(論評)農業再生プランの説明行脚と次期衆院選
−政権交代は農村部の勝利から−

参院選の思いがけない勝利(民主50、自民49)は、2つの1人区の予想外の善戦(野党13(民主党で9)勝14敗)によるものである。

なぜなら、小泉・真紀子フィーバーの吹き荒れた3年前は2勝(民主党単独は0)25敗だったのを考えると信じ難いことなのだ。

菅前代表は10ぐらいは勝ちたいとして、農業再生プランによる農政改革の訴えを提起したのは1月13日の民主党党大会であった。それ以来、参院選まで、私は農業再生プラン−最終的には農林漁業再生プラン−の作成に専心した。

そして、参院選における躍進の一つの原動力として、党の最終報告でも以下のように特別に触れられた。「・・・農林漁業再生プランによって、これまで民主党の支持の薄かった農村部にも浸透し、1人区での勝利の要因となった。」

その結果、参院選の最中の地方遊説に続き、農業再生プランの農村地域ないし農業関係者への説明にあちこちに出向く羽目になった。

安請け負いし、9月の長崎から始まって、12月の愛知県新城市まで6〜7回に及んだ。

世論調査結果が、農業者の支持が民主党の農政への真摯な取組(農業再生プランの策定、菅前代表の週末ごとの農村行脚)への期待から民主党にかなり動いたことを示している。従って、次期選挙になれば、農村地域で得票を伸ばし、議席数を増やすためには、参院選と同様の取組が必要といえる。なぜならば、東京、南関東、東海、近畿等の都市部はほぼ満杯に近い議席を獲得しており、民主党が政権を奪取する為には、九州、四国、中国、北陸、北関東等民主党の弱い農村部で勝利する以外にないからである。

そうはいっても、私自身比例復活組みであり、予定候補者や同じような比例復活組の選挙区へ援軍に行く前に、私自身が小選挙区で勝利して、民主党の議席増に貢献しなければならない。臨時国会中に、予算委での質問等の合間に各地に出かけすぎ、くたびれたのを反省し、2005年からは月1回の地方行脚に限定し、私自身の足場固めに重点を置かせてもらうことにしている。

ただ、1ヶ月早めて福岡で行った党大会でも、岡田代表が、以下のとおり、3つの重点政策の第1項目に地域再生を掲げ、その中の第1番目の柱として農林漁業再生プランの進化を提示している。

「・・・地域再生にあたり、重要なのが、農林水産業の役割。全国の荒れた森林再生のための民主党緑のダム構想。農業土木依存型の農政から直接支払い制度への転換をうたった民主党農林漁業再生プランを進化させる。・・・」

従って、この1年もどうやら長野1区と農林漁業再生プランの進化という1年になりそうである。

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