秋田県大潟村視察

 1月17日、民主党の菅直人代表に同行して、秋田県大潟村を訪問しました。

 

 2日前の15日午後7時すぎに党本部から、17日(土)に、日帰りの大潟村訪問、若手農業者との車座集会への同行の依頼がありました。翌々日のことであり、既に地元での予定がいくつか入っていましたし、特に須坂の会合は一度延期していたもので、再延期は心苦しいばかりでしたが、代表の補佐を優先させていただきました。

 翌16日は、総選挙後ずっと続く、種々会合での挨拶回りが目白押しでした。 参考までにご披露しますと以下のようになります(詳細は別紙参照)。まず、高山村で「花選植樹の会」に出席した後、中野市の会合と長野市の会合に参加、再び中野市の集会にでるという大変な過密スケジュールで、東京には遅い新幹線で向かいました。 その間、東京では米生産や大潟村についての資料集めをしておきました。ある程度わかっているといっても、大潟村の現状や、米政策大綱についての資料に目を通さなければならないので、どこでも、ほとんどアルコールは口にしませんでした。

 党本部からは更に「代表に合わせてノーネクタイのカジュアルな服装で」という注文がきましたが、おしゃれな代表と違ってスーツしか持ち合わせていない私は、高校生の息子のセーターを借りて行くことにしました。 私は、菅代表とは個人的に深い付き合いはそれほどありませんでした。また、13日の夕刊フジに「選挙中の閣僚名簿は失敗。党幹部の猛省を促したい」という私の発言を伝える記事が載ったこともあり、少々、複雑な気持ちもありました。ただ、私を農業のプロとして認識しておられることに対し身の引き締まる思いで、馳せ参じました。

 秋田県大潟村では、菅直人代表のほか、秋田1区選出の寺田学衆院議員、佐々木重人秋田2区総支部長らも参加し、30〜40歳代の農業従事者約40名と対話集会を開催しました。

 私は、あちこちに講演でお邪魔しており、友人が多くおりますが、大潟村でも、さんざん激しい議論をしたことのある黒瀬正さんと久しぶりにお会いできました。相変わらず元気で、この会合の世話役をしておられ頼もしく思いました。 地元産の「あきたこまち」のおにぎりをほおばりながら、これからの農業のあり方について熱心に討論しました。余談ですが、朝早くて朝食抜きだったこともあり、私は、おいしいおにぎりを5つも食べてしまいました。

 八郎潟の干拓事業で生まれた大潟村は、昭和43年の第一次入植以来、先進的な農業が行われ、産直ルートの確立による、市場価格に左右されない販路の整備や有機農業をはじめ栽培方法の研究等に取り組む意欲的な農業者が多く、農業政策をめぐっても様々な意見が出されました。 ある生産者は、化学肥料を多投する農業を続けてきた結果、50年前と比べてビタミンが半分以下になった野菜が作られていること、また見た目のいい野菜を求める消費者ニーズが農薬の使用を後押ししていることなどを指摘し、若年層への食農教育の推進を求めました。

 農業政策改革大綱の見直しも指摘され、戦後、コストを削減して安い農産物をつくり出す、食料供給機能だけを農業に求めてきたが、環境を保全する機能や身体づくり・健康づくりに欠かせない良質な食べ物の供給源としての位置づけなど、農のあり方、役割を考え直すべきだとする主張もありました。 農家への所得保障も検討すべきとの意見には菅代表も、民主党の農林漁業再生策をふまえながら、空気・水・土・心身などの保全・浄化など多面的機能を有する農林業の従事者には所得保障もあってしかるべしとの考えを示しました。

 また、高齢化などで放置された農地を新規就農者に貸与する制度、不作時の低金利貸付制度など、やる気のある農業者を盛り立てる政策が必要との訴えもありました。

 菅代表は、今後の日本社会を考える上で参考になるのは大量生産・大量消費ではなく、地産地消の生活スタイルだとして、日本の農林業の再生に力を尽くす姿勢を改めて示しました。

 座談会の後、全国的に有名な涌井さんの米販売施設、イチゴ栽培ハウス、黒瀬さんの精米施設なども見学しました。

 

 こうしてあわただしい日程を終え羽田に着くや、その足でまた、長野へと向かい週末の地元での日程を再開しました。

 菅代表は、農政の改革に並々ならぬ決意を持っておられ、心強く思いました。それから、13日の党大会の所信表明をほめたところ、「自分は演説は得意じゃない。討論は、女房と口喧嘩をして鍛えているので得意だけど」と冗談を言って照れておられました。国会の質問の時の厳しい野党党首の顔とは別に、ユーモアのある暖かいお人柄が伝わってきました。私は、政権交代をして、この人を是非、総理の座につかせなければ、と決意を新たにした次第です。

 なお、大潟村対話集会については、下記の民主党のホームページもご覧ください。
また地元の新聞でも報じられました。  

(民主党ホームページ:http://www.dpj.or.jp/news/200401/20040117_01akita.html

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