならなければいけないと著書で喝破していた。
 しかし、残念ながら21世紀になってもこうした流れが大きくなることはなかった。ところがこのコロナ禍を契機として、都市へ都市へといった流れが止まり、逆方向の"都市から地方に向かう" 「向村離都」の流れが起きる可能性が高まっている。そしてそのきっかけになるのはテレワークである。

<パリと地方の見事な二重生活>
 その前に通過地点として、フランス等で一般的なDual Life(二重生活)がある。つまり仕事は都会で、居住は地方でという二地域居住である。パリはフランスの真ん中よりちょっと東北に位置している。だからパリからフランスの相当な田舎まで行くにも車で4、5時間、TGVで行っても数時間で着くことができる。それに休みが、1週間ぶっ続けで5回も取れることになっている。だからパリでの仕事を退いた老後は、当然のごとく地方に住みつく人生設計をしている。

<日本も工夫次第で二地域居住が可能>
 残念ながら日本の休暇システムはフランスのような形にはなっていない。1週間ぶっ続けの休みなど取れず、やたらと多い祝日の組み合わせで、年末年始、5月のゴールデンウィーク、お盆、それと秋のシルバーウィーク、と4回の大型連休がある。ところが、いかんせん皆が同時に休むので交通機関、観光地も大混雑である。ただこれは休暇制度をちょっといじれば改善される。それに日本は、北海道から九州までかなり南北に長い国である。大阪、名古屋、福岡、仙台、札幌等の大都市が散在しており、都市部と地方と両方に居住地を持って行き来するという生活が成り立つ。ようはやる気と工夫次第でフランスと同じような生活スタイルを構築できるのだ。

<夢ではない月曜日の朝の飯山駅のラッシュアワー>
 北陸新幹線の飯山駅ができて、5年経った。冬には海外からのスキー客もチラホラ見られるが、乗降客はそれほど多くない。しかし、北信州(北信濃)の景色はそれこそ美しく心が洗われる。それこそもっとチラホラだが移住者もみられる。はくたかで東京駅に2時間弱で着く。まずは二地域居住で政治家並み(?)に金帰月来してもらい、次にテレワークで岳北地地方に住みついてもらいたいものだ。こうした生活に必要な通信環境の準備などすぐできるはずである。家は風情のある古民家が多く残る。あとはいざというときの医療体制の整備が望まれるぐらいだ。

<若者はやっと地方志向に変化>
 最近のある世論調査によると、新型コロナウィルスの感染拡大で地方への移住に関心が高まったとするものが46%に上がった。このうち移住先として第一位が北海道(15.7%)、そして長野県、静岡県、沖縄県と続く。ある程度東京からのアクセスが簡単なところが選ばれ、一方でせっかくだから離れたところという人もいるようだ。移住先で望むライフスタイルは地方だけで暮らす31%より、二地域居住が42%と一番多いのも頷ける。
 また、教育熱心な親たちは子供たちのために地方移住し、親は本人がテレワーク中心で時たま東京に行くという生活スタイルを選ぶ人が増えてくるのではないかと期待している。なぜならば、かつては「猛烈社員」、今は「ブラック企業」といずれにしろ仕事に追われて家庭にいることが少ない父親は、田舎暮らしでは子供との時間が格段に増え、地域社会との繋がりも増える。つまり、身近な自然環境を楽しみながら、より人間らしい生活ができることになる。
 今までなかなかきっかけがなかったが、コロナ禍によるテレワークの定着により、脱3密が脱都会になり二重生活そして向村離都が一気に進むことを期待してやまない。