『説明責任』という政治の基本を忘れた小泉総理
−イラク特別委員会での質疑を通して−

先の臨時国会から、「予算委員会」と「国際テロリズムの防止及び我が国の協力支援活動並びにイラク人道復興支援活動等に関する特別委員会(通称:イラク特別委員会)」の2つの委員会に所属している。

イラク特別委員会は、今臨時国会では、イラクへの自衛隊派遣期間の延長問題が焦点となり、非常に熱戦が繰り広げられた。私も、質問の機会がまわってきそうで、準備をしたが、重要問題でもあり、マスコミの注目も高いので、岡田代表や鳩山NC外相等が質問に立つ場合が多く、質問の機会はたびたび延期になり、臨時国会中は、結局質問できなかった。

ただ、今回のイラク特での審議を委員として参加している中で、はっきり感じたのは、小泉総理が、全く『説明責任』を果たしていないということである。

今回のアメリカによるイラク攻撃は、イラク国内の大量破壊兵器の存在が動機の一つだった。しかし、アメリカ政府の最終報告でも、大量破壊兵器の脅威の存在が否定された以上、イラク戦争の大義が失われている。 また、イラク国内のファルージャ攻撃が行われ、自衛隊が派遣されているサマワの宿営地にロケット弾が撃ち込まれるなど、現地の治安情勢が悪化している。日本政府は、与党幹事長や防衛庁長官がサマワを訪問して、安全性を確認したと述べているが、「派遣延長」を見越しての始めから結論ありきの政治ショーでしかなかった。

昨年、基本計画に基づく「派遣決定」も国会の審議も経ずに、閣議決定のみで実行している。今回もまた、「派遣延長」について国会で審議することなく、閣議での決定だった。

小泉総理は閣議決定後の12月9日の会見で、『派遣は国益にかなう』と述べているが、本当に国益にかなうのか、しっかり国会で議論すべきだった

民主党は、イラク特措法廃止法案を提出したが、審議未了となってしまった。

自衛隊を派遣するという重要な決定は、本来国会議員により、国会での採決に基づいてなされるべきである。

 イラクの現状を慎重に調査せずに、なおかつなぜイラクへの派遣を延長しなければならないかを十分に説明もせずに、一方的に閣議決定で派遣延長を決めてしまった小泉総理は、あきらかに国会を軽視し国民を愚弄している。

来年1月からの通常国会でも、イラク特別委員会では、ようやく私も質問する機会が回ってくるので、しっかり議論をしていきたいと思っている。 ハンガリーは、政府の派遣延長を国会が認めず、撤退がきまっている。韓国も国会の国会の承認が必要であり、これが世界の常識である。

つまり、外国に軍隊を派遣するかどうかは、それほど重大な問題だということである。


11月25日のイラク特別委員会で、小泉首相に質問する民主党岡田代表
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