豊田村閉村式あいさつ

近隣市町村で合併があまり進まない中で合併が進み、閉村式を迎えられたこと、誠におめでとうございます。 村がなくなるということで、あまりおめでとうばかり言うべきではないかもしれませんが、やはり豊田村の村民の決断に敬意を表し、お祝い申し上げます。 ただ、合併に反対された町村もそれはそれで頑張っていただきたいと思います。

私ごとで恐縮ですが、私の次男の名は辰平といいまして、高野辰之博士の辰と中山晋平さんの読み方をもらい名付けました。 一部の皆さんは何度も聞かれているかもしれませんが、今回の合併を予測した象徴的な名前だと冗談を言っております。

私がなぜ故郷にこだわる名前をつけたかというと、理由があります。高度経済成長の陰で、いろいろ重要なものを失ってきました。 家族の絆、地域の連帯感、他人への思いやり、子どもの教育、自然や環境へのいたわり等数え上げればきりがありません。 日本社会を支える基盤が大きく崩れていきました。これを一言で言うと「ふるさとの喪失」といえるのではないかと思ったからです。 だから、ふるさとを子どもの名前に刻み込みました。

せっかくの機会ですので、二つ提案をしておきたいと思います。

まず、名前が消えることに一抹の寂しさがあると思いますが、今は郵便物は郵便番号で届けられるので、住所に名前を残せるということです。

例えば、宛名に383−0065長野県中野市田麦○○番地とあるのを、383−0065○○と番地だけ書けば届きます。 つまり、住所にどのような名前があろうとかまわないのであり、私はこのことを別のところに書きました (合併を機に旧地名の復活が必要(政府刊行物新聞))。 ですから、中野市豊田替佐○○とできるのです。もし、こだわられるなら検討してください。 (注:実は豊田を表記することについては、合併協議会で検討されたものの、表記しないことに決めたそうです。 私は、それを知らずに発言してしまいました。)

もう一つ、農協がねじれを引き起こしています。私は正直申し上げまして、市町村はあまり大きくなるべきではないと思いますが、 農協はビジネスですから大きくなってもよいはずです。豊田のねじれをもとに、 むしろ北信州みゆき農協と中野市農協の合併という前向きなことを考えていったらいいのではないかと思います。

余計なことを二つほど言わせていただき、私のお祝いのあいさつといたします。

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