2007.09.28

政治

許し難い国会軽視―今国会こそ政策議論ができる!―07.09.28

9月14日記

<遅いお詫び>
安倍さんはやはり未熟だったのです。しかし、選挙の顔として自民党が選んだのです。『安倍総理へのお節介アドバイス』(篠原孝ブログ8月24日付)に書いた通り、自民党は選挙だけを考えた党首選びにかこつけていたのですが、やっとそのことに気付いた福田政権誕生で、少し風向きが変わりました。

今回の辞任劇で許し難いのは、国会軽視です。所信表明演説に対する代表質問の直前にドタキャンです。私は、党の役職としては、外務委員会担当の国対委員として、9月13日に第一回会合に出席していました。そこに、与謝野官房長官と大島自民党国対委員長が、前日の不始末のお詫びに来ました。TVニュースで御覧になった方もいると思います。
 総理(内閣)の勝手で、大事な論戦が中止となり、再び新総理の所信表明演説を聞いてから仕切り直しです。膨大なムダです。立法府の軽視も極まれりです。
昨年4月、前原代表の辞任、小沢代表の選出時は、開会中ずっと委員会が開かれていたのです。4月4日、農政改革基本法の初日の審議に菅さんが答弁に立ち、そこで代表選に出馬宣言するのではないかと思われて、テレビカメラが入ったほどです。それを与党の総裁選びには平然と国会が止まりました。

<何でも通った政府案は参議院では通らず>
私は、今臨時国会を秘かに期待していました。それは、衆参にねじれが生じたため、議会が法案をどうするか真剣に考えなくてはならなくなったからです。
 従来は、どう議論したところで数の力で政府案が通ることは目に見えておりました。それでも、政府与党が修正に応じたりすることはありましたが、大半は前国会の強行採決ではないですが、ほとんど無修正で通りました。ところが、今回は違うのです。政府提出法案は、いくら問題があっても衆議院は従来通りさっさと通りますが、参議院ではそうはいきません。野党の言うことも聞き入れて修正しなかったら、与党は参議院での数の力で負けてしまい法案が成立しないのです。

<野党案も衆議院で白熱した論議>
逆に野党提出法案は、従来は審議もされずにそのままほっとかれるか、仮に審議されてもすぐ否決されていました。ところが、今回、参議院は民主党が第一党になり、やはり民主の案は数で通ります。ただ、衆議院では、与党(自民・公明)の理解を得なければ成立しません。
 つまり、従来はほとんどが内閣提出の政府案は通る見込みでさっさと審議され、最後は多数決で可決しました。野党提出案は、所詮通る見込みでない法案とみなされ、格好いい文言が並んでいたものが多かったのです。白熱した議論はしたようにみえても、結果は見えていました。

<国会論戦がやっと本格化>
しかし、今後はそういう訳にはいかなくなったのです。与野党双方が真剣に審議をして、責任をもってまとめていかなければならなくなりました。こうして質が高まります。ほとんど質問などしなかった与党議員も、質問をせざるをえなくなります。
 私は、前国会の3月20日に松岡農林水産大臣に辞任を迫って以来、大臣として認めず、ろくに議論ができませんでした。他の委員も政治とカネにばかり時間を割き、政策論議が出来なくなったのです。時間の浪費、国費の無駄以外の何物でもありません。政治とカネは予算委員なり倫理審査会なりでまとめてやり、各委員会は政策論議をする場でなければなりません。

<TVタックルはいらなくなる>
この論戦、決定に参画できない議員は国会を去ってもらわなければなりません。国会中継が俄然面白くなります。インターネットの衆議院(参議院)ビデオライブラリーを見れば、TVタックルなどを見なくてもよくなります。 
そして、今回、本格的に政策決定する議論ができると思って期待していたのに、自民党の総裁選で3週間近く空転です。9月25日に首班指名選挙がおこなわれましたが、所信表明は遅れ、本格審議は10月に入ってからになります。自民党にこのムダの責任をとってもらいたいぐらいです。
私の出番は、先の先になりそうです。

投稿者: しのはら孝

日時: 2007年9月28日 14:32