2005.08.09

政治

小泉郵政オタク内閣の目くらまし解散

小泉首相の狂気が日本を狂わし始めました。参議院の否決による衆議院解散という前代未聞の解散です。衆議院は僅か5票差の可決でしたが、参議院は17票差の大差による否決となりました。

郵政民営化に反対する者が雪崩をうって増えてきました。当然のことです。

まず、参議院は一票の重みの格差が大きく、田舎や農村の声が反映されやすいのです。アメリカでは、下院は人口比などでニューヨーク州やカリフォルニア州が多く、都市部の意見が反映されやすいのに対し、上院はアラスカ州もニューヨーク州も2人なので、地方の声が反映されやすいのと同じです。衆議院でも、郵政民営化反対の人は、農村地域を地盤とする議員が大半を占めます。つまり選挙に強い自民党議員が堂々と反対しているケースが多いのです。綿貫民輔議員が典型です。

そこに小泉首相の参議院を小バカにした修正は否決とみなすという三権分立を踏みにじる横暴な態度です。提出された法案に賛成し成立させるか、問題点を修正するかは、立法府の専権です。それを、修正したら、否決は内閣不信任とみなす、とは理不尽も甚だしいことになります。この点を突く中曽根弘文議員の反対理由は誰しも肯けることです。今回の否決は良識の府としての参議院の本領を発揮できたことになります。それを解散などはもってのほかです。

もとを正せば、衆議院でも5票差になったのは、修正は絶対にしないと言っておいて自民党の修正をいけしゃあしゃあと受け入れ、また一方で何も中味は変わっていないと言ってのける首相の矛盾だらけの大嘘で塗り固められた発言に原因があります。一国のトップが平然と嘘をついてはならないのです。裏方の調整役と違います。

郵政解散などといっていますが、騙されてはいけません。「自爆解散」「やけっぱち解散」などとマスコミも言っていますが、私は、「目くらまし解散」こそ本質をついていると思います。

小泉政権もサプライズが働かなくなり、八方塞になってしまい、もう解散しかサプライズが残らなくなったからだと思います。六者協議は拉致問題がさっぱり進まず、安保理事国入りも頓挫してしまいました。靖国参拝で日中、日韓問題はぎすぎすしどおしです。国内でも景気はさっぱりよくならず、地方経済は青息吐息です。年金改革もほったらかしです。国会答弁は「逃げて」「隠して」「ごまかして」切り抜けてきましたが、解散でも「目くらまし」を考え出しました。そして反対者を抵抗勢力呼ばわりし、民主党も改革に反対して同じだと変な論法を展開しています。それにかどわかされて小泉首相の支持率が上がっているのは情けないかぎりです。その手に乗ってはなりません。郵政改革など、国民はそれほど関心はないのです。

「もっと大事なことがある」のです。それに手をつけず、自分の趣味にうつつを抜かす「小泉郵政オタク内閣」はもう退陣してもらうしかありません。

争点は、ずばり「政権交代」です。それ以外ありません。国民は郵政に関心がないので、解散を支持しています。

民主党の政権奪取の機会がやっと到来したのです。今、それに向けて気を引き締めているところです。

投稿者: しのはら孝

日時: 2005年8月 9日 13:55