第44回総選挙の総括(その1)

慌しい選挙戦が終わりました。

私はお蔭様で再び比例復活当選を果たすことができました。予定では民主党は2006年秋、地方の農村を基盤とする同僚議員を増やし、政権奪取することになっていたのが、散々たる結果となりました。ホップ(2003年衆院選)、ステップ(2004年参院選)、ジャンプ(第44回総選挙、2006年秋を想定)の政権取りの道筋がガラガラと音を立てて崩れていきました。

地方で同志を増やす前に、都市部で同志をたくさん失ってしまいました。175議席が113議席と62議席も減らしてしまいました。明らかに対応のミス、すなわち郵政民営化に対する対案を用意して国民に示さなかったミスです(この点については差し障りあるものの、いずれ別項で私の見解を明らかにします)。

私の愛すべき同期生(60人)の半分が議席を失ってしまいました。寂しい限りです。何と声をかけ励ましたらいいかわからず、電話できないでいます。

本会議も予算委でも一緒だったTさん、優しい笑顔が可愛いT女史、理論家のMさん・・・そして、私の政界入りのきっかけを作ってくださった掘込征雄前議員、涙が出ないわけがありません。

小泉ワイドショーななり劇場にしてやられたわけですが、何よりも民主党執行部の政局を見る眼の欠落を腹立たしく思います(この点も今回はこれ以上の言及はやめ、別項に譲ります)。

とてもおかしな話ですが、小泉首相の郵政民営化一本という戦略にしてやられてしまいました。国民が選択したのだから仕方がないにしても、明確にもっと他の選択肢が示せなかった民主党の責任は重いものがあります。

私は愚直にマニフェストを訴えました。2003年前回の総選挙の時、突然の応援に訪れた岡田幹事長(当時)が遊説で地方生まれの地方育ちを訴える私に対して、「もっとマニフェストを訴えなきゃダメじゃないですか」と叱責しました。私は「長野では、少々かかってた。これから行っていただく中野でそんなもの言ってもわからんですよ」と反論しました。しかし、今回はかなり定着し、たくさん受け取っていただきました。前は大量に余ったものが、今回は全てさばけました。

ただ、そんなに詳しく訴えている時間がなく、有権者は消化不良だったと思います。

「政権交代で日本を再生」が、私のキャッチフレーズでした。私はもっと過激に、途中の演説でも「政権奪取」としましたが、全国的な小泉劇場政治がはびこり、自民党の優勢が伝えれられる中で、むなしく響くだけとなってしまいました。そして全国的な大敗北です。

私自身は、前回6,200票だった票差が、19,000票となり、惜敗率も94.7%から86%と下がり、情けない結果となりました。投票率が62.41%から70.18%と8ポイントもアップし、その大半が自民党に、そして小坂さんに行ったのです。

まず、全体から行きます。

都市政党といわれていた民主党は、今回の総選挙でその名を返上しなくてはならないかもしれません。少なくとも小選挙区の当選者は東京で菅直人1人、千葉で野田佳彦1人、神奈川0となってしまいました。もちろん比例区では何人もいますが、千葉など前回は出馬したほとんどの人が当選したのと比べると雲泥の差です。小選挙区制の恐ろしさを初めて味わうことになりました。東京が小選挙立候補者を通り越し、比例区の名簿搭載者も足りなくなるという笑えない事態となったことは承知の通りです。大阪も小選挙区は平野博文、長安豊2人のみでした。神奈川の民主党議員は13人から2人に減ってしまいました。それに対して愛知は踏みとどまり、京都・滋賀は議席数を減らさず、違いが表れました。

それよりも何よりも明らかなことは、少なくとも同期生では、地方が踏みとどまり、都市部が櫛の歯が抜けたように落選してしまったことです。民主党はチューター(家庭教師)制度も設け、研鑽して比例復活組を小選挙区で当選させようとしました。その点で成功したのは仲野博子・津村啓介の2人だけでした。全くの新人を当選させるためには、34名の比例復活組が小選挙区で勝てば、政権交代ができると踏んでいたのですが、まさに画に書いた餅に終わりました。

都市部の浮気っぽい有権者に支持され続けるのは至難の技だと再認識しました。地方のしっかりした支持者を掴んだ同僚が、得票差が拡がり惜敗率は下げても辛うじて当選できたのです。都市部は郵政民営化しても何の痛みも感じないのに対し、地方は郵便事業の存続を心配したということも理由の一つにあるかもしれません。

客観的に言えば、都市部の議員は前回の民主党への風を受けて当選した幸せな人たちだったのです。それが今回はより大風が自民党に吹いてしまっただけの話です。

そうなると、今の83人の自民党新人議員は2003年初当選の民主党議員と同じなのです。落選した元同僚がきちんと支持者を増やし、次回の選挙に臨めば、すべて引っくり返る可能性もあるわけです。これが小選挙区制の恐ろしさです。小選挙区の得票差は57%対43%で議席数は81%と19%になってしまったのです。

今回の敗因をきちんと分析するとともに、次に引っくり返ることを目標に私も頑張るつもりですので、引き続きご支援下さい。

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