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2011年11月11日

TPPシリーズ11.党内TPP議論をまとめる-11.11.10-

(最前の列での皆勤賞)
 TPPを10回に分けてお届けした。私はこの1ヶ月TPP三昧で、自宅にもそれほど帰っておらず、夜遅くまで第一議員会館719号室で、翌日の会合の勉強、そして深夜まで原稿書をするという生活を続けてきた。
 23回に及ぶ、経済連携PTの会合は、いつも同じ一番前の席に陣取り、皆勤賞である。自主的な「TPPを慎重に考える会」の会合も一番前の同じ席であり、定位置とみなされ、少々遅れて行っても、私の席はそのまま空けられていた。他のどの会合よりも優先した。TPPが大問題と考えたからである。発言は2回か3回に1回にとどめることにし、あまり出しゃばらないようにした。

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2011年11月10日

TPPシリーズ10.アメリカのしたたかな戦略とオバマの見え見えの打算ー11.11.9

 11日に予定されるAPECホノルル会合での、野田総理のTPP交渉への参加表明の是非に対し、民主党の意見をまとめるべく開催され続けてきた経済連携PTは、本日最終日を迎えることとなった。途中、慎重派議員の要求を受け、私も役員として昨晩とりまとめた提言案の一部に「慎重に」という更に強い一言を入れる修正を行う場面もあったが、17:30より開かれた同PTは、約5時間の議論の末、全会一致で党の提言として承認された。
 記者会見等を終えて、現在 11:20であるが、連日掲載して好評をいただいているTPPシリーズを本日もお送りしたいと思う。


 アメリカは、一旦戦略を打ちたてるとしつこくそれに向かって進む国である。
私は、以下のような大変なことがあったと考えている。

  ①丸太と製材の関税ゼロが中山間地域の疲弊をもたらしたこと
  ②余剰小麦のはけ口で、パン給食が導入され、日本の風土と隔絶した食生活が広まったこと
  ③金融ビック・バンにより日本金融システムを変えられ貸し渋りが増えたこと
  ④日米構造協議により大店法が改正され、地方商店街のシャッター通り化を招いたこと
  ⑤年次改善要望書にもられた郵政民営化を受け入れため、郵便局が混乱し、金融界にも波及が生じていること

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2011年11月08日

TPPシリーズ9.TPPの経済的メリット、デメリット-11.11.8

<まちまちの関係各省影響計算>
 TPPで各省庁の意見が真っ向から対立したが、TPPの影響試算がまちまちであった。
農林水産省は、TPPに参加した場合、農業で4.1兆円、関連食品産業を合わせると、7.9兆円の損失になり、340万人の雇用が減るという数字を出した。それに対して経産省は、不参加の場合は、20年後に輸送機器と家電と機械工業の大輸出産業でもって、GDPで10.5兆円の減になり、雇用は84.2万人が減ってしまう計算した。内閣府は、TPPに参加した場合、GDPの増加は2.4~3.2兆円、しなければ6~7000億円の減という見積もりを出していた。大きく各省庁の計算が違っている。

<経済的メリットが小さすぎて出せなかった経産省>
 農林水産省の計算は、内外価格差をもとに単純計算しただけのものだが、経産省の試算は、輸出比率の減を誇大に見せようとして、本来TPP不参加とすべき仮定を変えている。

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TPPシリーズ8.韓国と日本の大きな違い-11.11.7

(したたかな韓国、出遅れる日本)
 財界、経産省、外務省はなにかにつけて韓国のFTAを絶賛・推奨し、だから日本はTPPに入らなければいけないと言う。いわゆる「韓国脅威論」である。何を言っているのか、私は理解に苦しむばかりである。百歩譲って韓国を見本とするなら、米等重要品目を例外とするEPA・FTAをEUやアメリカと結べばいいのであって、関税ゼロを前提とするTPPなどは全く方向が違っていることである。
 日本の財界は、韓国の米・EUとのFTA締結という矢継ぎ早の自由貿易への転換に浮足立っている。EUとの関税 自動車10%、薄型液晶14%は大きいかも知れないが、それ以前に韓国には追い越されているのだ。2010年にトヨタは欧州で初めて販売台数で現代に追い抜かれているし、世界最大の市場中国でも現代に及ばない。関税をゼロにすればいいというほど単純ではない。

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2011年11月06日

TPPシリーズ7.TPPで米の輸出という矛盾-11.11.6

 連日TPPの議論が白熱している。そんな中、よく繰り広げられる、農業を強化して輸出産業として位置づけるという、耳障りよいことこの上ない主張。今回は、この矛盾に切り込みたいと思う。

<楽観的すぎる農業とTPPの両立、TPP農業刺激活性化論>
 TPP推進論者が決まって言うことに、TPPを機に日本の農業を輸出産業にすべきというものがある。曰く、「日本の農業は大切であるが、現在の農業の現状は、減反し小規模零細農家も多く、競争力がなさすぎる。貿易の自由化を契機に大規模化を進め、競争力ある農業をつくり、自給率も向上させる」である。
 言葉にすればもっともらしいが、関税をゼロにしたら、大規模専業稲作農業こそ競争で潰れていき、自分(や親戚一同)の食べる米ぐらいは自分で作ろうという健気な兼業農家しか生き残ることはできないだろう。経済学あるいは農業経済学上の常識なのに、素人ばかりか専門家までも同じようなノーテンキなことをいう人が多いのに驚かされる。たとえ、現在の農地を集積し20~30haに規模拡大しても、そもそもたかがしれているのだ。その200倍の規模のアメリカ、1000倍の規模のオーストラリアにどうやって太刀打ちができるというのだろうか。大量に安い米が輸入され、今の大豆(6%)や菜種(0.04%)や小麦(9%)の自給率並みになるのは明々白々である。
 それならば、今の戸別所得補償を使って農家に、内外の米の価格差分を補償すればいいという人もいる。しかし、3~4兆円にもなる財政負担を国民が許容してくれるのか、私には疑問である。更に楽観的な主張で、米は例外になるかもしれないからとにかくTPP交渉には参加すべしという、かなり乱暴なものまでもが横行している。

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