民主党の農政への取り組みと私の役割

<党大会における菅代表の農政重視発言>

1月13日の民主党党大会における菅代表の演説(民主党ホームページ参照)にあるように参院選に向けて、農業再生プランを作成することになりました。民主党が政権を奪取するには、都会政党からの脱皮が必要であり、農村の支持を受けることが不可欠だからです。

<菅代表の3回連続の農業・農村現場集会>

菅代表は、既に1月17日は秋田県大潟村(1月17日の私のホームページ参照)、1月25・26日は山口県阿東町(鳥インフルエンザの発生した所)、そして1月31日・2月1日の富山県の米作地帯と3回連続して農業・農村の現場に出かけて、農業関係者と意見交換しています。このことからも、いかに真剣に農政改革に取り組もうとしているか、おわかりいただけると思います。私は、このうち前2回に随行させていただき、菅代表の真摯な熱意を直接感じることができました。

<農林水産団体局の創設と私の局長就任>

民主党にはもともと団体交流委員会があり、政権交代に向けていろいろな団体との交流を図ってきました。しかし、農林水産団体との交流は組織的に行なわれてきませんでした。年末の両院総会で党組織の案が報告されましたが、新しい組織図に入っていませんでしたが、口頭で新しい局の設置の案が出てきました。
その直後に、私に局長就任の打診があり、一回生議員でありながら、お引き受けしました。電話があった時は、ちょうど旧知の菅原昭全漁連会長が来訪中でした。少々荒っぽいような気もしましたが、私が次長を5〜6人指名して陣容が整いました。

[ 参考 ]

(1) 団体交流委員会
委員長仙谷由人衆議院議員
労働局長池口修次参議院議員
経済団体局長小宮山洋子参議院議員
文化団体局長末松義規衆議院議員
中小企業局長三井わき雄衆議院議員
NPO局長若井康彦衆議院議員
農水団体局長篠原孝衆議院議員
(2) 農林水産団体局
筆頭次長鉢呂吉雄衆議院議員
次長(農業担当)平野達男参議院議員
次長(食品流通業担当)高井美穂衆議院議員
次長(外食産業担当)羽田雄一郎参議院議員
次長(生協等消費者グループ担当)藤田一枝衆議院議員
次長(林業・農業担当)若泉征三衆議院議員
次長(水産・農業担当)仲野博子衆議院議員
次長(水産・農業担当)金田誠一衆議院議員
次長(食品産業担当)城島正光衆議院議員

<農林水産部門会議の役割>

民主党はそれぞれの部門会議で物事を進めています。概ね週1回(農林水産部門は木曜日午前8時)に開かれます。そして、私は農林水産団体局長として、その役員会議のメンバーにもなりました。1月28日、農林水産部門会議の役員会で、部門会議としても4月中を目途に農業再生プランの作成に主体的に取り組んでいくこととし、その旨鹿野道彦NC大臣より菅代表に伝えることに決めました。

[ 参考 ]

部門会議役員のメンバー
鹿野 道彦ネクスト農林水産大臣
山田 正彦同総括副大臣
小平 忠正同副大臣(衆・農林水産委員会筆頭理事)
和田 洋子(参・農林水産委員会理事)
黄川田 徹(衆・農林水産委員会理事兼国対)
羽田 雄一郎参・国対委員長代理
高木 義明衆・農林水産委員会委員長
篠原 孝民主党農林水産団体局
              

<新人議員の農林水産行政への高い関心>

筒井信隆前NC農林水産大臣の11月末の農林水産部門会議に「民主党始まって以来」(筒井前大臣の言)の多くの議員が集まりました。 食の安全への危惧もあり、農政に関心を持つ新人議員が多数参加したからです。その数は前の夜、筒井前大臣・山田正彦議員・鮫島信行議員・仙谷由人議員の4人が私の当選祝いをしてくれました。その際、筒井前大臣は「皆選挙区へ行っているし、何人出席するのか」と心配していましたが、嘘のような出来事でした。

<農林水産行政勉強会>

私は、1回生議員の関心の強さをより肌で感じていましたので、新しいNCの内閣が決まるとすぐ動き出しました。幸い、何かと付き合いが多かった鹿野道彦元農林水産大臣がNC大臣となり、これまた水産庁企画課長以来何度も議員会館まで行き議論した山田正彦議員が総括副大臣となりました。そこですぐ、若手を対象とした勉強会の構想を相談しました。

([ 参考 ]:1980年玉沢徳一郎議員が3回生で農林部会長をしていた折、当時の自民党の1回生議員を対象に農林水産行政の勉強会が開催され、私が最初の講師を勤めました。その時に真正面に座ったのが中川昭一経済産業大臣でした。他に大島理森元農林水産大臣、金子原二郎長崎県知事等がいました。これがどれだけ役立ったか知りませんが、複雑な農林水産行政への目を開き、後々の政治活動にプラスになったことは、前記の人材の輩出振りからもうかがわれます。
その後、中川昭一農林水産農林水産物貿易調査会長時代、中川会長の肝いりで同じことが再開されました。御本人が1回生議員の頃を思い出して始められたことからしても、役立ったと感じておられることは間違いありません。後輩の育成に気を使われるまでになられた中川経済産業大臣の成長を感じる出来事です。余談ですが、私は再びトップバッターとして講師を頼まれましたが、都合がつかず2回目となりました。)

<週2回ぺースで開催>

もちろん、すぐ2人とも賛成してくれました。これと同時並行して、旧知の平野達男参議院議員が関係者に根回しをしてくれていました。

私が、局長を務める農林水産団体局ともからめ、関係団体との意見交換も随所に織り込むことにしました。例えば、食品の安全性についていろいろ話を聞いた後、主だった消費者団体の意見を聞いたり、米国牛肉がストップして困っている外食産業界の実情を聞いたりしようと思っています。

私は民主党の新人議員の方々に農林水産行政に入り込む糸口を提供しようと思っています。58人の新人議員の中から何年か後、政権政党となった民主党の農林水産行政を支える議員が育って欲しいという願いから始めるものです。

農林水産省に30年も勤めさせていただき、第2の人生を民主党の国会議員としてスタートさせていただいた私にできる最初の貢献だと思っています。

<盛況だった第1回勉強会>

第1回目の勉強会は2月5日でした。テーマを「わが国の食糧事情について」と題して農林水産省総合食料局の中村英男食料企画課長に説明をお願いしました。

当日は議員のみなさんだけで42名も出席し、メインテーブルに座れない人も出てきました。秘書やマスコミも詰め掛けて、120部あまりを用意した資料は全てなくなってしまうほどの盛況ぶりでした。

資料に基づく説明の後の質疑応答では、増子輝彦衆議院議員(福島2区、当選3回)が、農水省が食料・農業・農村基本計画において設定した食料自給率の目標値(平成22年度で45%)について「食糧安全保障の観点からあまりにも低い目標設定ではないか」と激しく詰め寄るなど、初回から白熱した勉強会となりました。

ただ、ベテラン議員も詰め掛け議論が政策論議になってしまい、一回生議員が初歩的な質問をしにくい雰囲気になってしまったことは反省しなければなりません。

[ 参考 ]:今後は毎週火・木の16:00〜17:00に開催されます。日程は以下の通りです。

  • 2月10日(火)16:00〜 「食の安全・安心の確保について」(総論)
  • 2月12日(木)16:00〜 「食の安全・安心の確保について」
    (BSE・鳥インフルエンザ)

<有識者との意見交換>

農業再生プランについては1月28日(水)のネクストキャビネット会合で菅代表は、 「これまでも農業政策について様々申し上げさせていただいたが、鹿野ネクスト農林水産大臣ともご相談させていただきながら、この分野でも民主党は自民党に負けないしっかりとした政策を持っていると言われるような党になれるようご努力いただき、逆に言えば私にもぜひご指導をいただければと思う。」と述べておられます。

私は先日も2人の同僚議員とともに、某シンクタンクの方と農政問題について意見交換を行い、本格的な農業再生プランの作成に向けてスタートを切りました。

どんなものができるか乞うご期待というところです。

戻 る