民主党2004年度定期大会
2004/1/12〜13

 2004年度「民主党定期大会」が、1月13日に東京のプリンスホテルで開催され、 民主党所属国会議員や地方議員、党員、支持者等1,300人が参加して開かれました。大会冒頭で 菅直人代表は政策全般の基本的な考えを述べ、「政権交代」を目指して今年もがんばろうと挨拶しました。

菅直人代表と篠原孝

 篠原孝議員は、衆議院の農林水産委員会に所属し、 また民主党の農林水産団体交流局長として農林水産関係の政策立案に深くかかわることになりますが、 菅代表の挨拶の中で、篠原議員との関係分野の発言は、次の通りです。

<経済、財政、農業政策>
(前略)
農業の再生を柱とする地域経済の再生プランを参院選にむけて出したいと考えます。G7各国の食料自給率は、低いイタリアでさえ70%、100%を越えている国も多く、日本の食料自給率は40%と最も低い水準です。元々日本は水が豊富で農業や林業に向いた自然環境に恵まれています。そして最近、消費者のニーズをしっかり把握し、安全でおいしい農産物を供給する農業企業体が各地に生まれています。自民党のように補助金と公共事業漬けの農政から、日本の風土を活かした安全でおいしい食料生産業としての農業の再生をめざします。幸い我が党にも農業専門家や農村地域の議員も増えてきました。参院選までには民主党の農業再生プランを国民の皆さんに提示したい。そして農業を強化することは自由貿易協定つまりFTAを進め、貿易立国を続ける上にも極めて重要です。
<曲がり角>
 2004年、今年は世界的にも日本にとっても大きな曲がり角にあります。歴史上日本は、目標が明確であれば厳しい条件下でもそれを達成してきました。しかし目標達成後、失敗した歴史があります。富国強兵を達成した後の軍国主義化による太平洋戦争への突入、経済大国を達成した後の官僚主導政治による財政破綻と急激な少子化がそれです。私達は自らの手で健全な日本社会を取り戻す新たな目標を定めなくてはなりません。目標とすべき日本の姿を模索する議論の中で、過去の日本の伝統的価値を見直そうという機運が強まっています。しかし参考にすべき日本的伝統とは何でしょうか。明治維新において、日本は列強に対抗して近代化を急ぐため、廃仏毀釈に象徴されるように神道イデオロギーを軸に天皇中心の中央集権国家を強引に創り上げました。当時としてはやむを得ない選択であったかもしれませんが、その結果、江戸時代まではぐくまれてきた八百万の神といった多神教的伝統は破壊されました。
 江戸時代は200年余り、戦争のない平和な時代でした。生活水準も水稲栽培が中心で比較的豊かで、社会は秩序が保たれ安定し、高い識字率が庶民に親しまれた浮世絵に象徴されるように文化的にも同時代のヨーロッパよりも優れていました。私たちがこれからの日本社会を考えるにあたって参考にすべきは、明治以来の近代化に合わせた、大量生産、大量消費、大量廃棄の生活スタイルではなく、その前の江戸時代の、地産地消の「スローライフ」と呼ぶべき生活スタイルにあるように思えます。日本の農産物を食べ、木材を使うことがひいては日本の自然をまもり、農山村を子育てに適した地域として復活することになります。
<あるべき憲法の姿>
(前略)
 また、千年以上前に創られた聖徳太子の17条憲法には人間としてのあるべき姿といった道徳律が含まれていました。現行憲法は世界の理想や国の司法、立法、行政といった制度についてはかなり詳しく規定していますが、人間の倫理や日本文化継承にはほとんど触れられていません。新しい憲法には自然と人間の共存など人間と社会のあるべき姿も盛り込むべきです。
 憲法第29条には「財産権は、これを犯してはならない」とあり、つづいて「財産権の内容は公共の福祉に適合するように法律で定める」とあります。しかし “公共の福祉”なる概念が不明確なため財産権が「絶対的所有権」と拡大解釈され、自分の土地ならどう利用しても勝手と、京都のような千年を超える歴史を持つ町にまでビルを乱立させ、景観を破壊してきました。イタリアの古い都市、フィレンツェでは外観を変える建物の改造は禁止されています。美しい景観を環境権の一つとして保護する規定が必要です。環境権の内容に関わる決定には住民投票を導入できるようにすべきです。
(後略)

篠原孝が以前からずっと主張してきたことと似ているなとお気づきになりましたか。 また、「幸い我が党にも農業専門家や農村地域の議員も増えてきました。」とは、誰のことでしょうか?

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