民主党の大政局と農業再生プランに明け暮れた4月末〜5月上旬

前回3月末の私の1週間をスケジュールを中心に報告しました。
今回、菅代表辞職・岡田代表就任という民主党にとっての大激震と、その中で私が何をしていたか、 同様に報告します。年金問題中心の詳細な報告は後につけます。 私は役所生活30年にもない仕事中心のゴールデンウィークで、農林漁業再生プランに明け暮れました。
そして、その間に「政界は一寸先は闇」を地で行く展開を遂げました。
これをまず、スケジュールで示します。

(再生プラン作りに没頭、それ以外は順風満帆)

4月19日(月) 広島

○ 広島5区の補選で三谷光男候補を応援。行きは菅代表と同じ便、帰りは仙谷団体交流委員長と同じ便。 ついでに呉市の父の従兄弟、中本博さん宅訪問。

○ 三谷さんは1984年青年会議所のアドバイザーをしていた頃名刺を交換した仲。私は覚えなしも、先方は記憶。私は名刺を保管、その整理のよさに菅代表はじめ関係者が驚く(しかし補選は惨敗)。

○ 途中、山形県で参院選に立候補した(ひょんなことで私が立候補を仲介)舟山康江さん(38歳、2歳の子の母、元農林水産省、私が国際政策調整室長時代に同じ課に入省)が立候補記者会見をするということで、菅代表とともに携帯電話で激励。

○ 帰りに広島空港で仙谷さんと徳島の候補者探しで秘密(?)会談。野田聖子自民党衆議院議員にも会い、「私を小渕優子と間違えていた人」としつこくなじられ、私は「年下に間違えたんだから許してくださいよ」と冗談半分に懇願。「そういえば、Mさん(先輩の女性議員)に間違えられるよりましね」とひとまず一件落着。

4月20日(火) 国会

○ 13:00より本会議。その後農林漁業再生本部ヒアリング(農業改良普及事業協議会、農産漁村女性・生活活動支援協会、中央畜産会)・農林水産部門会議役員会をこなし、明けても暮れても再生プランの毎日の上に、翌日の質問準備。

4月21日(水) 国会

○ 8:00 農林漁業再生本部ヒアリング(UIゼンセン同盟フードサービス部会)。

○ 10:00 農水委で農業改良助長法・農業委員会法改正案で1時間質問。(動画で見られます)

○ 17:00〜21:00 再生プラン打ち合わせ会議。その間に菅野芳秀さんたち、長井レインボープランの朝日環境賞受賞パーティーに顔を出す。

4月22日(木) 国会

○ 農林水産部門会議(8:00)、衆議院憲法調査会で代理で質問(9:50〜10:00)、FTAプロジェクトチーム(10:00〜)、本会議(13:00〜)、農林漁業再生本部ヒアリング(16:00〜、全農林・森林労連)とほとんど議員室に居ずに走り回る。

4月23日(金) 国会

○ 農林漁業再生本部ヒアリング(8:00〜、全国農団労)、鈴木棟一氏取材。本会議(13:00〜)農都共生全国協議会とこなし、空いた時間は例によって再生プラン三昧。夜中までかかる。

4月24日(土) 長野

○ 14:30 長野で保険医協会と懇談。どのような団体かもよく知らず、例によって何人かの議員と一緒の会合のと思いきや、私一人との懇談。しかも、初めて新幹線に遅れ、遅刻して大迷惑。

○ 18:30須藤秀治中高後援会長の中高医師会長の就任祝い。実家の山の上の桃畑で開催予定だったが、遅霜予報の出る寒さのため会場を田麦公開堂に移して開催。例によって、岩下岳司宅で二次会をして、久しぶりに田麦の実家泊。

4月25日(日) 長野⇒国会

○ 6:00中野市早起き野球大会で挨拶、始球式。ウォーミングアップは順調なのに、本番だけワンバウンドで無様。長丘の千曲クラブの一員として、メンバーに入れてもらう。背番号(年齢にちなんで「55」)付のユニフォームも購入済み。ただ実際どれだけ参加できるか?

○ 9:30 原沢正君(小学校の同級生)の案内で、飯山・中野・山ノ内の正君の関係者宅を訪問

○ 13:00 正君もメンバーの中高建設労働組合定期大会で挨拶

○ その後、直ちに帰京して配偶者政策秘書(妻)の待つ議員会館に直行。翌日の菅代表への農業再生プラン説明用資料作りに2人で没頭。夜中まで仕事をしては守衛さんから入り口を閉めると督促されたが、休館日なのに夜中になり、また迷惑をかける。当然九段の宿舎泊。

(菅・民主党に寝耳に水の未納問題)

4月26日(月) 国会

○ 10:00 鹿野大臣・山田副大臣・平野参議院議員とともに「農業再生プラン」骨子の最終打ち合わせ

○ 14:00〜16:00 菅代表に政策秘書も同席して、「農業再生プラン」の概要説明「この方が篠原さんより立派な奥さんですか」と変な発言(政策秘書をめぐる両院議員懇談会での私の発言で妻もすっかり有名になったのはホームページどおり(?))。2時間じっくり菅代表に説明。

4月27日(火) 国会

○ 10:00 農林水産委員会で「高病原性鳥インフルエンザ緊急対策措置法」の提案理由説明。小平筆頭理事から「法案を認めてもらうように気持ちを込めて」という注意があり、今度は本会議の趣旨説明と異なり、余計なことを言わず、原稿を大きな声で読む。

○ 政府案の家畜伝染病予防法と合わせて審議されるので、亀井大臣・金田副大臣の隣に座り、答弁。これも珍しいこと。

○ 17:30 「農業再生プラン」の党内プロセスの一環として、小沢一郎代表代行より農政問題について意見を聞く。

○19:00仙谷さん、高井美穂衆議院議員等と参院選候補者協議。

4月28日(水) 国会

○ 厚生労働委の年金法をめぐり風雲急を告げる。自民党が再三再四にわたり、約束を反故にし、閣僚の国民年金保険への加入状況を出さず、審議はストップ。

○ 民主党も対抗法案を出しているので、NC(次期内閣)の国民年金加入状況も出せと自民党が言い出し急遽用意。いかにも付け焼刃的対応。自民党に手玉に取られる執行部が歯がゆくてならず。

○ 午後、例によって与党は強行採決

○ 18:00 官邸で福田官房長官が、3閣僚ともども未納期間があることを表明。大混乱に。

○ 同時刻、急遽代議士会で菅代表の未納も発表。代表は憮然とした表情で詫びつつも「行政上のミス」を強調。それに対し、これは大事になると直感。

4月29日(木・祝日) 静岡

○ 1日中静岡県で旧知の海野徹参議院議員の街宣に同行。

○ 河村たかし衆議院議員も合流し、3人で静岡−磐田−浜松と街宣。

○ 途中菅代表の10ヶ月の未納期間が気になり、「江角マキコ国会呼び出し発言、未納3兄弟発言等自らの口撃で大きくなる可能性大。成田空港で、「帰国後出処進退を明らかにする」と発表して、一旦身を引き、自民党7人の未納閣僚に攻撃を加えながら、そして9月の代表戦で復帰以外に途はない」

○ 菅代表の携帯電話の番号も入っているので、訪米前に直接かけようと思い立つ。車で隣に座る河村さんは、相変わらず議員年金廃止ばかりでそれを言うために電話しろとせっつく。しかし、いくらなんでも新人議員が菅代表に「辞めた方がよい」などと直接TELするのはでしゃばりすぎも甚だしいと思いやめる。

○ その代わり菅代表の指南役の一人である北沢俊美参議院議員に、「菅代表に早く辞任宣言するように進言してほしい」とTEL。北沢さんは「羽田孜さんと相談してみる」とすぐ理解。

○ 菅さんのもう一人の側近の荒井役員室長にも同じことを伝えようとTEL。さっぱり出ず(夜TVを観ると菅代表と一緒に訪米・訪欧に随行していた)。

○ 私の言おうとしたことは、

  1. 29日(木)に成田空港で「国民に重大な不信を招いたので、帰国後出処進退を明らかにする」と発表して訪欧に発つ。日本向けには明らかに辞任もありと表明する。
  2. 先手を打って、7閣僚に迫ることになり、小泉内閣にそれなりの揺さぶりをかけられる。でたらめな年金法を廃案に持ち込むことも可能。
  3. 本当は、外遊を取りやめてもよいが、アポイントを取った相手国に迷惑がかかるので、あくまで現職の最大野党党首のままで行く(私は俄か外交官の頃、せっかく取ったアポイントを突然キャンセルされて困りました)。
  4. 菅代表を続けるためにこそ、ここで一旦身を引く必要がある。閣僚辞任劇に追い込めば、再選は確実になる。

4月30日(金) 長野

○ 北沢俊美事務所開きで挨拶。それ以外は長野で再生プラン作りに専念。

5月1日(土) 長野

○ 飯山と中野のメーデーに参加。苦しい挨拶。

○ 年金について挨拶の要旨は以下の通り。

  1. 菅代表の未納を詫びる。
  2. ただ、悪い順番ではもっともまし。菅さんのケースは、むしろ市役所・社会保険庁の手続きミスの可能性大。批判していた責任のブーメランの点は弁解の余地なし。脇が甘かった。
  3. 最も悪いのは嘘をつき、4月28日の強行採決し、後に未納を明らかにした福田官房長官。政府のスポークスマンとして即刻辞任に値する。
  4. 中川経産大臣の21年間の未納は本人が認める通り。社会意識が欠如しているが、早々公表している点で、まだ許せる。麻生総務大臣も同じ。それに対し、谷垣・竹中・茂木大臣はしらばっくれていたので責任は重い。
  5. したがって、年金法は廃案にすべし

○ 長野メーデー後、デモ行進の連合の皆さんに向けた街宣。菅代表の未納について冷たい野次が飛ぶ。予想した通り、国民の反応は厳しい。

○ 北沢さんが連合のメーデー会場で「自ら菅代表に辞任を進言する」と明言された旨、デモ参加者から伝わる。これがきちんと伝わることを願い、ほっとする。

(再生プランで休日なし、民主党には激震)

5月2日(日・休日) 国会

○ 議員会館で配偶者政策秘書(妻)と2人で終日「農林漁業再生プラン」の素案作り

5月3日(月・休日) 国会

○ 終日議員会館でやはり2人で「農林漁業再生プラン」の素案作り

5月4日(火・休日) 杉並の家

○ 妻が「いくらなんでも今までも人一倍働いているのに、せっかくの連休を毎日誰もいない議員会館通いなんていやだ」と出勤拒否。杉並の自宅で終日同じ作業。

5月5日(水・休日) 国会

○ 再び終日議員会館。芳野秘書も会館へ。守衛さんから呆れられる。やっとそれなりの素案が完成。

5月6日(木) 国会

○ 14:00 菅代表が、9日帰国の予定を繰り上げて帰国。

○ 代議士会で民・自・公の年金法絡みの三党合意が明らかにされる。手続きも不備な上に内容はもっとお粗末。執行部の未熟さが露見され、悲しいかぎり。軟弱姿勢に反対論続出は当然のこと。

5月7日(金) 国会

○ 福田官房長官が突然辞任。当然といえば当然だが、先を越されガックリ。

○ 4月29日、直接菅代表に進言しておけば少しは変わったかと大後悔。しかし、時既に遅し。完全にタイミングを失する。

○ 夕方急遽開かれた両院議員懇談会は議論百出。三党合意の是非の議論だが、根に菅代表の進退問題があると見られても仕方なし。賛否が半々だが、大体のムードは菅辞任へ。

○ そうした中、石井副代表の最後の発言が胸を打つ。若手中堅の頼りないことこの上なし(本件については、別途年金問題で再掲)。

○ 会が終了後、某側近に、今度は「もう、この時点では辞めるべきじゃない」と伝えると、「本人に直接言ってよ」という答。そこで、代表室に行くと、もうTV出演とやらで退出。ただ、帰ってくるというので、ノートの切れ端に小泉首相のボロを出すまで我慢等、3項目の直筆のメモを残す。

5月8日(土) 国会

○ 土曜出勤して、政策秘書とともに再生プラン作り。

5月9日(日) 長野

○ 長野に帰り、2つの会合に出席。間に地元の挨拶回り。

○ それ以外は、再生プラン作りに没頭。

○ 途中TVをみると、菅代表はほぼ出ずっぱり。なぜこんなことをするのか全く不可解。哀れで見ていられず。

(私は政策に没頭、民主党は大ドンデン返し)

5月10日(月) 長野⇒国会

○ 連合長野で環境問題について講演。

○ 民主党の一大事を決める両院議員総会出席のため、上記会合を縮めて帰京して、やや遅れて参加。

○ 冒頭代表が辞任を表明で、万事休す。隅のほうで密かに涙す。

○ 5/7(金)の会合より大荒れ

○ やはり、西岡武夫、岩国哲人、石井一、中井洽、といった経験豊かな議員の意見が傾聴に値するが、若手の意見は陳腐で聞くに値せず。

○ 執行部一任取り付けで決着は夜9時過ぎ

○ 鹿野NC農林水産大臣と眼が合う。「米価を思い出したけど、一回で一任取り付けなんて自民党ではありえない」との感想。実は私も同じく10年余り前の米価を思い出していた。あの頃は、毎年こんな騒ぎを1週間も続けていた。そこで、幾多の政治家が育っていったが、今は訓練の場がなくなる。

5月11日(火) 国会

○ 岡田幹事長の下、新代表選びが始まる。小沢さんに収斂しつつあった。

○ 再生プランのことを考えると4/27(火)の会合をしておいたことが今となると大殊勲。

○ 民主党政局は動き皆浮き足立っている中、私は再生プランの練り上げに没頭。

5月12日(水) 国会

○ 菅代表の命を受けての仕事だったことから、菅代表の間に決着つけるべく、5/13(木)の農林水産部門会議での了承を取り付けを目指して調整。私の美学であり、鹿野大臣も了承。

○ そのため、何回目かのタクシーで深夜帰り(九段宿舎)。政策秘書の嘆息「こんなに働いている1年生国会議員はやっぱりいないんじゃない?それも妻を道連れにしているなんて」

5月13日(木) 国会

○ 8:00 予定通り農林水産部門会議で了承。

○ 鹿野大臣からの説明申し出に対し、菅代表は「新代表に説明し、予定通り再生プランを持って参院選を戦ってほしい」と泣かせる対応。

○ 再生プランに一区切りできたので、若手の会合に参加。誰も代表に名乗りをあげずに残念。皆様子見のようだが、今様子を見ていては、次がないのではないか。

5月14日(金) 国会

○ 民主党本部の選対本部事務局と再生プランを活用しての1人区対策を検討。

○ 再生プランを再度チームで打ち合わせ。何回目か知れず。しかし、まとめるのは私の事務所で、また2人の秘書に大迷惑をかけることばかり。

○ 東京後援会結成のため、再度同級生が集まる。ありがたいことこの上なし。

○ 小泉首相の年金未加入も発覚。小沢さん攻勢に出る。

○ 小泉首相は、小沢新代表や自らの年金未加入に訪朝発表をぶつけてマスコミを操作。

○ TV記者会見では、4/27の農政論と打って変わって慎重なるも、ほぼ小沢代表で決まる方向。

5月15日(土) 長野

○中学の同級生畠山君の関係者を挨拶回り。夕方,山ノ内町の旅館で私と同世代の旅館経営者と懇談会。冬季五輪後の不況のひどさに改めて驚く。

5月16日(日) 長野

○ 夕方中野市日野で国政報告会。年金問題を巡る一騒動をレジュメで報告(別掲)。

○ それ以外は再生プランの修正に没頭。小沢さんの意見も取り入れて自給率・環境・農村社会を3本柱とする。

(まさかの岡田代表誕生)

5月17日(月) 国会⇒栃木

○ 東京で4Hクラブ(東てる美さんが役員)の会合で講演した後、連合栃木のやなせ進参議院議員総決起集会のゲストスピーカーとして講演。他の関係議員は政局で忙しくて参加なし。

○ そこに、携帯メールに芳野秘書より「小沢さん代表就任辞退」の報。地元の山岡賢次衆議院議員より会場にも連絡あり、会場ざわつく。

○ 本人のやなせさんが帰京する中,私が代わりに懇親会を付き合う。ただ、高校の同期生小川修二君と37年ぶりの再会は嬉しいかぎり。

○ 結局岡田代表に決まる。

5月18日(火) 国会

○ 岡田新代表選出の両院議員総会で、菅代表に挨拶して握手。「再生プラン仕上げていただいたのにこんなことになって誠にすみません」と深々と頭を下げられる。古風で律儀な人だと胸にジーンと来るものあり。

○ 民主党大躍進パーティーで岡田新代表が挨拶。

○ 「守りに弱い菅です」と冗談を言って、岡田さんを励ます菅さんがけなげ。やはり菅さんには華がある。いつか再浮上することを願うのみ。

○ 菅さんとポスター用写真を撮ることを楽しみにしていた、舟山康江さんを菅前代表に紹介して、ツーショット。

○ 岡田民主党の門出、さてどうなるか身を引き締めてかかることにする。

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