2006.06.21

国会での活動

【メルマガ】第164回国会 事後報告その3:農業政策と07年参議院選挙

【完全に同列審議】
我々の農政改革基本法案は、農林水産委員会で政府の担い手経営新法と完全に同列に扱われ、30数時間議論されました。こんなことは前代未聞です。私の30年間の農林水産省の勤務中にはありませんでした。巨大与党の余裕かもしれませんが、自民党の国対なり農林水産委員会の理事の寛大な方針には感謝せざるをえません。
5月17日、我々の法案は否決されました。同じ日、厚生労働委員会では、同じように同列審議されていた医療制度改革法は強行採決されましたが、我が方は粛々と採決されました。採決時、自民党の鳩山郁夫議員が「民主党案のほうがいいぞ」と言いながら与党案に賛成して立ち上がっていたのが印象に残りました。

【25時間の答弁】
 私は、答弁者として25時間答弁に立ちました。外務委員会、環境委員会の質問と合わせ、週3回という週が3度もありました。自分が最初から最後までかかわった法案であり、正直、答弁に立つのが一番楽で、外務委の条約や環境委の様々な法律の質問のほうが準備に時間がかかり大変でした。

【直接支払という新政策】
 詳細は、衆議院のビデオライブラリーを見ていただくしかありませんが、簡単に内容を述べると以下のとおりです。
*これまで、農産物の価格を補填する役割だった補助金を、農家の所得を補償する制度(直接所得補償)へと転換するという点は、政府案と民主党案も盛り込んでいます。
*ただ、政府案は大規模農家(耕地面積が本州内は4ha以上、北海道で10ha以上)の農家にしか補償しないのに対し、民主党案はすべての販売農家を対象としています。
 農業は、水路の管理など農村が一体となって営まれてきましたので、一部の大規模農家だけを優遇することは、農村の崩壊につながると民主党は主張しました。
*民主党案は、補償の対象とする作物を食料自給率の向上に資する米・小麦・大豆・菜種などとし、例えば消費者の要望の強い国産小麦を増産して自給率を向上しようと計画していますが、政府案では小麦の生産量をほぼ現状維持と計画するなど、自給率向上に対する姿勢に欠けています。

【小沢代表と農政】
 一方、小沢代表は、「27から29に増える1人区が08年参院選の鍵を握り、そのうち20を勝つ。そして、その際、農政の違いをぶつけていく」方針です。そのため、農政についての発言が急に増え、「食料を100%自給、自由化してもガタガタする必要はない、直接支払いも1兆円でなく、もっと増やしてもよい」と威勢のよい発言が続きます。かつてのベトコン議員(死語となりましたが、米価値上げを要求した農村を地盤とする議員)の小沢代表は、昔の農政はしっかり頭に入っています。ところが、最近のものは少々ご無沙汰のようで、今いろいろと勉強していただいているところです。

【2→13→20】
 2002年は、小泉・真紀子フィーバーで、27の1人区のうち非自民は2、自民25の大敗でした。2005年は、菅さんが農業再生プランで戦う方針を立て、岡田代表に代わりましたが、その方針を踏襲し、1人区は13対14となり、全体では50対49で初めて自民党に勝ちました。
 従って、08年に自民党が15議席失うと、参議院の与野党が逆転し、法案が通らなくなってしまいます。つまり、政権交代につながるのです。
 民主党農政の一翼を担う一人として、気の抜けない日が続きます。

投稿者: しのはら孝

日時: 2006年6月21日 16:52