2014.12.06

エネルギー

14年末総選挙シリーズ6(原発) 北信地方がもっとも原発再稼働に反対すべき -再生エネルギーを地方創生の柱に- 14.12.06

<生涯最大の揺れを経験>
 11月22日、私は侘しい単身者用マンションの12階にある風呂に一人でゆっくり入っていた。ものすごい揺れであった。疲れ気味なので、風呂でのぼせたのではないかと思っていたら、風呂からお湯が飛び出すほどの大きな揺れだった。高校時代に松代群発地震も経験したが、私が生涯で経験した中では最大の揺れだ。近くだろうなということがすぐに頭をよぎり、柏崎刈羽原発の近くでなければよいと願った。
 テレビをつけると、長野県北部白馬村の近くが震源で、柏崎刈羽原発はなにも異常がないとニュースが伝えていた。誰もが同じように柏崎刈羽原発のことを心配していたのに応じたのだろう。

<ずっと気になっていた原発>
 私は『原発廃止で世代責任を果たす』という本を2012年に出している。同僚議員をはじめ皆さんに読んでもらいたくて書いた。菅元首相は、東京工業大学で物理学を勉強して原発について一番詳しい国会議員だと言っていたが、原発事故の恐ろしさについては私の方がずっと承知していると思う。私は、30年以上前から有機農業にひかれ、エコロジカル社会を目指す人たちの集うエントロピー学会の一員として、反原発の学者とも何度も会合を持ってきた。また、偶然だがチェルノブイリに2回も行っている。

<危うい長野新潟県境地方>
 柏崎刈羽原発は世界最大で7基もある。さらに石油がちょっと出るようなところは軟弱な地層、そして恐ろしいことに、長野新潟県境地方は地震が最も頻発する地帯なのである。1912年ヴェーゲナーがパズルのように南米の突っ張りとアフリカのへこみが合うことから大陸移動説を唱えた。その後、ウィルソンにより1968年に確立されたプレートテクトニクスによると、地下のプレートがひしめきあって大陸を移動させており、2011年の東日本大震災も太平洋プレートが地下に潜りこむときの歪みがたまって大地震になった。一方、この長野のアルプスの山々は、太平洋プレート、ユーラシアプレート、フィリピン海プレート、北米プレートの4つのプレートがひしめきあい押しくらまんじゅうして押し上げてできている。日本の山脈はプレートが造ったものであり、そして、この4つがちょうど重なり合っているのが、この長野県北部、新潟県南部なのである。かつての松代群発地震もそのひずみが起こしていただろうと思う。

<原発再稼働こそ信を問う課題>
 安倍首相は、最初はこの解散で消費増税先送りを問うと言ったが、次にアベノミクスを問うと変え、今は安倍政治だと並べ立てている。消費増税について信を問うと言っているが、私は初めて導入するのならともかく、2ないし3%上げるのにいちいち解散していたら、国会議員の任期が安定せず、政治が劣化する。
 もし解散するとしたら、この原発再稼働こそ国民に信を問うべきものである。それを安倍内閣は毎日100億円の火力発電燃料を輸入せざるを得ないから再稼働も仕方ないというのだ。挙句の果てに原発輸出である。世界の反原発団体や環境団体には信じがたい身勝手な振る舞いなのだ。自民党は、12年衆院選では「原子力に依存しなくてもよい経済・社会構造の確立」といっていたものを、原子力は「重要なベースロード電源」と位置付け、原発回帰を明確にした。ここにも変節がみられる。共産・生活・社民・改革等は認めないとしているが、わが民主党は「責任ある原発事故の避難計画がなければ認めない」というなまくらな表現である。

<最終処分なくして再稼働なし>
 私は再稼働などさせるべきではないと思っている。核のごみの最終処分場の解決なくして再稼働などありえないからである。これは、わが党の公約の中にも入っている。
 私は、高レベル放射性廃棄物の最終処分問題を検討する超党派の議員連盟の事務局長をしており、今夏ドイツ、スイス、アメリカの3カ国の最終処分視察に行っている(この件については、当選させていただいたら、またシリーズで報告したいと思っている)。原発はせいぜい40年、廃炉を含めても100年のことで済むかもしれないが、最終処分場はオンカロではないが10万年後も動かしてはならないのだ。こっちはもっと難しい。小泉元首相はここに気付いて、原発廃止を主張し出した。

<地震大国日本に原発適地なし>
 川内原発が再稼働の一番手になっている。ところが、その矢先、阿蘇山の噴煙が上がり始めた。日本は火山の危険性のある地域だらけである。避難計画も具体性に欠けている。どこにも再稼働していい理屈はない。
 長野一区の近辺でいえば、2004年の中越地震、2007年の中越沖地震、2011年の長野県北部地震、2014年の神城断層地震と、ほぼ3~4年おきに震度6を超える大地震が起きている。藤井敏嗣東大名誉教授によれば、現在の日本は火山・地震活動がは活発化の時期に入ったという。確かに御嶽山の噴火から阿蘇山や蔵王でも微動が続いている。日本には原発適地はなく、絶対に再稼働すべきではない。アメリカには100基余の原発があるが、環太平洋地震帯の西海岸には2基だけで、あとは地震も火山もない東部にしか設置されていない。
 日本には多くの再生エネルギーの可能性があり、特に長野県では急流があればどこでも小水力発電が可能なのだ。2030年代原発ゼロでも遅すぎる。そして再生可能エネルギーを2030年に20%以上の目標は低すぎる。なぜなら、ドイツは2022年でゼロを決め、今既に再生可能エネルギー比率が20%を超えているのだ。民間の設備投資が進まない中、国を挙げて再生可能エネルギーに取り組み、21世紀の日本型ニューディールを地方再生の一つの柱とするべきだ。


《 明日のミニ集会予定(12月7日(日)) 》

10:00 浅川公民館 (長野市浅川東条328-1)
13:00 うわの公民館 (長野市上野1-689)
14:00 鍋屋公民館 (長野市吉田5-29-12)
15:00 南高田公民館 (長野市高田1905)
16:00 北尾張部公会堂 (長野市北尾張部334)
17:00 五分一公民館 (長野市高田593)
18:00 大豆島公民館 (長野市大豆島1054-1)
19:00 日詰公民館 (長野市日詰1658-7東)

ミニ集会 全日程はこちら

投稿者: しのはら孝

日時: 2014年12月 6日 13:19