耐震構造データ偽造問題の根の深さ

日本に厳しい韓国人が,10年余前に「韓国は日本に相当追いついているが、2つ無理なものがある。」といって、その1つに韓国で起きた橋の崩落とデパートの底が抜けたりする建築に伴うごまかしを挙げた。もう1つは旅館・ホテルの従業員の接客態度と気配りである。

姉歯建築士、総研、平成設計、イーホームズ、ヒューザー、木村建設と続く一連のとんでもない詐欺的行為は日本人のモラルも相当低下したことを物語っている。

競争々々と呪文のように唱える小泉・竹中・ホリエモン路線の成れの果てに生じたのだ。コストダウンの大合唱、安ければ、早ければよい、何年もとうがしったこっちゃないとし、日本にはなかったいい加減な風潮が跋扈しはじめたのである。 やたら「官から民へ」という掛け声がこの流れを助長した。 官が絡めば、金品の授与の贈収賄になり、馴れ合いは談合になるが、民間同士ではキックバックだろうと何だろうと許される。チェック機関がチェックできなくなるのは目に見えていた。悪いことに中国の急成長で日本の鉄が不足し高騰していた。鉄筋を減らすごまかしは起こるべくして起こったといわざるを得ない。

武部自民党幹事長は正直である。一旦はまともに悪者探しをしたら大不況になろうといったが、いまは全棟検査を言いだした。BSEの全頭検査を断念したのは武部農水大臣だった。国民の不信を拭い去るには徹底した見直しと建築業界の猛省以外にない。

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