昭和16年12月8日と平成16年12月9日
「赤信号、渡ってしまえば青信号」の危惧

衆議院議員 篠原孝

国会議員になって1年余が過ぎた。

ペースがつかめず、総選挙後のあいさつ回り、夏の戸別訪問、そして臨時国会中の農村で数回の講演後と3回、クタクタに疲れてしまった。幸い1〜2日ゆっくり寝ると回復するが、その1〜2日の休みがとれず、ずっと何やかにやで走り回ることが続き、疲れが蓄積していく。国会議員が体力的にもかなり消耗することを肌で実感した。

しかし、より疲れが増すのは、小泉総理の無茶苦茶な答弁、説明である。

古くは、人生いろいろ発言であり、これは、参院選で手厳しいしっぺ返しを受けた。そして、秋は、イラクの自衛隊派遣に関連した「自衛隊が行っている所が非戦闘地域だ」というとんでもない発言である。イラク措置法に基づき、我が国の自衛隊は、非戦闘地域でなければ派遣できないことになっている。ところが、クルド地区を除くイラク全土に非常事態宣言がなされ、自衛隊の宿営地内外への何らかの攻撃も8回に及び、自衛隊員の安全が危惧されるようになった。

小泉総理の発言は、法律を無視し、自分がルールを作っていると言わんばかりの傲慢なものであり、「赤信号、渡ってしまえば青信号」と言うに等しい。自・社対決の時代であれば、徹底的に追及され、マスコミも攻撃し、政局になる失言ではないかと思われる。しかし、今は我が民主党がだらしないのだろう。なぜか大騒ぎにならないでいる。私はこの不甲斐なさに苛々し、疲れがたまる。  昭和16年12月8日、我が国は、今思えば重大な謝った道を歩み始めた。そして、平成16年12月9日、政府は、自衛隊のイラク派遣を1年間延長する閣議決定を行った。臨時国会を終え、国民への説明は何らなされることがないままである。戦争中の大本営発表と同じく「知らしむべからず」が繰り返されているような気がしてならない。

私自身、10月19日の予算委員会で小泉総理にBSE問題について直接問い質す機会を得たが、逃げて隠してごまかしての答弁に終始した。

私は、一国会議員として日本が誤った方向に向かわないように全力を尽くさなければならないと改めて決意している。

(国会質疑の模様は私のホームページや衆議院のホームページからご覧になれます。)

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