2004.12.01

政治

農林水産委員会から予算委員会、イラク特委への鞍替え

私は、2004年秋の国会から、予算委員会とイラク特委(国際テロリズムの防止及び我が国の協力支援活動並びにイラク人道復興支援活動等に関する特別委員会)に入ることになりました。1年間農林水産委員会に所属してまいりまして、4回ほど質問させてもらいましたが、どうもやりづらいのです。

一つには、こういう個人的感情を入れてはいけないのでしょうが、まだ同期が3人ほど局長で残っており、どうも問い詰めるような質問はしづらいからです。退職・立候補の折にも頑張れということで、いくばくかの餞別ないし、カンパをいただいておりますし、どうも気が引けてしまうのは人情であり、その旨を内々に告げておいたところ、農林水産委員会を外してもらうことになりました。

もちろん、私なりに対策を練りました。それは、局長クラスに答弁を求めず、政治家である大臣、副大臣、政務官とだけやりとりを行い、事務的なことはもっともよくわかる課長に答えさせるというものです。あまりよく知られていませんが、国会改革も進みました。かつては局長クラスの政府委員が頻繁に答弁していましたが、今は3人の政治家以外はすべて参考人で、質問者が指定できることになっています。私自身も農林水産政策研究所長のときにそのご指名を受け答弁に立ったことも数回あります。

私も早速国会改革の趣旨にのっとり、3人の政治家中心、そして事務的なことは課長にということでやりだそうとしました。ところが、委員部は当然認めてくれましたが、農水委の理事が、「そんなことをすると、国会を軽視して課長クラスしか来なくなるから絶対だめだ」ということで却下されてしまいました。それだけでなく、話を進めていた答弁者の担当課長自身が、「局長にすまないので是非局長に」といって引き下がってしまいました。役人界にも変な掟があって困ります。

国会答弁の作成責任者は担当課長です。そのとおりで、最もよく知っているのが課長で、課長から聞いて局長が勉強します。農林水産省の大臣答弁の場合は、それを朝一番で仰々しく大臣レクをして本番に臨みます。こんなことをしているのは農林水産省だけのはずです。

二つ目に、農水委は他の委員会と比べ、あまりにも事務局答弁が多すぎるからです。イラク特委や外務委は、国会改革のとおり事務局答弁はほとんど例外的です。農水委は与野党の対立も少ないので、大臣答弁を要求しても事務局が勝手に手を挙げて答えてしまうのです。対立的な委員会では厳しい野党議員は事務局答弁をほとんど許しません。つまり、政治家同士が真剣に議論しています。

こうして、私は農水委をしばらく離れることにしました。そして、格の高い予算委にいわば配転されました。

この経緯を知った後輩局長は、「篠原さん、どうせなら同期以上に厳しく、我々後輩には質問しないでくださいよ」と冗談を言ってきましたが、後輩だと少しは気兼ねをしなくてすむので、同期が答弁に立たなくなるであろう1~2年後には農水委に復帰させていただく予定です。

投稿者: しのはら孝

日時: 2004年12月 1日 20:37