農林水産委員会の長崎視察

前の根室の水産振興議員連盟の視察は、すべて自分たちで費用を負担しますが、委員会全体の視察はいわば出張で負担はありません。地元対策で忙しい議員は、視察にはなかなか参加しないと聞いていました。実は、農林漁業再生プランの説明などであちこちを飛び歩く私も、何もないときは長野に長くいたいのですが、最初のことなので、参加することにしました。全委員の3分の1ぐらいが参加しました。今回私は、旧知の金子原二郎長崎県知事としばらくぶりにお会いするのを楽しみにしていました。

私は、1999年9月から3年弱水産庁企画課長兼海洋法対策室長をしましたが、その当時、金子知事は自民党水産部会の重鎮として海洋法条約の批准、200海里の排他的経済水域法やTAC法(資源管理のために魚種ごとに漁獲の上限を設定して、それ以上は獲らない)の制定に一緒に汗をかいたいわば同志でした。国会議員を続けるか悩んだ挙句、当選5回で大臣を経験せずに知事に転じて2期目、どんな知事ぶりかこの目で確かめたかったのです。

長崎県の農林水産業の実情の説明を自ら指示棒を使ってやる張り切りようで、元気は少しも変わりませんでした。

国、県、大学が一緒になった水産研究団地、魚市場、みかん団地を見た後、ハウステンボスの中のホテルで懇談会(懇親会)が開かれ、久し振りに金子知事と昔話をしました。

私は水産研究については、海に県境はないのだから、県ごとの研究所は不要で、いっそのこと独立行政法人化した国の研究所と一緒になるべきではないか、との提案をぶつけましたが、あまり反応はありませんでした。みかん団地では、どうも長野のりんご等と同じで高級化ばかり目指しているようなので、あまり高級化ばかり志向せずに手間をかけず大衆向けに安いみかんを作ることも考えたほうがよいのではないかと質問してみました。すると、みかんは高級なのはほんの一部とのことで一安心しました。

私は、仰々しい大規模リゾートは大嫌いで、当然、ハウステンボスにも全く興味はありませんでしたが、皆さんの宿なので仕方なく泊まりました。1ヶ月前に新しい経営陣になったそうですが、先行き怪しいという気しかしませんでした。

あと2日、熊本、鹿児島の視察があったのですが、翌朝、松下忠洋自民党筆頭理事とこれまたシアトルのWTO閣僚会議などの昔話をしながら一足先に帰京しました。ご一行は、翌日、台風21号のため、視察を取りやめ、福岡から帰京したとのことでした。

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