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2018年12月02日

【漁業法シリーズ2】海洋法条約は漁業分野では自由を認めず、資源管理を義務付け  -人類共有の財産は日本の総有(入会林野・共同漁業権等)と同じ- 18.12.02

<10年余に及んだ第3次海洋法会議>
 1973年第三次海洋法会議が始まり、11回にも及ぶ長い会議を経て、1982年国連海洋法条約が採択された。海洋法条約はいろいろ項目が入っており、最大の国際条約と言われるが、その一つの大きなテーマは海の資源の扱いだった。1994年11月に発効した。日本はそれを受けて世界有数の水産国、海に深くかかわる国として、当然条約に加盟しなければならないということになった。

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2015年07月07日

【TPP交渉の行方シリーズ40】企業献金が後押ししたTPA採決‐TPAを巡る大企業対一般国民の対立構造が明確化‐15.07.07

<政府・マスコミ一体となった暴走が続く危険>
 米議会で、TPAが通過したことから、甘利TPP担当相も「7月中に(2カ国)閣僚会合で合意する必要があり、それは可能だ」「日本としては8月以降に閣僚会合がずれ込むことは全く想定していない」「日米両国にはそれほど深刻な問題は残されていない」と、全く有頂天である。それに調子を合わせて、安倍官邸大本営に加担しっぱなしの翼賛5
大紙は、こぞって、これで交渉に弾みがかかり、一挙に妥結に向かうといった提灯記事を書いている。
 日本の5大紙は案保法制については、意見が分かれ健全性を保っているが、自由貿易、規制改革といった、すたれた経済成長至上主義を金科玉条とする5大紙は、今も目を覚ます気配が感じられない。ただ、産経だけが「TPP交渉楽観できず 貿易自由化に高いハードル」と珍しく少々違った報道振りなのが目を引いた。

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2015年06月19日

地方を元気にする「根っこの会」(亀井静香代表)の活動 -篠原は医療過疎地の解消を担当-15.06.19

<根っこの会幹事長>
 私は、今いろいろ活動しているが、その多くの時間を亀井静香さんとともに過ごしている。全体の業務量の5分の1くらいは亀井さんに振り回されている。いつのころからか亀井さんとの付き合いが始り、急激に濃密になっていった。今は、地方を元気にするための超党派議員連盟 「地域活性化協議会」(通称、根っこの会)を造り、私がその幹事長になり、亀井金融担当大臣の時に副大臣もした大塚耕平参議院議員が事務局長におさまり、この会を運営している。
 6月10日、国会議員メンバー55名のうち、27名が出席し、各地方の首長・自治体議員・中小企業者・農林水産業者等が300名程、衆議院第一議員会館の国際会議室に集まり、地方をどうするかということを話し合い実行していくことにした。この準備に相当な時間を費やした。

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2015年05月01日

【TPP交渉の行方シリーズ34】 アメリカでTPP、TPAに反対する仲間 ‐ アメリカの反対者の理由を検証する ‐ 15.05.01

 TPPは日本では2012年秋から大問題になった。アメリカではつい最近、オバマ大統領が2期目の遺産(legacy)と言い出すに及び、日本と同じ国政の重要課題になっている。ただ、その国民への浸透度合いは、多様な価値観のある広大な国であり、日本と比べて相当薄い。しかし、やっとアメリカ議会も地方自治体(州政府、市)も国民一般もその酷い内容を知り、騒然としだしている。その反対の理由が日本とは多少異なるところもあるので、この際順不同で紹介しておく。

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2015年04月20日

【TPP交渉の行方シリーズ27】 情報開示に取り組み始めたアメリカと頬被りする日本 -議会対策のために背に腹は代えられず-15.04.20(4月-1) 

 今夕〈4/19(日)〉甘利・フロマン日米閣僚会合が開かれる。それは安倍首相が訪米し、辺野古移転問題もあるがTPPについても再び国益を損ねる発言としアメリカに妥協しかねない。このため、今日から連続でTPPについての私の収集した情報をお知らせし私の予見、考えを示していく。

<アメリカ情報公開は当然のこと>
 3月の18日、民主党向けにフロマンUSTR代表とルー財務長官が説明会を開いた。その席でフロマン代表は前例のない前向きな姿勢を示すと言って各議員にTPPの協定の条文を全て開示することを約束し、既に何人かの議員が見ており、多くの議員がその事実を明らかにしている。そのうちの一人Delauro(デローロ)議員(女性)は、「行ってみたところ非公開(confidential)と分類されているだけで、極秘(secret)になっていない」から、議員は誰もが見られるのでTPP協定条文を入手するべきであると勧めている。当然のことである。

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2015年04月19日

【TPP交渉の行方シリーズ26】 山岸一雄「大勝軒」社長に見る日本の美風 -TPPで日本の食をアメリカ化されてはたまらない- 15.04.19

<ファーストフードの席巻は許さず>
 私は「TPP絶対反対」で相変わらず「NO!TPP」バッジと「STOP TPP」ネクタイを締めて活動をしている。よく例に出すのは、このまま放っておくと日本の味が失われ、ほとんどの食堂が全国チェーンの食堂になってしまうということである。それも日本の全国チェーンならまだしも、マクドナルド、デニーズ、ケンタッキー・フライドチキンに代表されるように、アメリカのファーストフードに席巻されてはたまらない。

<竹馬の友が拒絶反応を示したアメリカの外食>
 1977年の年末、私の中学の同級生2人がアメリカ留学中の私を頼って遊びに来たが、最後にもうアメリカの食堂にいくのは嫌だと言い出した。味も合わなかったようだが、チップの関係があったり、何よりも嫌だったのは「wait to be seated」ということで、入口で待たされ、ウェイターかウェイトレスに席へ連れて行かれることだった。まずい上に「ヘイ、いらっしゃい」「ありがとうございました。またどうぞ」という掛け声もなく、つまらないというのだ。最後のディズニーランド近くのホテルでは2人ともゴネて外出せず、母から私への土産として預かってきた野沢菜をハサミで切って酒の肴にして過ごす羽目になった。優しい二人は、せっかくの母の土産を食べてしまったことを母には内緒にしておいてくれと懇願した。

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2015年01月20日

代表選シリーズ4 岡田新代表には落ち着いた党内運営を期待 -民主党再生には、党内融和・団結が何より大事-

<人気投票になってしまう党員・サポーター選挙>
 私は、長妻選対の副本部長として選挙戦を闘った。いままで2回いずれも鹿野道彦を代表にと選対事務局長を務め、代表選はそれなりの経験があったが、もともとこの手の選挙は好きではない。今回は、あまり世話はやかずに地元の得票に力を注ぎ、やるべきことをやるのに終始して深入りしなかった。
 選挙戦中盤以降、長妻が3番手で岡田・細野が伯仲し、2人の決選投票確実という情勢になった。地方の声なり国民の声を聞くという点では党員・サポーター(以下「党・サポ」)を入れる選挙が理想だが、やはり知名度が高い方が有利で、人気投票になりがちである。今回もご多分に漏れずその通りになった。そして、12年9月の代表選を思い出した人たちには、また素交会がキャスティングボートを握り、鹿野の「上着脱ぎサイン」(上着を着たままなら第1位に投票、脱いだら第2位に投票)の再来かと言われ出した。

<第1回投票は岡田・細野が並ぶ>
 そうした中、演説も討論会での受け答えも長妻が一番しっかりしていると、有識者や記者が気付き始めたが、いかんせん党・サポまでは浸透しなかった。 国会議員投票直前の最後の10分間の演説でも、長妻の意外な冗談(厚労大臣時代官僚に敵対したのは本当に反省する、笑顔が少ないというので作るようにする等)もあり、他の2人よりも印象に残った(ただ、これは私のひいき目が入っているので、少々客観性に欠けるかもしれない)。しかし、それで大きく長妻票が増えることはなく本当に残念である。
 民主党の国会議員は1人もいない県も多く、投票率は46.21%と全体の盛り上がりと比べて低いままだ。投票率では2人の候補の地元三重(67.21%)と静岡(63.37%)が上位を占め、沖縄(22.35%)、徳島(31.04%)が低い県で倍半分にと大きく開いた。
 そうした中、我が長野県は2、4、5区に衆議院議員がいないにもかかわらず投票率が50%を超え、上から8番目という地位を占めた。私が長妻、羽田参議院議員は細野、北沢参議院議員は岡田と割れ(この他、比例区で長野県連の津田弥太郎参議院議員は細野、柳沢光美参議院議員は岡田)、長野県の9ポイントは3人に3ポイントずつときれいに三分される結果となった。

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2014年11月09日

TPP交渉の行方シリーズ その24 米中間選挙の結果、TPPは漂流か決裂か-14.11.09

<6年目の中間選挙は与党ばかり>
 11月6日の新聞各紙は、民主党の敗北を一斉に伝えている。上院も下院も野党共和党が多数を占め、オバマ政権は求心力を失い、レームダックになりつつあると解説している。しかし、これは真実ではない。
 民主主義国の盟主をもって任じるアメリカ国民は、選挙という手段を通じて政権をうまくチェックしている。特に2期目の大統領の中間選挙は、権限を持ち6年経って暴走の気配が生じたり、倦怠感が生まれたりしがちな大統領に対して警告を発すべく、大体は政権与党が敗北しており、与党が議席を伸ばしたことはほとんどない。(例外は、クリントン政権の6年目に下院で共和党が3議席減らしたことだけである)

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2014年11月06日

TPP交渉の行方シリーズ23 アメリカの尊大な要求 -通貨操作と証明(サーティフィケーション)- 14.11.06

<疲れる2泊5日の強行軍>
 10月25日から27日まで3日間にわたり、TPP閣僚会合が開催され、私は民主党の代表として25日と28日の夜行便でシドニーを往復した。28日は朝6時に成田着、10時に外務・農水連合審査で日豪EPAの審議の質問に立つという強行スケジュールだった。

<時間の無駄の閣僚会議>
 閣僚会合自体は、例の秘密保持とやらで、進展したのかしないのか、どこが問題となっているのか少しも分からない。通り一辺倒の共同記者会見が開かれ、簡単なペーパーが1枚配られただけである。国民を馬鹿にした会合であり、これでまとまったから承認を、と言われても誰しもその気になれないのではないか。内容を全く知らされず、議論の余地もなく、まして修正などあり得ないというなら、きっぱりと拒否するしかない。私はこの非民主的な、言ってみれば皆が蔑む北朝鮮的進め方には絶対に承服できない。
 TPP及びその関連の交渉で、ますますアメリカの手前勝手な要求が目につき始めている。最近明らかになった2つを警告のために明らかにしておきたい。

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2014年09月19日

TPP交渉の行方シリーズ22 日米のみが妥協を急ぐTPP ―TPPを政局の道具にする日米両国首脳― 14.09.19

<アメリカは中間選挙の目玉に間に合わず>
 09年秋オバマ大統領500億ドルの輸出増により、200万人の雇用創出をするという名目の下、突然TPPを推進し出した。それまでNAFTAをはじめとする自由貿易協定に関心を示さないばかりか、むしろ否定的だったオバマが、ただ一つ雇用の創出のためにTPPに飛びついたといってよい。
 しかし、その後は雇用情勢も小康状態を保ち、失業率は高まることはなく、むしろ改善が進んでいる。まして、今は好景気が続いている。その意味では、TPPにしがみつく理由は減っている。つまり、TPPによる雇用創出が中間選挙の目玉にはなりにくくなっている。
 ところが、さしたる経済政策がないオバマは、日本を巻き込んだ多国間の経済連携協定をまとめたことを、オバマ政権そのもののレガシー(遺産)にせんとしている。逆に言えば、シリア・ウクライナと軍事面での対応は、いま一つの感があり、8年間の政権の業績の一つとして、TPPが重要になってきている。
 こうした政治的背景から、フロマンUSTR代表は、11月のAPEC会合までに、日米閣僚間会合で早期決着を図らんとしている。それに対し、日本側は、甘利TPP担当相が「まずは実務担当者でまとめないとならない」と拒否反応を示している。細かいこと(例、農産物関係のいわゆる方程式合意)を決めるには、政治レベルでいくら決着しても本来の決着にならないからである。
 外交の舞台は、時の政権が国威を発揚して国民(有権者)の関心を買うことに利用される。11月のAPECはオバマ大統領にとっても安倍首相にとっても、いわば人気取りの好機なのだ。TPPを両首脳の点数稼ぎに使われてはたまらない。

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2014年07月10日

アベノミクス農政批判シリーズ6 「規制改革会議提言逐条(項目)反論コメント2」 14.07.10

<国の機関に入り込み好き勝手な提言をする厚顔無恥>
 前号で、経済界は自ら提言することをやめ、国の機関である規制改革会議の衣を繕って注文をつけだしたと書いた。しかし、よく考えてみると産業競争力会議も含め、これらを乗っ取り、そこをひっかきまわして提言しているといってほうが正確かもしれない。これは、利益相反どころの話ではない。政府を思いのままに操っていると言ってよい。(アベノミクス農政批判シリーズ4「安倍政権の〇〇会議は利益相反だらけ -企業に大甘の政策決定プロセス-」14.07.01)
 強引な政治手法のさえたるものである。国民に選ばれた我々国会議員を蔑ろにして、安倍政権が勝手に選んだ者に牛耳られているのである。民主主義の危機である。
 しかし、厚顔無恥は更に極まっている。その政府機関のメンバーが、また別途『経済成長フォーラム』なる組織を作り、更に好き勝手放題の提言をしているのだ。

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アベノミクス農政批判シリーズ5 「規制改革会議提言逐条(項目)反論コメント1」 14.07.10

 私は1982年から3年間農林水産省大臣官房企画室に在籍した。主な仕事の一つが土光(敏夫)第2臨調の後を受け当時華やか(?)だった経済界(経団連・経済同友会等)の素人的農政提言に対し、すぐ反論を書き、コメントを作成することだった。もちろん行政管理庁(当時)の規制改革に関する指摘もあり、その反論もさせられた。経団連事務局の相手方が 今 人事院人事官の立花宏であり、経済同友会の責任者が故小島慶三(参議院議員)だった。やりとりが頻繁で、付き合いが濃密だったこともあり、すっかり親しくなりその後もずっと交流が続いた。

<昔とった杵柄で逐一反論>
 経済界は巧妙になった。提言が実は自らに都合のいい我田引水的なものになっているのを恥じたのかもしれない。今は自らの提言は控え、国の機関である規制改革会議の衣を繕って注文をつけ出した。それが今回の農協・農業委・農業生産法人に対しての提言である。
 ところが、世の中が少々変わり、恐れ多い内閣府の機関の提言のせいか、農林水産省は少しも反論していない。へたに咬みついたりすると、例の内閣人事局(官邸)から睨まれることになり、自らの人事に差し障りが出ては大変とおじけづいているのかもしれない。これが今霞が関を覆っている暗雲である。そこで野党議員という自由の身の私(?)が、怖気づいた与党議員や官僚に成り替わって30年前の昔とった杵柄で逐一反論してみた。かなり荒っぽいと思われるが、今後のあり方の検討の一助にしていただければ幸いである。(便宜上の②農業委員会をシリーズ5とし、それ以外をシリーズ6としてお届けする)

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2014年07月04日

集団的自衛権シリーズ2 安倍政権の暴走は民主党が止めるしかない -日本はいかなる理由があろうとも軍隊を海外に派遣せず- 14.07.04

<世間とかけ離れる上から目線の安倍政治>
 どの世論調査でも、憲法9条を改正したり集団的自衛権の行使を認めたりすることを支持する人はごく少数でしかない。
 私の手許にある共同通信の世論調査の最新のものは、集団的自衛権の行使に反対54%、賛成34%, 武力を伴う集団安全保障への参加に賛成18% 反対73%, 憲法解釈変更による容認に妥当ではなかったとするのが60%、妥当であるが31.7% いずれも半数以上が反対、妥当でないとしている。
 また、日経新聞には党派別の調査が掲載されていた。自民党支持者では一定の支持があるが、公明党支持者は反対が半数以上となり、男女別でみると、男性は行使容認の賛否は拮抗しているが、女性は53%が反対し、賛成は24%にすぎない。「平和と福祉」を掲げる創価学会婦人部の面目躍如である。他党のことであり余計なことであるが、公明党は今回のこの閣議決定で相当支持を失っていく可能性もある。

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2014年07月03日

集団的自衛権シリーズ1 日本を危うくする集団的自衛権の行使容認の閣議決定-14.07.03

 7月1日(火)、もしデタラメな規制改革会議の提言が実行されると最後になる、私の選挙区の高山村の農業委員選挙が告示され、いつものとおり話し合いにより12人が無投票で当選した。混乱の真っ只中にある農業委員会であり、当選祝いが行われた4人の会場を回り、最後のひとつ前の新幹線「あさま」で上京した。

<国会議事堂駅前の思わぬ手荒い出迎え>
 私は明日からの滋賀県知事選の応援に行くため、資料の準備をしに夜11時ごろ衆議院第一議員会館719号室に戻らなければならなかった。しかし、丸ノ内線国会議事堂前駅を降りると、すぐ警官に呼び止められた。まだ首相官邸前で集団的自衛権反対デモが行われていたのである。私は、東京の電車の中では気がつく限り議員バッジをはずす。「お前国会議員のくせに座っているのか」と難癖を付けられたこともあり、今日もあさまに乗り込むと同時にはずしていた。
 そこで慌ててバッジをつけ、重いキャリーケースを持って駅の階段を登ったところ、会館へ到着するまでの100メートルで2度3度と尋問を受け、最後はついて来られた。その戒厳令下何とか事務所に到着し、今この原稿の校正をしている。対面の歩道では鐘と太鼓が鳴り、デモが続いている。ここにも怒りが渦巻いている。 
 私はしつこいブログ・メルマガを書いているが、今日閣議決定された集団的自衛権についてはほとんど触れてこなかった。関心がないからではなく、あまりにも机上の空論が多くて論ずる気も起こらなかったからである。

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2014年07月01日

アベノミクス農政批判シリーズ4「安倍政権の〇〇会議は利益相反だらけ -企業に大甘の政策決定プロセス-」14.07.01

<20年前は農水省のOBばかりの〇〇審議会>
 各省庁には、何々審議会がある。農林水産省には、1996年19の審議会があった。自社さきがけ政権が出来た時に、やはり自民党政権では全く手が付けられなかった改革が行われた。その一つに審議会改革があり、女性委員を1/3以上にするとともに、座長あるいは会長をその担当省庁のOBにしないことということである。その後、省庁のOBを一人も入れてはいけないことになった。御用審議会批判に応えるものであった。
 恥ずかしながら、調べてみてびっくりしたことがある。農林水産省19の審議会中、獣医師審議会を除いて、18の審議会のすべてが農林水産省のOBが座長あるいは会長になっていた。そういえば、農林水産省OBの小倉武一さんが大蔵省の税制調査会の会長を何年もやり、内村良英さんが関税率審議会の会長をやっているのを不思議に思っていた。大蔵省(現財務省)は自主的に自省のOBを座長にするのを避けていたのである。自分の省庁OBが座長では客観的な答申とはならないという、世間の目を気にしてのことだった。それに対して、何事も閉鎖的で普通の流れからちょっとずれがちの我が農林水産省はそうしたことに全く無頓着だったのだ。

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2014年06月30日

アベノミクス農政批判シリーズ3「見せかけの企業の農業参入 -本音は農地の転売利益が目的-」14.06.30

<増加する株式会社の農業生産法人>
 規制改革会議は、6月13日またぞろどぎつい提言をまとめた。そこにみられるのはしつこい企業の農業への参入の主張である。しかし、正確に言うと、企業の農業への参入ではない。
 今までも農業生産法人の要件は相当緩和されてきている。今回の規制改革会議では更に役員の過半が農作業に従事から役員または重要な使用人のうち一人以上が農業従事、そして構成要件の3/4以上が農業関係者や農業関係者から1/2以上等、大幅に緩和するよう提言されている。従って、今この提言が実行されれば、なおさら企業は農業に参入しやすくなる。

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2014年06月15日

TPP交渉の行方シリーズ19「 TPPが国家主権を侵すことに気付いたアメリカ議会 」―TPAはアメリカ議会を通る見込みなし―

  オバマ大統領の来日前に、2組のアメリカ議会の国会議員団との懇談の機会があり、目黒雅叙園で開催された会合では、いつものとおり“NO!TPP”バッジと“Stop TPP”ネクタイで完全武装した私のまわりに数人の議員が集まった。
    「日本でTPPに反対している国会議員がいるとは知らなかった」
    「どういう理由で反対しているのか」
    「このバッジとネクタイはどこで手に入るのか」等々
  日本でも2010年10月1日に菅首相が突然TPPに言及した時までTPPの何たるかを知る人は僅かであり、国会議員も大半が内容を承知していなかった。
  交渉内容を秘密にする守秘協定とやらがあり、いまだもって内容が明らかにされていない。アメリカも数年遅れでやっとTPPへの関心が高まりつつあるようだ。ところがさすが三権分立が徹底している民主主義の国である。TPPのいかがわしさにいち早く気づき、拒否反応が日本の議員たちをはるかに凌ぐ勢いで広まっている。

<Fast Trackが交渉を左右>
  異口同音に述べた結論は、議会がTPPの交渉を政府に授権する Fast Track(追い越し車線、早期一括採決方式、現在はTPA(貿易促進権限法)とよばれている)は絶対通さないということである。
  NAFTAやWTOが関税を超える諸々の国内法に影響を与えるようになると、アメリカ議会が、Fast Trackを与えなくなった。議会の立法権を侵害することに気付いたからである。最近20年間で認められたのは、ブッシュ政権(2002-7年)の貿易協定にだけである。かつてはあくまで関税の引き下げなり非関税障壁に限られていたが、近年は知的財産権や投資や環境まで協定の内容が広がり、そう簡単にはFast Trackを認めなくなった。つまり立法府が決めることに国際協定が先に口を挟むことは許さないということである。

<共和党はTPPが国家主権に抵触すると拒否反応>
  日本ではISDS(投資者国際紛争解決)ばかりが国家主権を損なうと問題にされてきたが、アメリカはその他の分野での国際協定もままならんということでは、はるかに先をいく。TPPは、特許、著作権、食の安全、政府調達、財政規律、人の移動、医療制度、エネルギー政策、環境規制、労働規制など広範に及ぶ。これらは、そもそも議会で制度が作られるべきなのだ。民主党は、これらが消費者セーフガードを裏口から崩し、医薬品を高価格に押し上げ、国民生活を脅かすことを憂いている。一方、共和党は国家主権に抵触し、憲法問題を引き起こすと問題視している。TPPはとてもUSTRの役人に任せておける問題ではないということだ。

<議会が次々とオバマに書簡を送りTPAに反対>
  そこに、600社の大企業にはTPP協定の内容を相談しているというのに、肝心の議会には梨の礫である。ますます怒るのは当然のことである。議会は業を煮やし、次々と大統領にTPAを通さないと書簡を送りつけた。
  13年末、オバマの与党である民主党の下院議員201名のうち151名がTPAを支持しないと表明した。
また、30名の共和党議員もオバマに反対の書簡を送っている。共和党はどちらかというと自由貿易推進だが、何かと敵対的なオバマに権限を与えないとしている。
  14年1月、一部の有志議員によりTPAが議会に提出された。1か月のうちにほとんどの下院民主党議員が反対を表明した。また、上院の審議採決の鍵を握るリード上院内総務は、TPAを上院で採択するつもりはないと表明した(私の質問に対し甘利TPP担当相は、日本でいうと石破幹事長のような要職にあると答弁)。一方、日米牛肉・柑橘交渉で名を馳せた上院の提出者のボーカス上院議員(モンタナ、共和党)は、中国大使に転出し、TPAの推進力を失った。そして、後任の貿易小委員長は、議会により強い権限があるTPAを自ら作りたいと表明した。
  もちろん、関係業界はすさまじいロビー活動を展開しているが、共和党の右派ティーパーティのロン・ポール上院議員をはじめとする共和党議員はますますTPA反対を強めている。また、世論調査でもアメリカ人の大半は、NAFTAのような貿易協定(TPP等)には反対している。

<振り回されるだけの日本>
  米韓FTAは、政府間では07年に成案を得られていたが、アメリカ議会は承認せず、牛肉や自動車等の再交渉が行われた。韓国が更に妥協を重ねて発効したのは12年2月と、署名から5年も要している。国会の手続きや方法がかなり変わったアメリカを相手とする国際交渉は、いつもアメリカに振り回される。こうしたことから、TPPが政府間で成立しても、個々の条文がアメリカ議会にいろいろチェックされ、相当修正させられ、それをもとに再交渉を強いられるおそれがある。
  従ってアメリカの国会議員にいわせると、アメリカ議会が権限を与えていない相手とよく交渉して全く無駄だということになる。11月の中間選挙の対立を回避するためか、どう楽観的にみても成立は早くて年末である。悲観的にみると。仮に政府間(交渉担当者レベル)で合意が成立し署名しても、アメリカ議会が通す見込みは皆無という見方もある。

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2014年06月06日

アベノミクス農政批判シリーズ2「血迷うアベノミクス農政 -規制改革会議提言は支離滅裂-」14.06.06

<TPPから目をそらすための7500円への減額>
 農政改革は突然始まっている。昨年13年秋、TPP交渉がうまくいかないことから目をそらすためであろう。突然農業者戸別所得補償による米作農家への直接支払いを、10㌃あたり1万5千円から7千5百円に引き下げることを決定した。農家は行方の分からないTPP交渉より、実害のあることに愕然とした。
 一見大胆だが何のことはない、ただ直接支払いの単価を下げるだけもので、不信をかっているTPPから目をそらすためなのは明らかである。そして数年後に「減反を廃止」し、自主的な生産調整に任せると打ち出し、安倍政権の農政大改革と銘打っている。ところが、それを担う全国農協中央会から法律的な指導や調整の権限を奪おうとしている。全く整合性のとれないニセ政策である。

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アベノミクス農政批判シリーズ1「傲慢なり安倍官邸(自民党)、哀れで悲しき全国農協中央会 -農業界のTPP反対に対し、農協解体で恫喝する安倍官邸の驕り-」 14.06.06

<TPP反対集会から野党議員を締め出す愚>
 5月14日、何回目かのTPP反対集会が日比谷野外音楽堂で開催された。私は、そこにいつもどおり出かけて行った。ところが、会場に着くと、旧知の全中幹部が「いやいや、与党だけですみません。会場の長野県の場所にご案内しますから」といって、壇上には上がらせなかった。そういえば、日本農業新聞で、全中主催の集会が報道されるのに、私に案内が来ないのは不思議だなあとは思っていた。
 この日は、昼休みにすぐ近くの航空会館で長野県農協中央会主催の長野県選出全国会議員団との会合が開かれ、その直後に前述の反対集会が開かれた。私の秘書は、私と同様何事にも前向き(?)である。長野県農協中央会からの案内には、「14:30から日比谷野外音楽堂で国民集会が開催されますので、参加につきましてご配慮願います」と書いてあった。秘書は、「配慮」を「絶対に遅刻せずに来てほしい」と受取り、私の予定に入れた上、絶対に遅れないようにと注意していたのである。

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2014年05月28日

TPP交渉の行方シリーズ18「TPPは商業都市国家のルールにすぎず -日本をシンガポールにしてはならず-」 14.5.28

<肌に合わないシンガポール>
 TPP閣僚会合が13年12月と14年2月と2回続けてシンガポールで開かれた。私は、その前のブルネイとバリ島には民主党を代表して行ったが、シンガポールの2回の会合には行かなかった。今回は久方振りの出張となった。シンガポールは初めてではないが、何年振りか何回目かもはっきりと記憶に残っていない。完璧な近代的都市だが、私の趣味から遠く離れた代物である。
 そこにもってきて、私がずっと大反対し続けているTPPが、ひょっとして大妥結で協定が成立してしまう恐れもあり、気の重い出張でしかない。おまけに、交渉団の激励・監視といっても、我々が高い旅費をかけて来ているというのに、例の秘密交渉を盾にさっぱり情報は流さず、どんな交渉状況かほとんど知ることが出来ない。5/17~20のシンガポール出張はイライラがつのるばかりの3日間であった。

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2014年05月11日

「2度目のごまかし日米共同声明」 -許しがたい政府の姑息な情報操作-14.05.11

<共同声明は国内向け>
  外交は外交だけではなく内政を意識して行われている、といわれている。典型的な例が昨年2月下旬の日米共同声明である。日本の新聞はこぞってTPPを支持しているし、安倍首相の外交的成果だと提灯記事を書いた。例の重要5項目についてオバマ大統領から例外も可能という言質を取り付けたので、TPP交渉に参加するという声明である。しかし、現実には日本とアメリカで、それぞれの国に都合のいい全く異なる記者発表がなされていた。アメリカでは聖域を認めるというようなことはさっぱり言われておらず、むしろ自動車やその他について日本がどれだけ約束したかということが大々的に宣伝されていた。つまり、両国とも都合の良いことを外交成果としてあげていたのである。

<またも出過ぎた読売の露払い記事>
  今回、オバマ訪日を機に精力的にTPP交渉が行われた。甘利TPP担当大臣の顔をニュースで何回も見た人が居たはずである。皆が注目した共同声明は、何のことはない「重要な課題について前進する道筋を特定した」と抽象的な表現だけであった。拍子抜けである。さんざんギリギリの交渉と言いつつ、最終的な閣僚会合も開かれなかった。蚊帳の外の国民には何がどうなっているのか分からない。
  しかし、どこからか嘘はばれてくる。4月25日(金)の読売新聞の夕刊に「20年程度かけて38.5%から少なくとも9%まで段階的に引き下げる」、豚肉についても「差額関税制度は維持するものの4.3%の関税は引き下げる、と書かれていた。邪推かもしれないが、もう相当合意が成立していると思われる。なぜかというと、最後の詰めの甘利・フロマン会談が行われなかったからである。もうケリがついたということである。それを、なぜ正直に公表しないのか。4月27日の大畜産地帯である鹿児島県の補欠選挙への影響を考えたからである。どこまでも日本政府の対応は姑息である。

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2014年04月21日

靖国参拝のツケをTPPで払う安倍政権の堕落-14.04.21-

 4月23日のオバマ大統領の訪日を前にして、日米で突貫工事よろしくTPP2国間交渉が行われている。愚かである。日本側は口癖のように「期限を切って交渉することはない」と言っていたのに、オバマの訪日を前にお土産作りに必死なのだ。相変わらず屈辱的外交がそれこそハナバナしく行われている。日本の国益を損ねる許し難い外交だ。

<TPP国会決議の原形となった日豪EPA国会決議>
 話は、第1次安倍政権にさかのぼる。教育改革に熱心だった安倍首相が、06年12月ハワード豪首相が訪日を機に突然日豪EPA交渉を開始した。オーストラリアにとっては願ってもないことであった。この時に衆参農林水産委員会でかなりどぎつい決議が行われている。私は農林水産委員会の野党民主党の筆頭理事としてこの決議に深くかかわった。重要5品目除外又は再協議、脱退(交渉中断)等、今のTPPに対する決議の原形をなすものだった。

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2014年03月28日

頑張れウクライナ ―紛争の種をはやく摘むべし-14.03.28

<鉄のカーテン>
 海外出張を度重ねると縁がある国とない国というのが出てくる。私にとってはウクライナ、キエフは非常に縁のある国、都市になっている。
 初めてキエフに行ったのは遥かかなた昔1985年、まだ、ソ連の鉄のカーテンの時代でチェルノブイリ原発事故の1年前である。官房企画室に長くいると海外出張のチャンスが巡ってくる。ほとんどの人は欧米先進国に行くが、私は国際協力課の担当も嫌がるアフリカか中南米のODAがらみで出張したいと申し出ていた。気のきいた担当が、「篠原さん、最も行けないところであればソ連です。普通行政官は誰も行けません。ただ、日ソ農業技術協力で研究者なら行けます」と教えてくれた。
 その年のテーマは土壌で既に3人の博士と土壌班の係長1人の4人布陣が決まっていた。私はさっそく土壌班長に私を行かせてくれと直談判に及んだ。班長は研究者で原課に研究所から出向していた管理能力も育成中(?)の研究エリートだけあって、話が分かり、私を行かせてくれることになった。私がアメリカ農業は、土壌も水も収奪型で持続性に問題があると書いた論文が功を奏していた。その土壌班長が後に農林水産技術会議事務局長・会長となる三輪睿太郎である。もちろんその時は12年後の1997年に私がNO2の研究総務官としてコンビを組むとは夢にも思っていなかった。これは人の縁である。

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2014年03月20日

安倍政権下で国立追悼施設の建設を -集団的自衛権の行使や憲法改正より国益にかなうー 予算委員会報告9 14.03.20

<ロンドンエコノミストの炯眼>
 安倍首相は、野党自民党時代、民主党が日米同盟関係を粉々にしていると非難していた。60年以上政権の座にある自民党政権には、外交のノウハウがあると自信満々だった。そして歴代政権がそうしているように政権についてからすぐアメリカ訪問しようとしたが、どうも歓迎されず、ようやく年が明けた2月になって訪米した。12年末の総選挙時の選挙公約では、TPPに断固反対するという、いわゆる「政策ポスター」を貼りまくったのにかかわらず、コメなどの聖域が認められるからTPP交渉に参加するという日米共同宣言を外交上の勝利と大見得を切った。日本の重要5項目の聖域を、交渉によっては認められることにしたのは安倍外交の成果である、とメディアも提灯記事のオンパレードだった。
 それに対して、ロンドンエコノミスト(13年3月2日)はそもそも安倍政権のタカ派的な姿勢がアメリカ政府を悩ましている、とその当時から警告を発していた。ロンドンエコノミストの指摘が顕在化するのは13年12月26日政権1年目の節目の靖国神社参拝である。安倍首相本人のみならず周辺の人たちの歴史認識、特に従軍慰安婦問題に関するタカ派的発言が重なり、中国・韓国との関係はそれこそ冷え切っていた。

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2013年12月03日

TPP交渉の行方シリーズ14「国益を損ねるTPPから脱退すべし」‐アメリカに押されっぱなしのTPP交渉‐ 13.12.03

 安倍首相は、特定秘密保護法を衆議院で通し意気軒昂である。原発についても小泉元首相の警告にも関わらず、相変わらずの強気の発言を続けている。しかし、もう一つの大問題TPPについてはほぼ発言を封じ、何も言っていない。強気なことを言い、決してお詫びなどを言うことのない安倍首相にとって、TPPの交渉がうまくいっていないことは許せないことなのだろう。TPPに関するものは小さな記事で、首席交渉官たちに激をとばしたということだけである。
 私は、TPPについては脱退の機会が既に訪れていると思っている。今まで、経済界、外務・経産省、自民党、マスコミ根拠のないTPP推進論を述べてきたが、今やことごとく嘘がバレてしまった。

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2013年10月24日

TPP交渉の行方シリーズ13「「TPPと労働」の隠された真実‐日本企業を買収したアメリカ企業が自由に解雇することを狙う-」13.10.24

 拙書『TPPはいらない!』で、数々のTPPの危険性、欺瞞性を指摘したが、一つ力点を置いたのが、労働分野であった。なぜならば、TPPの極端な秘密主義により、ほとんどの人たちが気づいてなかったからだ。実のところ、今でも私も全容はよくわからない。
 しかし、2つの過去の事実、今漏れてくるTPPの内容、日本で先行しているひどい状況等からわかってきた労働に関する、もう一つのTPPのいかがわしさを指摘しておきたい。

<アメリカが労働にこだわる理由>
 4つの小国(シンガポール、ブルネイ、NZ、チリ)ののどかな地域協定が、08年シュワブUSTR代表が加入の動きを始めてから様相が一変した。金融・投資ばかりでなく、労働と環境を加えることを条件としたからである。前者はウォール街の強欲資本主義の考えを入れ込もうとしていることは容易に理解できる。それを、アメリカがなぜ労働と環境かは疑問がつきまとった。
 アメリカは新興国のいい加減な労働条件、環境規制の下、競争条件が有利となり、安い製品を輸出されてはたまらないからだと説明した。いわゆるソーシャルダンピング、エコダンピングを許さないということである。労働でいえば、長時間労働、児童労働、婦女子労働、社会保険制度の不備等を世界の共通ルールにすることが目的だというのだ。

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2013年10月21日

TPP交渉の行方シリーズ11「国家の主権を損ねるISDSは絶対拒否すべし-ISDSで世界はアメリカ多国籍企業の管理体制下におかれる-」―13.10.21

<真正保守はTPPはTPP反対のはず>
 TPPは日本の国の形を変えてしまういかがわしい協定である。だから、保守的な考えの者こそこぞって反対するのが筋である。現に保守論客はこぞって反対している(小林よしのり⇒真正保守は反TPP・反原発が当然 -日本の保守が反TPP・反原発にならない不思議- 12.10.19 参照)。ところが、日本の伝統的文化、社会、制度をアメリカと同じものにしかねない危険なTPPを、自らもって保守とか右翼と悦に入っている安倍首相が積極的にTPPに参加するというのは大きな矛盾である。本人はそんな大矛盾に少しも気づかず、アメリカでも「軍国主義者の右翼と呼べばよい」と開き直っている。

<ISDSに反対する韓国>
 ISDSは安倍首相が、アメリカが作ったから嫌いで改憲するという日本国憲法第76条(すべて司法権は、最高裁判所及び法律の定めるところにより設置する下級裁判所に属する)に違反する。日本のもめ事はすべて日本の裁判所で決しなければならないのに、外国企業が関係するからといって世銀の下にある国際投資紛争解決センターの一審だけで決するというのは、まさに主権の侵害である。だからこそ先行する韓国では裁判官、弁護士が、米韓FTAが不平等条約だと問題にした。

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2013年10月11日

TPP交渉の行方シリーズ10「大枠合意もできず破綻するアメリカの世界改造計画-アメリカの制度(ルール)は世界の見本たりえず」―13.10.11

10月8日記(10月11日加筆)
 私は今バリ島のグランドニッコーホテルの315号室で怒りに震えながらこの原稿を書いている。第一に、また逆戻りした政府・自民党の騙しの政策変更、第二に、アメリカの傍若無人な世界改造計画、そして第三に思い出すのが、自民党と民主党の成熟度合の差である。

<繰り返される「出来」レース>
 民主党がボロ負けした、12年末の野田自爆解散の時の自民党の公約、「政府が、「聖域なき関税撤廃」を前提にする限り、交渉参加に反対する」は、自民党政治の最高文学の一つだというのは、私の40年来の畏友、手嶋龍一の至言である。政権交代を見込み、聖域でなくせば(つまり、例外が認められれば)TPPに参加できるという言訳を残しながら、農民や地方を欺いたのだ。
 TPP首脳会合でも、予想された数分野の合意やアメリカの望む、大枠合意すらできなかった。西川公也TPP対策委員長のフェイント発言「重要5項目について、例外の対象から抜くか抜かないか検討はしなければならない」という、完全に昔に逆戻りした自民党政治の復活である。今や大半の人が忘れているが、安倍自民党は「日本を取り戻す」という意味不明のキャッチフレーズを多用した。アメリカでも「Japan is back」とやら述べたが、自民党のずるい政治は完璧に取り戻している。

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2013年10月08日

TPP交渉の行方シリーズ9「オバマが欠席するバリTPP首脳会合-TPPがドーハ・ラウンド化するおそれ」-13.10.08

 10月7日(月)私はTPP交渉の絡みで再び海外(インドネシア バリ島)にいる。8月末のブルネイは、国有企業やISDS(投資家国家間訴訟)等に強力に反対するマレーシアの国会議員やNPOとの意見交換で大忙しであった。ところが、今回はAPECの合間に開催されるTPP閣僚会議、TPP首脳会議であり、いたって静かである。観光客用の豪華なホテルの一室で、TPP関連の最近の動きを伝える新聞等のコピーを熟読している。

<予想されたオバマの欠席>
 私が日本を発った5日(土)に、オバマ大統領が予算未成立による、国の機関問題という失態のため国内にとどまると発表された。APEC後予定されていたマレーシアとフィリピンの訪問は既に中止されていたが、TPPの年内妥結のため、アメリカは何としてもオバマに首脳会議の議長を務めてもらいたかったが、国内のがたつきのために断念したのである。

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2013年09月09日

ブルネイTPP交渉報告-13.09.09

 8月26〜31日、ブルネイのTPP交渉について下記のとおりの活動をしてきた。帰国した当日はTPP反対運動全国寄合交流会に出席し、翌9月1日朝には衆議院環境委員会視察でヨーロッパに出張したため、報告が遅れたことをお詫びする。とりあえず、概要を先に報告し、帰国後、今後の展開等について、数回に分けて報告したい。

8/26(月) 日本(羽田空港発)→(香港経由)→ブルネイ
8/27(火) 午前:ステークホルダー(関係者)会合
     昼食:マレーシア超党派国会議員団との意見交換会
8/28(水) 午前:国際会議場で交渉団激励、日本政府説明・意見交換会
     昼食:マレーシア主席交渉官との意見交換会
     午後:主要TPP反対NPOとの意見交換会
     夕食:マレーシア禁煙運動家との意見交換会
8/29(木) 午前:日本政府説明・意見交換会
8/30(金) ブルネイ→マレーシア
     午後:アンワール議員(野党人民正義党、元副首相の娘)との意見交換会
8/31(土) マレーシア→日本(成田空港着)
     夕方:TPP反対運動全国寄合交流会出席(東京・パルシステム生協)

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2013年06月27日

憲法9条の平和主義の精神を盤石なものにする改憲-13.06.27

―私の恒久平和のための改憲論―

 今国会の憲法審査会の議論が6月13日終了した。2年連続で憲法審査会に所属している民主党議員は私一人である。毎週木曜日の午前中、章ごとに議論してきた(篠原ブログ5月14日「憲法96条改正論議の矛盾」)。審議論議の一番の焦点は平和主義の根幹、憲法9条である。前文は、外国語の翻訳調になっていて悪文だと言われているが、平和を希求する点からいうと憲法は非常によくできている。

<前文と第2章 戦争放棄>
 憲法は、前文の第2パラグラフで恒久平和を念願するとし、第二章(戦争放棄)で9条は以下の通りに記している。
①日本国民は、誠意と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永遠にこれを放棄する。
②前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。

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民主党のTPP関連マニフェストは改善されたがいま一つ迫力なし-13.06.27

<TPPに軟弱な対応という誤解を払拭する必要>
 山田正彦さんが落選してしまったので、「TPPを慎重に考える会」の会長をしている。
 12年の年末の総選挙が始まってから、安住幹事長代行のTPPを反対する者は踏絵をして公認しないという、とんでもない発言があり、相当選挙に響いた。私にいたっては、周りから公認されないのではないかと心配され、公認されると執行部の前ではTPPに賛成をすると主張を曲げた意気地なしとされ、怒りの電話やメールをたくさんもらった(「選挙戦術における2つの失敗」13.02.13)。
 政治家はいつも批判に晒されるのは宿命かもしれないが、真実は一つである。
 似たような誤解を避けるため、会長としてTPPに関する参院選用マニフェストの顛末を報告しておかなければならない。
 民主党のTPPに関する参院選用のマニフェストが6月26日公表され、「農林水産物の重要5品目などの除外、食の安全、国民皆保険の国益を確保するため、脱退も辞さない厳しい姿勢で臨みます」と、自民党のJファイルとほぼ同じ表現になった。

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2013年06月04日

TPP交渉の意外な展開と結末 ―日米ともに嘘で塗り固められる交渉過程―13.06.04

 5月29日、久方ぶりにTPPに関する国際シンポジウムが開催された。メインゲストはいつもおなじみのニュージーランドのジェーン・ケルシー教授、アメリカのNPOパブリックシチズンのロリ・ワラック弁護士、3人目は韓国から初めて参加の金鐘佑弁護士の3人である。
 2人の元気な女性は、私はもうすでに2回3回お会いし話も聞いている。最近の展開について話を聞いた。日本側のシンポジウムのパネラーは、榊原英資、孫崎 享、原中勝征(前日本医師会会長)、なかなかな豪華メンバーで、私も末席に名を連ねた。参議院の講堂、300人を超える大聴衆の中での3時間であった。

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2013年03月12日

(その5)露呈した自民党の外交能力-13.03.12-

<自民党の外交交渉能力自慢>
 衆議院選挙中、自民党の安倍総裁は「聖域なき関税撤廃がある限り、TPP交渉は参加しない」と話すときに、我々自民党は交渉能力もあり、交渉に参加しても聖域を勝ち取る外交能力があるということをよく言っていた。伏線を張っていたのであろう。政権をとるやいなや、そして訪米するやいなや、オバマ大統領から聖域なき関税撤廃はないのだという言質を獲ったと嘘と誤魔化しの大本営発表をし、マスコミも動員して、もうTPPに入る環境は整ったと言いふらし始めた。

<ロンドン・エコノミストの客観的報道-政治家とメディアのホラ話>
 この点については前々回のブログで伝えたとおりである。そんな報道をしているのは日本だけであり、アメリカの新聞は、「和気あいあいとしたいいムードの会談ではあったが、具体的な成果は何一つなかった」とニューヨークタイムズが正直に伝えているぐらいである。そして、日米共同声明から10日たった3月2日、イギリスのロンドン・エコノミスト誌は「日米、ほら話(spin)と実体(substance)というタイトルの下、以下のように論説している。

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2013年03月08日

(その4)パックス・アメリカ(日米同盟、TPP)よりも PAXアジアでアジアに平和を―PAX、Park(朴)、Abe(安倍)、Xi(習)― 13.03.08

 2011年10月、野田前首相が突然APECホノルル会合(11月13日)でTPP交渉への参加表明をしたので党で議論をしてほしいということになり、経済連携PT(通称「鉢呂PT」が始まった。唐突な首相発言の合わせた形で、突貫工事で議論が進められた。このことは、当時、シリーズブログで書いたので記述は避けるが、ほとんどが反対議員ばかりで、推進しようとする議員はほんの僅かしか参加しなかった。

<正直な吉良議員の日米同盟論>
 そしうた中、緒方林太郎議員だけがずっとただ1人参加し続けた。本来中立でなければならない吉良州司事務局長が、あまりに推進派が少ないので、と言い訳しつつ議論に加わった。2人とも考え方は違うが、議員としての立居振舞いは立派であった。その吉良意見の一つが、結局は、日米同盟がありアメリカなしに中国とも対峙できないので、中国牽制のためにもアメリカの望むとおりTPPに加盟していかなければならない、というものであった。これについては、相当違う意見も出たが、TPP参加なり推進派の何人かが心の底に抱いていることである。
 安倍首相は、憲法改正し、自衛隊と国防軍と名も変え、集団的自衛権の行使も認めていくべきという典型的保守派に属する。もっとタカ派なり保守になると石原慎太郎・維新の会代表に行き着き、日米同盟から脱却して日本の真の独立をということになる。安倍首相は日米同盟を基軸として、日本の国際的地位を維持していくという通俗的な(?)考えであることがわかる。こうした視点から、吉良説のごとくアメリカの望むことには応じていかなければならないという弱腰外交が見えてくる。

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2013年03月01日

(その2)60年与党自民党の悪知恵 ―安倍政権の選挙公約破りは徹底的に糾弾すべし―13.03.1

2012年末の選挙でTPPは争点にならなかったというのが、プロの選挙通の解説である。空中戦すなわち党首討論等ではでなかったものの、実際は、有権者がTPPを推進せんとする民主党に厳しいお灸をすえたことは、「民主党幹部たちのTPP前のめり発言で農村部・地方の小選挙区はほぼ全滅」(2月8日ブログ)で述べたとおりである。

<大反対は選挙のポーズだけか?>
 賢い日本の政権与党自民党は、TPPについて6項目を挙げ、その第一に「聖域なき関税撤廃がある限りTPP交渉への参加に反対」を位置付け、農村部・地方で圧勝した。その公約を履行する「TPP交渉への参加を即時に撤回する会」(森山裕会長)になんと236人(384人の61%)も加入し、安倍首相の訪米に際して、何度も会合を持ち気勢をあげていた。
 安倍訪米の一連の成果(?)報道を受け、更に頻繁に会合が開かれたが、2月26日役員会で首相一任が決まるや、27日には、外交・経済調査会(衛藤征士郎会長)が、早々とTPP交渉への参加を容認し、条件闘争に入ることになった。皮肉で言えば、お見事というしかない。

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2013年02月27日

(その1)何の意味もない画期的な共同声明―当たり前のことを大袈裟に演出し、自動車・保険で大妥協の愚―13.2.27

 2月22日、安倍総理とオバマ大統領の首脳会談が行われ、聖域なき関税化の撤廃はないということが確認されたので、TPP交渉に参加してもいいという報道が各紙とも一斉になされている。短い日米共同声明を見ると、このことがいかに噴飯もの・嘘・ごまかしであるかよくわかる。外務省の記者発表にそのまま乗せられて、その通りにしか書かない大新聞の情けなさを改めて痛感した。
共同声明仮訳(外務省ホームページ)

<当たり前の確認>
 共同声明は3つに分かれている。第1・2パラグラフで「日本には、一定の農産品、米国には一定の工業製品というセンシティビティが存在する。全品目を交渉対象とする。ただ、最終的に関税を撤廃するかどうかは交渉次第で、あらかじめ約束するものではない」ということがうたわれている。何一つ新しいことはない。こんなことは交渉ごとでは当たり前のことであり、もともと交渉参加する前からすべての関税ゼロにしないとならないなどとは言っていない。だから、アメリカとオーストラリアの間で、巷間伝えられているように砂糖の関税撤廃の有無をめぐって交渉が行われている。カナダも乳製品等について一応俎上にはのせるけれども、国内には絶対に例外として守るということを約束し交渉中のはずだ。
 しかし、22日の夕刊から23日の朝刊にかけては、大本営発表(外務省・官邸)どおり、これでTPP参加の条件が整ったと絶賛している。日経が24日(日)の朝刊で、恥ずかしそうにこの当たり前ということの説明を書いているが、見出しはあたかも重要な約束がされたようなものばかりが並んだ。

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2012年10月25日

土を滅ぼし食料生産力を失う文明は滅亡する-塩類集積と放射能汚染の類似性-12.10.25

 島をめぐる中露韓の三ヶ国との揉め事のせいか、タカ派が勢いを増している。日本の国土・領土・領海を守るには、防衛力が必要であり、国の安全保障には食料、エネルギーの確保、すなわち食料安保、エネルギー安保も必要である。更に日本人の気概、すなわち教育もきちんと考えていかねばならない。国力というのは総合力であり、経済ばかりに血道をあげる日本にとって、安全保障について本格的に議論し、考えることは絶対に不可欠である。

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2012年03月28日

日本は核燃サイクルをやめ朝鮮半島の非核化に貢献-12.03.28-

<隣国韓国の引き続く混乱>
 日本は、太平を謳歌しているが、周辺諸国は必ずしもそうではない。韓国は前々から述べているが、与党ハンナラ党は強行採決したものの、韓米FTAがとんでもない協定であることがわかり、国民の猛反発に合ってしまった。その結果、今やハンナラ党の皆さんも賛成のうえ再交渉の決議をし、ハンナラ党は哀れ名前をセヌリ党と変えざるを得なくなっている。4月11日の総選挙に向け、各党がしのぎを削っている。今のところではハンナラ党は名前を変えて再スタートをして若干支持率を回復させたものの、野党の民主統合党と鍔(つば)競り合いを続けており、与野党逆転の可能性が高いと予想されている。

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2012年03月08日

力を入れすぎる消費増税 ―もっと丁寧な手法が必要― -2012.3.8

 野田内閣は12月から消費増税一点張りである。確かに財政再建は重要課題であるが、ちょっと度が過ぎる気がする。もし、この一点に集中するなら、それも仕方ないと思われるが、何も言ってなかったTPPまでつんのめりで突き進んでいるのは、どうしても腑に落ちない。

<行政改革は付け焼刃>
 「社会保障と税の一体改革」の議論が始まり、歳出削減のための行政改革が進んでいないと指摘されると、慌てて12月14日になって行政改革調査会(岡田克也会長)を設置している。岡田会長は、出席者が少ないのは、消費増税に反対のための口実に使っているだけだからだ、と発言した。誰が、年末になって付け焼刃でできた調査会に出席するか考えたらよい。得意の突貫工事なのは見え見えであり、かつ解散風を総理自らに吹かされたら、一期生議員など東京に居られたものではない。消費増税を是非成し遂げたいというなら、政権の座に就いた直後から取り組むべきはTPPなどではなく、公務員給与の削減、国会議員定数の削減等の行政改革であった。それをTPPに1ヵ月半近く費やした。やることがチグハグなのだ。

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2012年02月12日

TPPの見本、米韓FTAで混乱する韓国―見て見ぬふりをする狡い野田内閣・マスコミ―-2012.2.12-

<催涙ガスの中での強行採決>
 韓国は日本と比べ報道の自由がかなり制限され情報も公開されない国である。米韓FTAは2004年から始まり、2007年一旦妥協し、再交渉し5年以上の年限が経っているのに、韓国国民に対してその内容がほとんど明らかにされなかった。
 1993年、ウルグアイ・ラウンドの決着時、ソウル市内に数百頭の牛を放ち、内閣が総辞職したりする国である。したがって、ただで済むはずがないと思っていたところ、予想どおり、韓国の批准手続きは迷走に迷走を続けた。11月10日、日本のTPP参加表明より先に批准したい政府・与党は、野党と調整するも失敗、本会議の批准処理延期。APECから帰国した李大統領が15日、異例の国会訪問で野党に協力要請するもまた失敗。そしてとうとう11月22日には、野党が採決をボイコットし、金先東議員(民主労働党)が催涙弾を持ち込む強硬採決となった。

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2011年12月28日

京都議定書延長不参加で新エコノミック・アニマルに成り下がった日本-11.12.28-

<首の皮1枚でつながったCOP17、京都議定書>
 12月11日、南アフリカのダーバンで開かれていた国連の気候変動枠組み条約の第17回 締約国会議(COP17 )は、地球温暖化防止に取り組む国際協力体制を大きく転換する節目となった。
 新しい枠組みは、2012年末に期限を迎える京都議定書の下で、温暖化ガス削減義務を負っていない中国やインドなどの新興国や、議定書から離脱したアメリカも参画を約束しており、これが実現すれば、温暖化ガスの7割近くをカバーする協定となることになっている。その意味では一歩前進である。
WTOと同様に失敗に終わることも危惧される中、新しい枠組みの中身は決まらず、問題を先送りにしたということも言われているが、ここで日本の変な対応が目立った。

<不可解な日本の京都議定書延長不参加>
 国際条約には、よく開催国なり開催地の地名をとったものがある。残念ながら日本のものは数少ないが、その一つが1997年日本がリードしたCOP3京都議定書である。ところが、日本は、前回のカンクン合意以来、CO2の排出の半分を占める上位3か国、中・米・印が参加しない約束は無意味だと主張し始め、今回第2約束期間が設定されてもそれには加わらないと表明してしまった。それにロシアも同調し、カナダも呼応する形でアメリカ同様離脱を表明した。3ヶ国ともいつものとおり、NGOからダメな国に贈られる「化石賞」2位をもらっている。
 感心するのはEUである。京都議定書に踏みとどまり、削減義務を負いながら約束を履行していくことになっている。NZ、豪州、ノルウェーといった健気な国が続いている。

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2011年12月20日

車を減らし、低炭素社会の見本を世界に示す - 自動車関連二税の議論で考えた長期ビジョン -11.12.20

 2012年度税制改正大綱が12月9日深夜にようやく決着した。担当副大臣がメンバーの政府税調と党税調との兼ね合い等が定まっていない中で、政策決定プロセスは徐々に固まりつつある。残るは消費税で、社会保障と税の一体改革について、年末に向けて議論が行われる。

<垣間見える自動車業界の尊大な態度>
 今回は、車体課税について、いろいろな議論が行われた。従来、消費税の増税前に二重課税になっている感のある自動車関連二課税をもっとスリムにという声があり、党税調は車体課税の廃止・削減一辺倒であった。昨今の歴史的な円高や、東日本の大震災以降の需要の低迷を考えると、むべなるかなと思う。しかし、自動車業界が今まで日本の産業界や経済を支えてきたのだから、大変な時期になった今は、エコカー減税の延長でもTPPの議論でも言うことを聞け、という尊大な態度が見え隠れするのに辟易する。

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2011年12月12日

批准された米韓FTAの無効を求める韓国のデモ騒ぎ-11.12.12

 韓国の米韓FTAによる状況については、私が今執筆中の本の原稿(10月下旬)で「多分相当もめるだろう」と予想をしていた。理由は韓国民が何も知らされていない、知ったら大変な不平等条約であることに気がつく、反応が日本人よりもずっと過激で大騒ぎをする、ウルグアイ・ラウンドの決着時、ソウル市内に数百頭の牛を放ち、内閣が総辞職したりする国である。したがって、ただで済むはずがないと思っていた。予想どおり、今回も金先東議員(民主労働党)が催涙弾を持ち込む採決となった。これを契機として、批准された米韓FTAの無効を求めるデモが各地に広がっている。
 今回は、金議員と同じ韓国民主労働党の権栄吉議員においでいただき、慎重に考える会の第23回の勉強会を開催した。その話が、あまりに日本にピッタシ当てはまり、参考になることが多いので、その話をもとに韓国の動きを紹介する。

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2011年11月30日

アメリカの罠にはまる日本のTPP交渉-11.11.30-

 TPP問題が党内の意見集約に向けて佳境に入ったのは11月上旬。私は、毎日メルマガ・ブログを発信した。なるべく多くの皆さんに全容を理解してもらいたかったからだ。

<玉虫色の総理記者会見>
 11月11日(金)、午後8時、野田総理の記者会見は、我々党の苦心の提言をある程度踏まえた押さえたものであった。11月上旬からずっと続くドタバタの中で、私もいろいろなことに絡んでいたので、玉虫色の表現にとどまることはわかっていた。
 TPPを慎重に考える会としては、ぶっちぎりのTPP交渉参加をひとまず喰い止めたことは、大きな成果であった。もちろん不参加表明がベストであったが、それは今までの野田総理の言動からしてまさに後向きであり、政府の立場からするとできる相談ではなかった。その意味では、ギリギリの落し所である。
 私の30年間携わった農政はいつもこうしたあちら立てればこちら立たずの連続であり、足して2で割る解決しかないことばかりであった。だから、私の習性として常に落とし所を考える癖がついている。これが格好のいいことを言いっぱなしで、まとめる術を知らない元野党民主党議員と少々違うところである。
 詳細は避けるが、今回は11月8日の原案作成、9日の最終日の5時間に及ぶ大議論、修正の過程、10日のそして総理記者会見の1日延期11日の総理記者会見発言の修正過程では、私はTPP参加阻止という大目的のために必死で動いたが、一方で野田政権を大きく傷つけることのないようにも気を使った。鹿野農水相の上着脱ぎサインで誕生した野田政権、私は鹿野農水相を会長とするグループ素交会の事務局長、野田政権を支えるのが義務でもある。ところが、見渡してみると、推進派も慎重派もがっぷり四つに組んで、どうみてもどこかで妥協点を探ろうという適任者がいなかったからだ。私は、冗談を言いつつ慎重派の意見をい続けたが、いつもどうまとめるかについて一方で常に頭に入れていた。

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2011年11月11日

TPPシリーズ11.党内TPP議論をまとめる-11.11.10-

(最前の列での皆勤賞)
 TPPを10回に分けてお届けした。私はこの1ヶ月TPP三昧で、自宅にもそれほど帰っておらず、夜遅くまで第一議員会館719号室で、翌日の会合の勉強、そして深夜まで原稿書をするという生活を続けてきた。
 23回に及ぶ、経済連携PTの会合は、いつも同じ一番前の席に陣取り、皆勤賞である。自主的な「TPPを慎重に考える会」の会合も一番前の同じ席であり、定位置とみなされ、少々遅れて行っても、私の席はそのまま空けられていた。他のどの会合よりも優先した。TPPが大問題と考えたからである。発言は2回か3回に1回にとどめることにし、あまり出しゃばらないようにした。

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2011年11月10日

TPPシリーズ10.アメリカのしたたかな戦略とオバマの見え見えの打算ー11.11.9

 11日に予定されるAPECホノルル会合での、野田総理のTPP交渉への参加表明の是非に対し、民主党の意見をまとめるべく開催され続けてきた経済連携PTは、本日最終日を迎えることとなった。途中、慎重派議員の要求を受け、私も役員として昨晩とりまとめた提言案の一部に「慎重に」という更に強い一言を入れる修正を行う場面もあったが、17:30より開かれた同PTは、約5時間の議論の末、全会一致で党の提言として承認された。
 記者会見等を終えて、現在 11:20であるが、連日掲載して好評をいただいているTPPシリーズを本日もお送りしたいと思う。


 アメリカは、一旦戦略を打ちたてるとしつこくそれに向かって進む国である。
私は、以下のような大変なことがあったと考えている。

  ①丸太と製材の関税ゼロが中山間地域の疲弊をもたらしたこと
  ②余剰小麦のはけ口で、パン給食が導入され、日本の風土と隔絶した食生活が広まったこと
  ③金融ビック・バンにより日本金融システムを変えられ貸し渋りが増えたこと
  ④日米構造協議により大店法が改正され、地方商店街のシャッター通り化を招いたこと
  ⑤年次改善要望書にもられた郵政民営化を受け入れため、郵便局が混乱し、金融界にも波及が生じていること

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2011年11月08日

TPPシリーズ9.TPPの経済的メリット、デメリット-11.11.8

<まちまちの関係各省影響計算>
 TPPで各省庁の意見が真っ向から対立したが、TPPの影響試算がまちまちであった。
農林水産省は、TPPに参加した場合、農業で4.1兆円、関連食品産業を合わせると、7.9兆円の損失になり、340万人の雇用が減るという数字を出した。それに対して経産省は、不参加の場合は、20年後に輸送機器と家電と機械工業の大輸出産業でもって、GDPで10.5兆円の減になり、雇用は84.2万人が減ってしまう計算した。内閣府は、TPPに参加した場合、GDPの増加は2.4~3.2兆円、しなければ6~7000億円の減という見積もりを出していた。大きく各省庁の計算が違っている。

<経済的メリットが小さすぎて出せなかった経産省>
 農林水産省の計算は、内外価格差をもとに単純計算しただけのものだが、経産省の試算は、輸出比率の減を誇大に見せようとして、本来TPP不参加とすべき仮定を変えている。

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TPPシリーズ8.韓国と日本の大きな違い-11.11.7

(したたかな韓国、出遅れる日本)
 財界、経産省、外務省はなにかにつけて韓国のFTAを絶賛・推奨し、だから日本はTPPに入らなければいけないと言う。いわゆる「韓国脅威論」である。何を言っているのか、私は理解に苦しむばかりである。百歩譲って韓国を見本とするなら、米等重要品目を例外とするEPA・FTAをEUやアメリカと結べばいいのであって、関税ゼロを前提とするTPPなどは全く方向が違っていることである。
 日本の財界は、韓国の米・EUとのFTA締結という矢継ぎ早の自由貿易への転換に浮足立っている。EUとの関税 自動車10%、薄型液晶14%は大きいかも知れないが、それ以前に韓国には追い越されているのだ。2010年にトヨタは欧州で初めて販売台数で現代に追い抜かれているし、世界最大の市場中国でも現代に及ばない。関税をゼロにすればいいというほど単純ではない。

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2011年11月06日

TPPシリーズ7.TPPで米の輸出という矛盾-11.11.6

 連日TPPの議論が白熱している。そんな中、よく繰り広げられる、農業を強化して輸出産業として位置づけるという、耳障りよいことこの上ない主張。今回は、この矛盾に切り込みたいと思う。

<楽観的すぎる農業とTPPの両立、TPP農業刺激活性化論>
 TPP推進論者が決まって言うことに、TPPを機に日本の農業を輸出産業にすべきというものがある。曰く、「日本の農業は大切であるが、現在の農業の現状は、減反し小規模零細農家も多く、競争力がなさすぎる。貿易の自由化を契機に大規模化を進め、競争力ある農業をつくり、自給率も向上させる」である。
 言葉にすればもっともらしいが、関税をゼロにしたら、大規模専業稲作農業こそ競争で潰れていき、自分(や親戚一同)の食べる米ぐらいは自分で作ろうという健気な兼業農家しか生き残ることはできないだろう。経済学あるいは農業経済学上の常識なのに、素人ばかりか専門家までも同じようなノーテンキなことをいう人が多いのに驚かされる。たとえ、現在の農地を集積し20~30haに規模拡大しても、そもそもたかがしれているのだ。その200倍の規模のアメリカ、1000倍の規模のオーストラリアにどうやって太刀打ちができるというのだろうか。大量に安い米が輸入され、今の大豆(6%)や菜種(0.04%)や小麦(9%)の自給率並みになるのは明々白々である。
 それならば、今の戸別所得補償を使って農家に、内外の米の価格差分を補償すればいいという人もいる。しかし、3~4兆円にもなる財政負担を国民が許容してくれるのか、私には疑問である。更に楽観的な主張で、米は例外になるかもしれないからとにかくTPP交渉には参加すべしという、かなり乱暴なものまでもが横行している。

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2011年11月05日

TPPシリーズ6.自由貿易・国際分業論を捨てグッズ・マイレージの縮小を-11.11.5

 環境の世紀21世紀には、環境に優しい生き方をしなければならない。その具体的な例が、物の輸送をなるべく少なくすることだ。なぜならば、物の輸送には必ず、CO2の排出が伴うからである。

(現地生産は環境上もコスト面からも当然の帰結)
 自由貿易というのは一種のイデオロギーになっていて、これは絶対的善で、これはしなければいけないという強迫観念に駆られている人たちが大半である。自由貿易というのはなるべく貿易量を増やす、このことにつきている。それに対して、貿易量はなるべく少なくし、人の行き来や、技術の交流、知識の交流は増やすべきだけれども、その国に必要なものはその国でなるべく作るというほうが理にかなっている。
 この問題は今やもう解消しつつある。ホンダの車もトヨタの車も現地生産をし、現地でもって調達されている。輸送コストを考えたら当然のことである。最近の企業の海外移転は、日本の法人税が高すぎる、賃金が高すぎるからなどと言われるけれども、最終消費地の一番近くで製品化するのが一番安く、特に輸送コストが安くなっているということを考えると理にかなっている。従って、TPPで相手国の関税をゼロにしたり、人件費の差が少々縮まったり、投資をしやすくしたりしたところで、海外移転を食い止められるわけではない。

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2011年11月04日

TPPシリーズ5.郵政民営化とTPPの類似性-11.11.4

 TPPの議論は佳境を迎えている。政府と与党民主党幹部の不規則発言の中、我々は粛々と議論を重ねている。学校給食へのパン食の導入、大店法の改悪による地方商店街のシャッター通り化に次いで、第3弾として、それこそアメリカの言いなりになった郵政民営化の悪例を示す。
 TPPの中身の一つが郵政民営化だが、TPPはその数倍の内容の重さであり、日本のよさの大半を失わせてしまう危険性を秘めている。

(郵政民営化とTPPの違い)
 小泉首相は郵政を民営化するとわめきちらして解散まで持ち込んだ。国民がほとんど関心を持っていなかったものをシングル・イッシューに仕立て上げ、解散総選挙をやるというのも大変な博打であるが、日本の国民は完全に乗せられてしまった。
アメリカの金融資本が日本の郵便貯金226兆円、簡易保険119兆円と、300兆を超える資金に目を付け、それに手を付けさせろという要望が1995年の第2回の「年次改革要望書」に出され、1999年版には、Kampoと名指しして簡易保険を攻撃した。2004年には小泉の構造改革、郵政民営化の動きと呼応して、保険、銀行、宅配便に攻撃を仕掛けてきた。そして、それに応える形で郵政民営化が行なわれた。この場合は、アメリカの業界団体、金融資本がぜひそうしろという姿勢を示していたのである。
しかし、今回はアメリカの諸々の団体が日本をTPPに入れろとか、ここを直させろと声高に言っているわけではない。もちろん、例えば医薬品業界のようにアメリカの医薬品がもっと日本に入りやすくするようにという要望はあるにせよ、どうしてもTPPに日本を入れ込んでやろうということまで言っていない。あまりにも扱う範囲が広すぎてよくわからないのだ。専らオバマ大統領の再選に向けた格好付けが主目的で、それに日本政府が付き合わされているに過ぎない。

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2011年11月02日

TPPシリーズ4.元祖TPP:日米構造協議による大店法の改悪・廃止とシャッター通り化-11.11.2

 3回前のブログ(過熱するTPP交渉参加の是非の議論 11.10.28)でTPPと原発について執筆中と書いたが、TPPは急を告げているので、その一部をお届けする。
 今、私は鉢呂座長の党のPTと慎重に考える会の2つの会合に出ずっぱりである。役員会も加わり、ずっとTPP三昧である。そこでの主な議論は、医療、公共調達、資格、食品の安全性、共済等様々であり、日本の社会制度そのものの改変についてのものが大半である。予測は難しく、政府、推進議員、慎重(反対)議員間の議論がかみ合わない。
 なぜかというと、どういう内容の交渉になるかわからないからだ、となると、やはり過去の歴史なり事実から、TPPが日本にそのような影響を与えるかを学ぶしかない。2回前のブログ(TPPで考える、アメリカの戦後の日本の食生活大改造の恐ろしさ 11.10.31)がその一つだ。今回は日米構造協議の結果を受けた大店法(大規模小売店舗法)改正・廃止について、そして3回目には郵政民営化についてお届けする。

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2011年10月31日

TPPシリーズ2.TPPで考える、アメリカの戦後の日本の食生活大改造の恐ろしさ 11.10.31

  アメリカは恐ろしい国である。もちろん長期戦略を造り、それに基づいて着々と手を打ってくる。
 日米修好通商条約以来、手なずけてきたはずの日本に牙を剥かれてびっくりしたのが第二次世界大戦である。
アメリカはやはり、国民がモンロー主義よろしく戦争に反対な中、意図的に日本を苛立たせ、先に攻撃させ日本を悪者にし、やむを得ず「リメンバー・パールハーバー」を国民に植え付けるために練られたとも言われている。

(強い軍人が育たない日本に改造)
 何よりも「天皇陛下万歳」と叫びながら突入してくる日本兵の勇猛果敢さに度肝を抜かれ、なぜそのような日本人ができるのか、秘かに研究を始めている。その一つの成果がルース・ベネディクトの『菊と刀』である。よく知られていることだが、日本に一度も来たことがないのに書き上げたのだ。
 従って、占領政策の大切な目的の一つが、簡単に言うと、日本人をもっと軟弱にすること、つまり、命を捨てて敵に向かってくる恐ろしい軍人を作れないようにすることであった。そして、二度と帝国海軍や陸軍を作れないようにしたのである。占領政策というと、財閥解体等が真っ先に浮かぶが、教育制度改革に力を入れた。出身地別の軍隊になっていたが、どこの師団が強力か承知しており、特に勇猛に戦った仙台、熊本、金沢等は有能な人を送り込んで、解体に取り組んだ。
 しかし、これがいかにもアメリカ的であるが、精神の解放を旗印にしたアメリカ教育使節団も、総合高校制、小学区制、男女共学等の大原則はあったものの、実行はそれぞれの担当の軍に任された。そのため、下記のように高名や統合振りが各県まちまちとなった。例えば、仙台は男女別学を許し、京都は統合高校が厳しく実施され、今日にいたっている。

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2011年10月28日

TPPシリーズ1.過熱するTPP交渉参加の是非の議論 11.10.28

 まずは、ブログ・メルマガの更新が大変遅れている事をお詫びしたいと思う。
 今回は、手短ではあるが、読者の皆様に私が現在取り組んでいることについてお話をしておきたい。
新聞やテレビ等で既にご承知のことかと思われるが、9月2日に誕生した野田佳彦総理が、11月にオバマ大統領の生誕の地のハワイで行われるAPEC首脳会談で、TPP交渉への参加を表明する意向であると報じられた。

(TPPの再来)
「TPP交渉への参加」、菅直人前総理が昨年10月1日に行った所信表明演説に、突然この一国の運命を左右しかねない言葉が織り交ぜられ、大きな騒動となった。当時閣内にいた私は、この最大の失点を修復することに全力を尽くし、結果、結論は先送りされた。かつ、3月11日の東日本大震災で東北は大被害を受けており、政治は外(外交)よりも内(内政)に全力を尽くすことが何よりも優先されるべきで、野田総理が拙速な結論を出す事は、当面ないだろうと考えていた。
ところが、その案件が、突然再来したことに愕然とさせられた。

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2011年08月23日

米・仏にみる国のトップの資格と選び方-米の州知事,仏の政治学院・ENA(国家行政学院)出身-11.08.23

<アメリカの厳重な選抜方法>
アメリカはNYやCAのように大きな州もハワイやアラスカのような小さな州も上院議員は2人(任期は6年)、まさに合衆国である。下院議員は任期2年で完全な人口比例。大体、議会制度は似ているが、アメリカの大統領の選び方はユニークである。
 共和・民主の2大政党制がまず大統領候補選びをする。今、各地で予備選が行われているが、ここで相当ふるいにかけられる。この期間約1年である。従って、いい加減な候補はとても生き残れない。ここで相当国民、マスコミのチェックを受ける。そして各党の大統領候補が決まってからも約1年かけて熾烈な大統領選挙が行われる。

<あまりに拙速な日本の選び方>
今、民主党の代表すなわち日本の総理がいとも簡単に10日ばかりで選ばれんとしているのと大違いである。いくら大統領制と議院内閣制の違いといっても少々差がありすぎる。執行部は、やれ今国会中に選ばないとならないだとか予算編成等の政治・外交日程上やむをえないとか言い訳しているが、あまりにも拙速である。少なくとも党員・サポーターにはきちんと説明してしかるべきであり、政策論争や人物見定めの期間がもう少し必要である。

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2011年07月04日

政権を支えた伊東・後藤田 二人の同僚(友人)官房長官 -2011.7.4-

<補い合った鈴木・宮沢コンビ>
 私が、鈴木善幸内閣の総合安全保障関係閣僚会議担当室に出向し、官邸に出入りしていた頃は、将来の首相候補の宮沢喜一官房長官であった。会議の司会をし、本当にわかりやすい記者レクをされ、感心するばかりであった。近藤元次さんが指摘するように、宮沢さんは調整・根回し等の汗かき仕事は不得意だったが、自民党には他に国会運営のノウハウを身につけている議運・国対の専門家が多くいたこともあり、宮沢さんは政策に専念できたのである。ちなみに、鈴木善幸総理は大平総理の急死により突然できた内閣であり、総務会長5回のまさにまとめ役の総理であり、派閥の長ではなかった。従って、2人のコンビは、少々異質だったかもしれない。

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2011年05月20日

頑張れ栄村 村の地震対策も大事だが、柏崎刈羽原発の廃止のほうが切実 - 2011.5.20 -

<栄村を元気にするのが私の政治の原点>
 栄村は、長野・新潟県境に位置する人口2,212人の小さな村である。人口は少ないが、面積は271.51km²と広く、世界一の豪雪地帯である。森宮野原駅には7.85 Mの日本最高積雪地点の標柱が立っている。
 私は、随所で書いているが、絶対政治家になってやるといった形で政界入りしたのではなく、羽田孜さんや北澤俊美さんに強く勧められたからである。しかし、動機はどうであれ、政治家になったからには、これはしたい、これはしなければならないというのはいくつもある。その一つが中山間地域の活性化である。
 2003年秋、私の初選挙の公示日には、皆が止めるのも聞かず、2時間半かけて栄村役場前に直行した。ほとんど聴衆はいなかったが、私の選挙活動はどうしても栄村から始めたかったからだ。

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2011年04月16日

1ヶ月の危機管理対応-11.04.16-

<1ヶ月の食料緊急救援対応に一区切り>
 3月11日(金)午後2時46分に起きた東日本大震災以降、次に何をすべきかを常に考えていたため、とてもメルマガ・ブログの原稿を書けなかった。4月8日、米の作付制限のルール「水田の土壌から玄米への放射性セシウムの移行係数が10%で、玄米中の放射性セシウム濃度が食品衛生法上の暫定規制値(500 ベクレル/kg)以下となる土壌中放射性セシウム濃度の上限値は5000 ベクレル/kg」(つまり土壌汚染5,000ベクレル/kg以上は作付制限)を公表した。これで私なりに一連の危機対応に一区切りついたので、10日(日)、菅総理の石巻視察に随行する自衛隊機の中でこの原稿を書き始めた。

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2011年01月25日

丸太関税ゼロで疲弊した中山間地域-2011.1.25-

「木造建築を禁止した政策ミスが災いした中山間地域の疲弊 - 長野建設新聞2011年1月1日寄稿」に加筆

<小さすぎる林業の生産減少>
 2010年10月1日、菅直人総理は所信表明演説で、唐突に「TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)交渉への参加を検討」と表明した。
TPPとは、人口に膾炙しているFTA/EPAとは異なり、10年後には例外なくすべての物品の関税をゼロにするというものである。日本も2国間のFTA/EPAは既に13か国と結んでいるが、いずれも米等の例外が設けられている。
 その折、農業への影響試算として農林水産省の出した、農業生産額4.1兆円減少が過大だと批判を受けた。1週間後、漁業4200億円、林業500億円と公表され、数字に強い人は、林業がなぜそんなに大きな影響を受けないのか疑問に思われたに違いない。答えは簡単。林業は既にとっくの昔から関税ゼロの影響を受けており、それ以上打撃を受けないところまでズタズタにされているだけのことなのだ。

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2011年01月08日

TPPは国の形を歪める -11.1.8- 長野経済新聞2011年1月5日寄稿

【昨年末の流行語TPP】
 昨年の後半1ヶ月余、TPP(環太平洋包括的経済連携協定)が新聞紙上を何度も賑わした。菅総理が10月1日の臨時国会の所信表明において、「TPP等の交渉への参加を検討し、FTAAP(アジア太平洋自由貿易圏)の構築を目指す」ことを明らかにしてからである。FTA(自由貿易協定)、EPA(経済連携協定)は人口に膾炙していたが、TPPは国会議員にとっても初耳の用語であった。

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TPPは国をゆがめる -11.1.8- 北信ローカル2011年1月1日寄稿

 江戸時代末期から明治にかけて日本に来た欧米人の多くが、その強い印象を諸々の形で残している。「大君の都」(オルコック)等が有名であるが、それらを一つの本にまとめたものに「逝きし世の面影」(渡辺京二)がある。
 その中に、開国を迫りながら、一方で人々が皆足るを知り、祭りを楽しみ、子供を大切にし、町にはゴミが落ちておらず、犯罪も少ない、この美しい国日本に自分たちのルールを持ち込んで壊していいのかと、自責の念にかられることも正直に書かれている。

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TPPと農林漁業の将来 -11.1.8- 北信タイムス2011年1月7日寄稿

 今年1年順調に行けば、私は昨年11月30日に官邸に設置された「食と農林漁業再生推進本部」の運営に全力をあげることになる。関係閣僚、茂木JA全中会長や加藤登紀子さん(歌手、鴨川自然王国理事、有機農業の親派)等、11人の有識者をメンバーにして「実現会議」が設けられ、その下に関係副大臣で幹事会が相当の頻度で開催されることになる。私は、その共同座長を務める。6月に基本方針、10月に行動計画をまとめ、2012年度予算に反映させなければならない。こうした組織が農林水産省ではなく、官邸に設置されたのは異例のことである。

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2010年12月15日

TPPを切っ掛けとした、食と農林漁業再生推進本部の設立 -10.12.16

(突然でてきたTPP)
10月1日の臨時国会冒頭の菅総理の所信表明において、TPP(環太平洋包括連携協定等)への交渉、参加を検討し、アジア太平洋自由貿易圏(FTAPP)を目指すということが突然表明された。
これを切っ掛けに、党内は騒然となり政府の調査会で白熱した議論が行われた。政府内では関係副大臣会合に任され、私はその副大臣会合に10回参加し、事後調整に追われることになった。
 その結果、11月9日にやっと包括的経済連携の基本方針が決まり、交渉には参加せず当面情報収集を中心とした協議を行い、TPPに参加するかどうかは別途判断することとなった。それと同時にその間に自由化にも耐えうる日本の農林漁業の体制を構築する為に、異例のことだが官邸に「食と農林漁業再生推進本部」を設け、6月中旬までに基本方針を定め、10月に行動計画をうたって、それに伴う予算措置を講じることになった。

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2010年08月14日

政調の議論の活性化による脱官僚の政治主導 -10.8.8

― グループ会合より政調部門会議を ―

<当然の政調・部門会議の復活>
 私は、民主党の政策論議の再開についていろいろ発言し行動してきた。国会対策副委員長の1人として山岡国対委員長の下、そうしたことに関与できたからだ。政調の廃止はどう考えてもおかしかったので、質問等研究会の発足、そして政策研究会への衣替え等についても水面下でいろいろかかわってきた。
 菅直人政権の誕生で、政調復活の会合の中心人物だった玄葉光一郎さんが、復活した政調会長(国務大臣)になり、一挙に政調の体制整備が進んだ。常任委員会と併行した部門会議が発足して、農林水産部門会議でいえば、一川保夫参議院農林水産委員会筆頭理事が座長になり、副大臣が共同座長になった。民主党の政策論議の場が戻り、めでたしめでたしである。
 旧体制下でも、研究会の中では農林水産政策研究会の活動が最も活発であった。問題が多かったこともあるが、大半を占める農政をなんとかせんとする1期生議員の熱意と質の高さ故である。

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2010年04月09日

問題だらけの内閣人事の一元化 -10.04.09-

<目指すべきはプロの官僚の育成>
 政府提出の国家公務員法等改正案と自民・みんなの党共同の対案が6日の衆議院本会議で審議入りした。与野党とも政治主導を前向きに出し、改革姿勢を競い合っている。私は、天下り禁止、幹部の降格のルール化等について両案がいろいろ工夫をこらしているが、これらの改革案には異論はない。しかし、両法案とも内閣人事局が幹部クラスの適格性を審査し、A省からB省へ柔軟に人事異動させんと規定していることは大反対である。政府全体の人事部局などまさに無用の長物であり、百害あって一利なしである。
 一番の理由は、「事務次官の廃止により霞ヶ関を専門家集団に(10.03.05)」のブログで述べたとおり、霞ヶ関のプロ育成から大きく逸脱し、霞ヶ関の官僚を調整型ばかりの小役人集団の巣窟にしてしまうおそれがあるからである。
 我々が霞ヶ関の人事を改善しなければならないのは、プロの育成に向けてであり、逆向きになっては絶対にならない。しかるに、本法案はまさに逆向きであり、霞ヶ関の優れた官僚制度の根幹を揺るがすことになりかねない。

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2010年04月07日

郵政改革見直しで中山間地域・離島に金融機関を残す-10.4.7

<郵政の分社化の見直し>
 すったもんだしたが、3月30日の郵政改革に関する閣僚懇談会でやっと改正案がまとまった。これは専ら、預入限度額2000万円と保険加入限度額2500万円の議論が取り沙汰されていただが、私は今回の改革の最重要点は、現場を無視した4分社化を元の姿に戻したことにあると思っている。この点については、私は05年の小泉郵政選挙の後の郵政改革特別委員会でも質問しているが、この間の経過を知るものとして非常に喜ばしいことである。
 私はこのときぞっとしたのが、郵政の分社化の延長線上で、農協も、販売購買事業、共済事業、信用事業、営農指導事業と、4つに分けるとかいうとんでもない議論を規制改革会議でしだしていたことである。郵貯・簡保の300兆から次に80兆余りの農協の貯金・共済に触手が延ばされたからである。営農指導事業は技術・営農の指導であり、専ら提供するだけで肝心の収入源のない点で郵便事業よりもっと自活できない事業であり、現場を全く知らない空論の典型である。

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2010年03月19日

政策研究会設置に見る民主党の組織的成長-10.03.19-

<政調廃止問題で最初から矢面に立つ>
 民主党政権発足の前日、9月の15日の臨時両院議員総会で、当時の岡田幹事長は野党時代の党則は与党にそぐわないので走りながら変えていくと表明した。しかし、その後なんの党の規則をかえることもなく小沢幹事長の命突然政調会が廃止された。大義名分は政府への政策決定の一元化であり、自民党の部会のように強力な圧力をかけてはならないというものである。
 NHKニュースウォッチ9がこの問題に気がつき、政権発足後1ヶ月たった10月19日、党内から消える自由な議論というかたちでにとりあげ、私が取材受けたので率直に問題点を指摘した。これを見た高校の同期生が放送が終わるやいなや「あんなに正直に言って、幹部から睨まれないのか」と心配して電話をかけてきた。中野市の佐藤後援会長からは日頃いつも叱られているのに、この時は全く逆で、「国会議員は、我々の意見を聞いて、党内でも議会でも意見をたたかわすのが仕事。大臣になるのが遅れてもいいから、もっと正々堂々言え」と逆に激励された。支持者とはありがたいものである。
 私は、親小沢でも反小沢でもない。民主党議員が政策の企画立案に力を結集し、よりよい政策形成ガできる仕組みを重視しているだけだ。16万人の名前を書いていただいた方の付託を受けて働くまでのこと。誰にも気兼ねなどするつもりはない。

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2010年03月05日

事務次官の廃止により霞ヶ関を専門家集団に 10.03.05

 今、公務員制度改革関係の法律が国会に提出され、審議されようとしている。私は提案されているいろいろな改革案の中で、非常に大切なのは事務次官の廃止だと思っている。いろいろな理由はあるが、何より霞ヶ関の中央官庁の官僚がつつがなく役人生活を送り、力を発揮するためにはいろいろな条件整備が必要であり、その一つが思い切りプロフェッショナルとして仕事をして一生を終える環境を整えてやることである。優秀な官僚のいるフランスには次官制度はなく、アメリカ・中国には複数の次官がおり、日本のような変なシステムは存在しない。

<専門性か応答性か>
 公務員改革は先進諸国では常に議論され進化を遂げてきている。幹部官僚制度についていつも議論されるのは大体2点、一つは政治家主導、日本的に言うと政と官の関係。二つ目は、局長なり長官が専門性を重視して仕事をするスペシャリストか、それとも応答性と言っているが、調整力、マネージメント力のある幹部かということである。私はこの点については、確実に専門性を重視し大事にしていくべきであると思っている。なぜかというと霞ヶ関には意外と真の専門家がいないということを実感してきたからである。

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2010年01月04日

保護主義がなぜ悪いか -10.1.4- 長野経済新聞2010年1月5日寄稿

<地方疲弊の3大原因>
日本の地方が疲弊し切っている。これは誰の目から見ても明らかである。地方へのバックアップにはいろいろな手法があると思うが、鳴り物入りでスタートした「ふるさと納税」も善意に頼る仕組みであり、ほとんど効果を挙げていない。それでは一体どのような政策手法があるのだろうか。

私は、日本の地方の疲弊の原因として、

①自明のことであるけれども第一次産業の疲弊

②やたら頼った落下傘工場が外国に出て行ってしまったこと

③大型郊外スーパー、レストランが出来てしまったこと

があげられると思っている。つまり、自由化、規制緩和の行き過ぎが日本の地方を疲弊させたということだ。

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2009年12月31日

フランスの少子化対策の解決の手法 -深刻な日本の少子化問題- 09.12.31

<フランスの真似した子供手当て>
 2007年の参議院選挙の折、突然、子供手当てというアイデアが出され、選挙戦をそれで戦った。2009年の衆議院選挙も、子供手当てが前面にクローズアップされてきた。これは私がずっと携わってきた、農業者戸別所得補償と同根の直接給付という手法である。
 フランスで大成功したということで、金額の中途半端な額2万6千円もフランスと日本の比較をしながら定めた額だという。15歳まで義務教育の間、月2万6千円、一年間で31万2千円、生涯で約500万円というのはかなり巨額の手当てである。私は、てっきり子供手当てでフランスがヨーロッパ先進国の中では珍しく、合計特殊出生率を2に回復したと聞いていた。

<仏の社会人類学者エマニュエル・トッドの指摘>
ところが、最近読んだ人口人類学者のエマニュエル・トッドの本を見て、違うのではないかということをはじめて知らされた。
エマニュエル・トッドは1976年、ソ連の乳児死亡率の異様な高さから、はじめてソ連崩壊のにおいを感じ取り、それを本にしたためている。ソ連崩壊を15年ほど前に予告した人である。今回は、金融界の過度の自由化、規制緩和に問題を投げかけ、金融危機の発生を見事に警告していた。アメリカの暴走や資本主義の行き過ぎを一貫して批判してきた碩学である。
そして今は、保護主義の復活を唱えており、1年ほど前にNHKの番組で紹介された後、時々、日本の新聞・雑誌に紹介されるようになっている。
今、読んでいる本は、『デモクラシー以後』という最新の本である。そこに意外な事実が隠されていた。明確に子供手当ての功績ではないと書いてはいないけれども、どうも違うようなのだ、そういえばトッドはプロの人口学・社会人類学者である。

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2009年12月07日

行政刷新会議のその後 ― 日本の国家戦略を示す 09.12.07

<福嶋元我孫子市長→加藤構想日本代表>
 国民の圧倒的支持を頂いた行政刷新会議の作業は一応ひと段落した。鳩山個人献金問題で内閣支持率が下がるところを行政刷新会議が救ったというのが新聞のもっぱらの論調である。この行政刷新会議がやっていた事業仕分け、これは元はと言えば福嶋浩彦我孫子市長が市の補助金に市民審査を導入していたのに目をつけてた加藤秀樹構想日本代表が、都道府県や国レベルにも当てはめ体系化したものだ。

<河野太郎の政治勘>
 そしてそれを真っ先に政治の舞台に取り上げたのは河野太郎さんで08年8月、自民党の中で「無駄遣い撲滅プロジェクトチーム」が文部科学省の事業についてやり始めた。彼が行政刷新会議の会場を訪れ、「我々は反乱軍としてやっていたが、民主党は羨ましい、正規軍としてやっている」と嘆いていたが、事実その通りである。廊下で河野太郎さんに会ったときに「元祖なのにどう?」と言葉をかけたところ、「羨ましい限りだ」と悔しがっていた。
 河野太郎さんは外務委員長としても最も厳しく外務省のなまくら答弁を糾弾するなど、野党的な振る舞いの多い惚れ惚れする政治家である。大衆の気持ちを汲み取る政治勘は河野一郎以来の河野家のDNAかもしれない。

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2009年06月21日

舵を変な方向に切った農地法改正 -09.06.21-

 今国会で、農政の根幹をなす農地法の改正が行われた。改正とは言うが実態はまるで新法のようであった。民主党もいろいろ意見を申し述べ、他の省庁の法律が民主党からの修正案を取り入れているのと同様、野党民主党の要求を取り入れ大幅に修正されて衆議院を通過し、参議院でも賛成多数で可決された。

<自作農主義から耕作者主義へ>
農地法は長らく自作農主義というのを標榜してきた。しかし、途中からその考え方が変わってきた。詳しいことは避けるが、今回の改正は耕作する人を擁護するということを前面に出した法律改正である。何も目新しいことはなく、今実態がそうなっているのを追認した法律にすぎない。しかし、問題もいっぱい孕んでいる。

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2009年04月27日

政治とカネ ―企業献金の禁止(廃止)―(その2)-09.04.27-

<昨年秋の選挙準備での出費>
 もう一つ、選挙準備にどれぐらいお金がかかるか示しておかないとならない。昨年10月、選挙が取沙汰された。長野市の中心部に事務所開きをしたが、家賃40万円・礼金40万円、手数料40万円。駐車場を別途近くに借らねばならず、月極15万円。電話とパソコンの設置30万円。事務机等のレンタル20万円、パーテーション29万円等事務所絡みだけで一挙に200万円払った。3ヶ月借りたままだったが、結局選挙がなく、すべて水の泡。他にポスター印刷・リーフレット配布で300万円。金のない民主党は、まだ選挙が始まってないということで、選挙の際くるはずの特別選挙資金はなしのつぶてだった。
 10月10日には田中真紀子さんに来ていただいて総決起大会を開いた。会場代、ポスター・チラシ代等で80万の出費となった。

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政治とカネ ―企業献金の禁止(廃止)―09.04.20-

<民主党政治改革本部の活動>
 政治に金がかかるとよく言われる。実際に政治家になってみると、半分実感する。但し、もっと仕組みをきちんとしたらそんなに金がかからないのになあ、と嘆息するのが半分だ。
 私はいつか私の全政治活動にかかるお金を例に示して、どこが無駄でどこが足りないか具体的に示そうと思うが、今は、国会も終盤に向かって急ピッチで動いており、質問対応と3回目の選挙の準備でそれどころではない。今週決まっている質問だけで、20日月曜の決算行政監視委員会と21日火曜の農林水産委員会がある。また、議員会館で隣室だった河村たかし名古屋市長候補の応援にも行かなければならない。
 小沢代表が、企業献金について、「今の制度の下できちんと政治資金報告書に書いて報告しているのに、それでもいけないというなら、全面禁止することも検討せよ」と命じた。岡田克也政治改革推進本部長の下、幹部役員が既に3回侃侃諤諤の議論をし、大筋の方向が決まった。私は、倫選特(政治倫理の確立及び公職選挙法改正に関する特別委員会)の筆頭理事をしていることから末席を汚し、ずっと議論に参加した。

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2009年01月08日

林業関連育成による100万人雇用創出-究極の雇用創出は農山漁村で(その2)-09.01.08

<東国原知事のひやかし>
 2007年5月、私は菅直人代表代行と、山田正彦さんと三人でドイツのシュワルツバルトに行った。当時、検討を重ねてきた林業再生プランの追い込み時期に来ており、林業先進国のドイツの現状を見て歩くためであった。その成果が「森と里の再生プラン」であり、そこに100万人雇用創出という項目が書かれている。ちらっと見たテレビ番組で、東国原知事が民主党の参議院選挙のマニフェストの中で一番気がひけるのは林業による100万人の雇用創出だと言っていたことを覚えている。宮崎県は紛れも無い林業県だからである。東国原知事のいい振りはとてもできないけど、それが本当に実現出来るならといった、やや冷やかし半分の発言であったと記憶している。

<山村に戻ろう>
 しかし、そのプランを創りあげた私はそんな軽い気持ちで100万人雇用を打ち上げたのではない。数字を考えればすぐ分かることであるが、日本には30年前40年前に1500万人ぐらいが農林漁業に従事していた。各地の過疎山村にも今の二倍~三倍の人達が住んでいたのである。かつて住めて今は住めないということはない。前回のメルマガでも書いたが、見ず知らずなところに出ていったり、戦地に出ていくより、生まれ故郷に戻るのはずっと簡単なことなのだ。

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2009年01月07日

日本の再生は向都離村から向村離都で-究極の雇用創出は農山漁村で(その1)-09.01.07

<異様な都市への人口集中>
 明治以降日本は向都離村(都に向かって、村を離れる)状況がずっと続いた。江戸時代の静止人口3000万人のうち、当時でも世界一の大都市江戸には100万人が八百八町に住んでいた。それでも全人口のわずか30分の1である。それに対し、今、日本の総人口1億2千600万人のうち、1300万人、10分の1が東京都に住み、千葉、埼玉、神奈川の周辺の衛星都市を含めると、約3千800万人、4分の1以上が東京の近くに住んでいる。異様な都市への集中である。先進国でこれだけ異様な都市集中をしている国はない。

<人口調整してきた農山漁村>
 これは明治以降、特に戦後の日本の産業構造の転換の賜物である。特に高度経済成長期は外需依存が高まり、輸出型産業が幅を効かす太平洋ベルト地帯へ人口が大移動し、日本海側、あるいは農山漁村はいずれも急激に過疎が進行した。それより前に日本の田舎は兵隊の供給源になり、戦後は金の卵とやらで工場労働者の供給源となった。ただ、戦争中、あるいは戦争後に二度農村が都市部の人を受け入れたことがある。一つは学童疎開であり、もう一つは戦後の引揚者700万人の大半が田舎に住み着いた。
まさに人口調整弁として機能したのである。

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2009年01月06日

日本に必要なグリーン・ニューディール 09.0106

<北信ローカル新春号掲載文より>
 海の向こうアメリカでは、未曾有の経済危機に際し政権交代し、経験の浅い黒人の新大統領に国の舵取りを託している。それに対し、日本は大変な時だから、選挙など先送りして今の自・公政権でなんとか凌いでいこうという引っ込んだ姿勢である。サブプライムローン問題で世界の景気を悪くしたアメリカこそ大統領選など後回しにして対策を講じなくてはならないのに、1年以上かけて大統領選をしてきた。彼我の対応の差である。
 そのオバマ次期大統領は、グリーン・ニューディール政策という耳慣れない言葉を掲げている。その一部はもう始まっており、トウモロコシから燃料が作られ、穀物価格が高騰し、中西部の穀物農家は、史上最高の所得を得ているといわれている。こうした環境政策を大胆に実行し、景気を良くしていこうというものである。一方、日本では、雇用情勢が悪化し、トヨタ、ソニーといった日本を代表する企業がリストラし始めており、大問題になりつつある。外需に依存する体質を改めなかったツケが回ってきたのである。

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定年帰農も農政の対象に 09.01.06

<北信タイムズ新春号掲載文より>
 アメリカのサブプライムローン問題に端を発した金融危機・財政危機は、他人の金を横から横へ流して利益を得る虚業の経済の破綻から実態の経済にまで悪影響を及ぼしている。そのずっと前から日本の地方は、小泉・竹中・ホリエモン路線のもとでガタガタになりつつあった。資本主義の下では、集中のメリットは絶大であり、人も金も情報もすべて大都市・中心地へ集まっていく。
 その流れを是正し、例えば、所得の再配分を図るべく、地方にお金が流れるようにするのが政治の仕事であるが、日本はほとんどそういう政策をとってこなかった。それが、農林水産業の疲弊、ひいては地方、特に中山間地の疲弊につながっている。言い古されてきた言葉であるが、内需を拡大しなければ、日本の持続的な発展・繁栄は望めない。

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2008年11月27日

定額給付金は人口10万以下の市町村への定額給付金に変更すべし

<地域振興券と定額給付金>
 はるかかなたの昔のような気がしますが、そうでもありません。10年前参議院で安定多数を失った自民党が、窮余の策として公明党にアプローチし、自公政権、白川勝彦さんに言わせると自公合体政権が出来上がりました。その時の結婚プレゼントだったのかも知れませんけれども、地域の経済の活性化策として公明党が強固に主張した、地方振興券なるものが発行され、約7千億円が使われました。さして効果がなかったといわれています。
 10年ぶりに同じように定額給付金として各個人に支払われることになりました。一人当たり1万2千円で総額は2兆円です。亀井静香さんではないですが、政府による公然たる買収ともいえるもので、選挙目当てというのは明らかです。

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2008年10月27日

事故米発生の2つの重要な原因 08.10.21

今、ジクロルボスに汚染された冷凍インゲンの問題が取りざたされています。この問題も重要だとは思いますが、主食である米が汚染されていたというほうが大問題だと思います。「テロ」に対する備えといわれますが、私は、これは「食料テロ」とも言えると思います。日本は本物のテロによる被害はないのに、食料テロの犠牲になりつつあるのです。

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2008年09月19日

役人(農林水産省)への未練とWTO農業交渉08.09.19

<M農林水産審議官の初心貫徹>
 9月10日にジュネーブ入りしましたが、同じ時、M農林水産審議官が、WTO農業交渉の再開に向けた事務レベル協議にジュネーブ入りしていました。一年後輩です。在任2年、日本農業の将来を左右する瀬戸際の交渉の事務方の最高責任者です。熊本生まれのまじめな男で、入省直前に我々48年組が招待した49年入省組の歓迎会で、「将来留学したい」と明言していた姿を克明に覚えています。

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2008年06月15日

サマ―タイム導入法案の顛末      08.6.15

<全議員根回しの理由>
 前号で報告しましたとおり、6ページのペーパーを作り、参議院の議員会館を手始めに、ほぼ全議員を、私自身が2人のインターンを連れて回りました。なぜかというと、サマータイム法案は、臓器移植法案と並んで「党議拘束」がなく、個々の価値観、識見で採決する典型的な事例とされていたからです。普通は、各党で議論をして、各党で可否を決めるのですが、例外となる代物なのです。一人一人に訴える以外に国民に不便を強要する法案を阻止する方法が残されておらず、時間がありませんでした。
 中には私が説明すると、「何だ、時計を変えるなんて知らなかった、ただ1時間始まる時間を早くするだけかと思っていた」というような方もいましたし、問題は提起できました。

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2008年04月18日

道路特定財源・森林環境税化再論- 一般財源化礼賛は疑問 -08.04.18

― 道路特定財源はGood減税・Bad課税の原則にのっとり、大半を納める地方に還元する森林環境に改めるべき―

(60対30の数字の意味)
福田総理の、道路特定財源の一般財源化は一つの進捗である。全体をみると現実的であり、踏み込んでおり、捨て身の提案になったのではないかと思われる。「政治を動かすのは国民だ」この言葉に嘘はない。よくよく考えてみたら、国民が一般財源化を求めている。つまり、一般財源化を求めているというよりも、道路ばかりに使われるのはよくないという評価を下したのではないかと思われる。読売新聞の世論調査によると国民の58%が賛成、反対が28%。ガソリンの価格が下がったことは56%が賛成、31%が反対。面白いことに、60と30という数字がいろんな所に出てくる。3分の2の再可決には57%が反対、27%が賛成している。内閣の支持率は28%、不支持が58%。民主党の今回の対応に対しても評価が30%、評価しないが59%。


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2008年03月21日

道路特定財源の行方:中川秀直元幹事長の調整手腕に期待する08.03.21

3月21日記
<中川発言の意義>
 3月19日小さな記事に、中川秀直元幹事長が、道路特定財源を環境税にと述べたことが報じられています。私が一ヶ月前のメルマガ・ブログで明らかにした森林環境税の考えとおなじ基盤に立つものです。当然ですけれども、とりあえず1~2年現行で行き、議論をして1~2年後に環境税にもっていくというものです。さすが、自民党の幹事長も勤めておられた方の落ち所です。私の案は、暫定税率廃止という民主党案に気を使い(?)とりあえず1~2年廃止して、その後に森林環境税にと順序が違うだけです。中川案の方が現実的です。

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2008年02月28日

旬を忘れた日本の食生活08.02.28

 細かい日にちは忘れましたが、2月頃のNHKの番組で、冬のイチゴ(「アイベリー」)を旬体感として報じていました。季節感が完全にズレているのが分からなくなった典型例です。

 2000年秋に、オランダのマーストリヒトでの持続的農業ワークショップの3人のゲストスピーカーの一人として招かれて、45分間話しました。そこで、はじめて英語で地産地消・旬産旬消の話をしました。今考えると拙い英語で“Produce There, Consume There” “Produce Then, Consume Then”と言っていましたが、通じたようです。(今は”Produce Locally, Consume Locally” “Produce Seasonally, Consume Seasonally”で統一しています。)質問時間には80%私に集中しました。
 そこでのイチゴのやりとりをわかりやすく紹介しておきます。
「日本のイチゴの生産全般は、いつが一番多いか。驚くことに12月。何故か、Xmasのショートケーキの上にイチゴをのせることから始まり、冬のイチゴが定着した。日本人は紅白を縁起がいいと考え白いケーキに赤ということにこだわる。」
 これに対して、質問時に、
「日本は南半球の国で、キリスト教国かと思った。」といったユーモア溢れる前置きがつけられました。

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2008年02月27日

道路特定財源を森林環境税に(篠原試案)08.2.27

 道路特定財源について議論が沸騰しています。与党と野党が、がっぷり四つに組んで譲る気配がありません。しかし3月31日をめざして何らかの修正協議をして成案を得なければなりません。が、農林水産省の行政というのは、米が余ったといってはしかられ、足りないといってはしかられ、あっちの先生はこう言い、こっちの先生はこう言いというので、典型的な足して二で割る行政でした。落としどころを探して妥協する。そういった行政を経験してきて、知らず知らずのうちに両者の主張をみとめることを真剣に考える癖がつきました。
 今それをあてはめて考えた場合どういうふうになるか、あまり試案というのを出すのはよくないのかもしれませんけれども、幸いなことに私は元代表でも何とか大臣でもありませんので、私の見解を述べさせて頂きたいと思います。今まで2年から5年しか暫定期間を伸ばしてこなかったのに、このいろいろ議論があるときに10年間暫定値を続けるというのは、悪乗りであり暴走している法案というしか言い様ありません。それに対して民主党の一般財源化というのは非常に理想的です。私はこれには反対するわけではありませんが、なかなか理想どおりには進まない。このねじれ国会ではやはり着地点探しが必要ではないでしょうか。ちょっと長くなりますが、皆さんに私の案をお送りいたします。
前からいろいろ考え検討してきましたが、2月23日山岡賢次国対委員長をお迎えしての研修会で、下記の資料を配布して道路特定財源について議論しました。それを皆様にお送りします。
最後に政府案、民主党案、篠原試案の功罪を表にしました。PDF形式でご覧ください。

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2008年01月30日

道路特定財源問題(その1)08.01.30

道路特定財源の一般財源化問題は、民主党が第169回通常国会を「生活第一・ガソリン値下げ国会」と位置づけることにより、一挙に国民的関心を呼ぶことになりました。暫定税率を停止すると1ℓあたり25円ガソリン価格が下がることから、民主党は1、2期生でガソリン値下げ隊を編成しました。私は参加しませんでしたが、1月16日 パシフィコ横浜の党大会後、第一声を挙げました。象徴的なことをピックアップしたわけですが、この問題はいろいろな観点から見なければなりません。

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2007年01月10日

投票の機会均等を教育の機会均等に 07.01.01記

長野市内には119の投票所ある。この119投票所のうち、半数以上の63投票所は開票所から遠く、投票箱を運ぶのに時間がかかるため、1時間早めて午後7時に閉まる。この63投票所の有権者数は全体の9%に過ぎない。また、選挙ポスターを貼る地区別公営掲示場の配置数では、人口約2500人の栄村が53、その5倍の1万2500人の小布施町は73である。栄村は一掲示場当たりの有権者が41人で、長野市の489人に比べると十倍優遇されている。
これは、日常生活の範囲内で候補者の顔を知ることができ、投票に行けようにすることにより、投票における機会均等を保障するためである。過疎地のことを考慮した美しい制度だ。
<北信ローカル元旦号寄稿に掲載>

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高校再編を考える 07.01.01記

高校再編で、来春統合予定の中野高校、中野実業両高校は、新校名を「中野立志館」と決めた。市出身の高野辰之作詞の唱歌「ふるさと」にある「志(こころざし)を果たして、いつの日にか帰らん」の歌詞にちなんだものだ。統廃合により、母校の名が消えることは、卒業生にとって辛いことだが、新しい校名に故郷の思いを刻んで再出発するのだと前向きに考えるしかない。
<北信タイムス新年号寄稿として掲載>

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2006年11月22日

【メルマガ】中川昭一発言核保有論議について 06.11.10記

11月8日安部VS小沢の二回目の党首討論は核保有論議が中心となった。  私自身も傍聴していた7~8m以内で、安部首相がつい本音を漏らしたことが感じられた。45分間というと短い位でいて結構長い。

【中川政調会長擁護論】~軍事安保と食料安保比較~
 中川昭一政調会長は、昔からタカ派である。農政畑では、それなりに交流があったが、日本国全体については、政治家と役人の間であり、じっくり話したことはない。私は私自身の考え方をそれなりに著書にしているが、政治家のほとんどは、励ます会配布用のいわゆる「まんじゅう本」(まんじゅうの代わりに配布するので、この名がついた)くらいしかないので、その考え方はわからない。
 ただ、論議の一貫性、行動の一貫性は認められる。つまり、日本の国の安全保障は軍事的にも自力を旨とすべきであり、核兵器を北朝鮮すら持とうとしているのだから、日本も核を持つことの可能性を含め議論をしていくべきだ、という極めて当たり前のことを言っているにすぎない。農林族の大御所として、食料安全保障の観点から食料自給の必要性を力説するのと同じなのだ。   
                  
≪軍事安保≫ アメリカの核の傘             ⇔     日本も核を持つ
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≪食料安保≫ アメリカ等から食料を大量輸入   ⇔     日本国内の食料自給を目指す

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2006年04月26日

しのはら孝の6つの政策!

長野を変えます。政治を変えます。そして日本を変えます。
そのために、この度、30年の農林水産省勤務の経験を活かして、 政治の世界に足を踏み込むことにいたしました。

まず、自民党政治が混迷を続けています。改革、改革を叫ぶ小泉総理の声もむなしく響くだけです。 抵抗勢力とやらでなくとも、首を傾けざるをえません。

改革はやはり政権交替でなされるべきです。同じ穴の狢同士では遂行できません。 自民党政権では、今日の日本を改革することはできません。 民主党政権に日本の将来をかけるべく、決意を固めました。

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