メイン

2013年10月24日

TPP交渉の行方シリーズ13「「TPPと労働」の隠された真実‐日本企業を買収したアメリカ企業が自由に解雇することを狙う-」13.10.24

 拙書『TPPはいらない!』で、数々のTPPの危険性、欺瞞性を指摘したが、一つ力点を置いたのが、労働分野であった。なぜならば、TPPの極端な秘密主義により、ほとんどの人たちが気づいてなかったからだ。実のところ、今でも私も全容はよくわからない。
 しかし、2つの過去の事実、今漏れてくるTPPの内容、日本で先行しているひどい状況等からわかってきた労働に関する、もう一つのTPPのいかがわしさを指摘しておきたい。

<アメリカが労働にこだわる理由>
 4つの小国(シンガポール、ブルネイ、NZ、チリ)ののどかな地域協定が、08年シュワブUSTR代表が加入の動きを始めてから様相が一変した。金融・投資ばかりでなく、労働と環境を加えることを条件としたからである。前者はウォール街の強欲資本主義の考えを入れ込もうとしていることは容易に理解できる。それを、アメリカがなぜ労働と環境かは疑問がつきまとった。
 アメリカは新興国のいい加減な労働条件、環境規制の下、競争条件が有利となり、安い製品を輸出されてはたまらないからだと説明した。いわゆるソーシャルダンピング、エコダンピングを許さないということである。労働でいえば、長時間労働、児童労働、婦女子労働、社会保険制度の不備等を世界の共通ルールにすることが目的だというのだ。

続きを読む "TPP交渉の行方シリーズ13「「TPPと労働」の隠された真実‐日本企業を買収したアメリカ企業が自由に解雇することを狙う-」13.10.24" »

2013年10月21日

TPP交渉の行方シリーズ11「国家の主権を損ねるISDSは絶対拒否すべし-ISDSで世界はアメリカ多国籍企業の管理体制下におかれる-」―13.10.21

<真正保守はTPPはTPP反対のはず>
 TPPは日本の国の形を変えてしまういかがわしい協定である。だから、保守的な考えの者こそこぞって反対するのが筋である。現に保守論客はこぞって反対している(小林よしのり⇒真正保守は反TPP・反原発が当然 -日本の保守が反TPP・反原発にならない不思議- 12.10.19 参照)。ところが、日本の伝統的文化、社会、制度をアメリカと同じものにしかねない危険なTPPを、自らもって保守とか右翼と悦に入っている安倍首相が積極的にTPPに参加するというのは大きな矛盾である。本人はそんな大矛盾に少しも気づかず、アメリカでも「軍国主義者の右翼と呼べばよい」と開き直っている。

<ISDSに反対する韓国>
 ISDSは安倍首相が、アメリカが作ったから嫌いで改憲するという日本国憲法第76条(すべて司法権は、最高裁判所及び法律の定めるところにより設置する下級裁判所に属する)に違反する。日本のもめ事はすべて日本の裁判所で決しなければならないのに、外国企業が関係するからといって世銀の下にある国際投資紛争解決センターの一審だけで決するというのは、まさに主権の侵害である。だからこそ先行する韓国では裁判官、弁護士が、米韓FTAが不平等条約だと問題にした。

続きを読む "TPP交渉の行方シリーズ11「国家の主権を損ねるISDSは絶対拒否すべし-ISDSで世界はアメリカ多国籍企業の管理体制下におかれる-」―13.10.21" »

2013年10月11日

TPP交渉の行方シリーズ10「大枠合意もできず破綻するアメリカの世界改造計画-アメリカの制度(ルール)は世界の見本たりえず」―13.10.11

10月8日記(10月11日加筆)
 私は今バリ島のグランドニッコーホテルの315号室で怒りに震えながらこの原稿を書いている。第一に、また逆戻りした政府・自民党の騙しの政策変更、第二に、アメリカの傍若無人な世界改造計画、そして第三に思い出すのが、自民党と民主党の成熟度合の差である。

<繰り返される「出来」レース>
 民主党がボロ負けした、12年末の野田自爆解散の時の自民党の公約、「政府が、「聖域なき関税撤廃」を前提にする限り、交渉参加に反対する」は、自民党政治の最高文学の一つだというのは、私の40年来の畏友、手嶋龍一の至言である。政権交代を見込み、聖域でなくせば(つまり、例外が認められれば)TPPに参加できるという言訳を残しながら、農民や地方を欺いたのだ。
 TPP首脳会合でも、予想された数分野の合意やアメリカの望む、大枠合意すらできなかった。西川公也TPP対策委員長のフェイント発言「重要5項目について、例外の対象から抜くか抜かないか検討はしなければならない」という、完全に昔に逆戻りした自民党政治の復活である。今や大半の人が忘れているが、安倍自民党は「日本を取り戻す」という意味不明のキャッチフレーズを多用した。アメリカでも「Japan is back」とやら述べたが、自民党のずるい政治は完璧に取り戻している。

続きを読む "TPP交渉の行方シリーズ10「大枠合意もできず破綻するアメリカの世界改造計画-アメリカの制度(ルール)は世界の見本たりえず」―13.10.11" »

2013年10月08日

TPP交渉の行方シリーズ9「オバマが欠席するバリTPP首脳会合-TPPがドーハ・ラウンド化するおそれ」-13.10.08

 10月7日(月)私はTPP交渉の絡みで再び海外(インドネシア バリ島)にいる。8月末のブルネイは、国有企業やISDS(投資家国家間訴訟)等に強力に反対するマレーシアの国会議員やNPOとの意見交換で大忙しであった。ところが、今回はAPECの合間に開催されるTPP閣僚会議、TPP首脳会議であり、いたって静かである。観光客用の豪華なホテルの一室で、TPP関連の最近の動きを伝える新聞等のコピーを熟読している。

<予想されたオバマの欠席>
 私が日本を発った5日(土)に、オバマ大統領が予算未成立による、国の機関問題という失態のため国内にとどまると発表された。APEC後予定されていたマレーシアとフィリピンの訪問は既に中止されていたが、TPPの年内妥結のため、アメリカは何としてもオバマに首脳会議の議長を務めてもらいたかったが、国内のがたつきのために断念したのである。

続きを読む "TPP交渉の行方シリーズ9「オバマが欠席するバリTPP首脳会合-TPPがドーハ・ラウンド化するおそれ」-13.10.08" »

2013年09月09日

ブルネイTPP交渉報告-13.09.09

 8月26〜31日、ブルネイのTPP交渉について下記のとおりの活動をしてきた。帰国した当日はTPP反対運動全国寄合交流会に出席し、翌9月1日朝には衆議院環境委員会視察でヨーロッパに出張したため、報告が遅れたことをお詫びする。とりあえず、概要を先に報告し、帰国後、今後の展開等について、数回に分けて報告したい。

8/26(月) 日本(羽田空港発)→(香港経由)→ブルネイ
8/27(火) 午前:ステークホルダー(関係者)会合
     昼食:マレーシア超党派国会議員団との意見交換会
8/28(水) 午前:国際会議場で交渉団激励、日本政府説明・意見交換会
     昼食:マレーシア主席交渉官との意見交換会
     午後:主要TPP反対NPOとの意見交換会
     夕食:マレーシア禁煙運動家との意見交換会
8/29(木) 午前:日本政府説明・意見交換会
8/30(金) ブルネイ→マレーシア
     午後:アンワール議員(野党人民正義党、元副首相の娘)との意見交換会
8/31(土) マレーシア→日本(成田空港着)
     夕方:TPP反対運動全国寄合交流会出席(東京・パルシステム生協)

続きを読む "ブルネイTPP交渉報告-13.09.09" »