2022.09.15

政治

【旧統一教会シリーズ4】国葬儀への出欠は、党が先に決め、後は個人に任すのが筋-党の姿勢を示し、支持率回復につなげる- 22.09.15

 私は、9月13日(火)両院議員総会(記者にも公開)において久しぶりに発言した。立憲民主党になってからこうした場での発言は確か初めてだと思う。(このブログは、9月13日に書き始めたが、15日にやっと執行部が欠席を決めた。そのため少々ズレている個所もあると思うが、お許しいただきたい。)

<先に党が姿勢を明確に示し、後は個人の意思に任すのが普通ではないか>
 国民を分断している国葬問題について、9月9日(金)岡田幹事長名で「なお、執行役員を除く国会議員の皆様の参列につきましては、皆様個々のご判断を尊重いたしたいと存じます。執行部より何らかの要請を行う予定はありません」というなまくらな紙が送られてきた。私はびっくり仰天した。
 これだけ国民的議論になっている件について、党として態度を明らかにしないというのだ。何という本末転倒か。コアの支持者にも保守リベラルにも両方に気を遣い過ぎて結論が出せないでいた。

 私は7月10日(日)参院選の投開票日に朝早く起き、長野-東京-京都-奈良と乗り継ぎ、安倍元首相が凶弾に倒れた現場、大和西大寺の交差点に献花に赴いた(【安倍首相国会論戦追悼シリーズ➃】 政策の違いを超えて安倍首相の死を悼む -Abeの名は世界にも響き渡った- 22.08.07参照)。それからすれば、弔意は人並み以上に示している。だから、従来通りの普通の内閣・自民党合同葬なら葬儀の招待状が来れば、私は私の考えで葬送すべく必ず出席しただろう。

<突然の国葬決定が間違いの発端>
 ところが、もう既にあちこちで指摘されている通り、岸田内閣は国会の審議もなく、まして野党への根回しもなく、7月14日突然国葬と公表し、7月22日閣議決定後、強引に進めてきた。他の対策はいつも後手に回っているというのに、国葬の件は明確な法的根拠もないというのに、早々に決めてしまった。
 当初は毎日の世論調査では、安倍元首相の功績を評価するが7割に上り、NHKの世論調査でも国葬には46%が賛成し、38%が反対しただけで、国民の間では国葬にそれほど拒否反応はなかった。ところが、山上徹也容疑者が、旧統一教会と安倍元首相の関係を供述したことから一転し、急激に国民の反発が増していった。遅ればせの9月8日の国会の説明も功を奏さず、ますます反対が増えている。

<旧統一教会と安倍元首相の関係に反発する国民>
 そして、直近の世論調査ではNHK(9月12日)反対57%対賛成32%と25ポイントも反対が上回った。他に、朝日(9月10・11日)読売(9月5日)とも56対38、毎日(8月20・21日)53対30といずれも反対が大きく上回っている。そして地元の信濃毎日新聞(9月11日)は68対16と52ポイントも反対が上回るなど、どこも反対が大きく上回っている。 (別紙「各報道機関世論調査世論調査」参照).
 特に、信毎の結果はさすがリベラルな長野県民の意識を反映している。政党の支持別では、立憲民主党支持層は89%が反対し、賛成は2%にとどまっている。44%を占める無党派層も反対76%、維新支持層すら55%反対であり、かろうじて自民支持層が41%賛成で反対の33%を上回った。先の9月8日の岸田首相の説明には、自民も35%が納得できないと答え、納得できるの30%を上回った。つまり大半の長野県人が国葬に反対しているのである。
 ここまでくると、私がいくら安倍首相を淡々と送ろうと思っても、国民や長野県民の声に背くわけにはいかなくなってくる。我々国会議員は、有権者なり国民に寄り添わなければならないからである。

<突然出て来た9月15日決定という妥協案>
 共産、れいわ、社民は欠席を決め、維新、国民民主は出席を決めているが、我が党だけがどっちつかずの態度だった。私はこのあいまいな態度こそ支持率がさっぱり伸びない原因だと思っている。
 9月13日の泉代表の冒頭あいさつでも、議運の時と同様に国葬に理由がないことを述べた。それに飽き足らず、その日に内閣に9月15日期限の質問書を渡し、その結果をみて最終決定をするというのだ。両院総会で初めて聞いた話である。松野博一官房長官に対する質問書は、先の議運の質問の繰り返しであり、今新たに問いただす内容にはなっていない。どうせ同じような内容のない回答しか得られないだろう。(その通りとなり、やっと欠席を決定した)

<党の決定に原則従うのが筋>
 党としての結論を出してから、議員に党としての態度を示し、それに従ってほしいと要請する一方で判断を議員に委ねるのが筋である。国会の議決と違い、党議拘束などは不要である。ところが、相変わらず要請はせず、個々の議員の判断に任すという、訳のわからない話になっている。だから私は執行部に対して自信を持って決めたらいいと後押ししたつもりである。

<支持率が上がらない一番の原因>
 我が党はずっと10%に満たない支持率で低迷している。一番の理由はどこを向いているかわからないからである。あちこちに気を使い、八方美人を通り越して十六方美人、三十二方美人政党に成り下がっている。国葬を巡る対応が典型である。批判を恐れず国民に明確な姿勢を示さなければならない。国民の大半が反対している国葬にすら態度が煮え切らないことに、まず立憲民主党支持者は頼りないと呆れ返り、一般国民は大事なことを決められないと見下しているに違いない。
 政治は伸るか反るかの勝負である。降ってわいた旧統一教会問題で、政府・自民党はガタガタであり、支持率も内閣発足以降最低となり、毎日は8月時点で支持が16ポイント下がり36%となり、不支持が54%と逆転した。そして9月に入り朝日は支持41%、不支持47%と初めて不支持が支持を上回った。NHKは両方とも40%と拮抗している。

<支持率浮上の好機を逃すのが残念>
 岡田幹事長は、どっちつかずの対応は、葬儀は政争の具にしないためと弁明をした。私も葬儀問題をことさらあげつらうことはないと思う。そんなことをしたら、安倍元首相に失礼になる。しかし、野党第一党としての姿勢は、国民に明確に示すべきである。
 統一教会問題について我が党が逸早く責任を持って対応し、政府・自民党を追い込み、岸田内閣の支持率も急落している。今がまさに勝負時なのにモタモタしている。我が党はどうも球際に弱く歯痒いばかりである。

<今はご遺族の意向で流れを変えるしか途はないのではないか>
 火の車の我が国の国葬を尻目に、エリザベス女王の「本物の国葬」は9月19日に向けて着々と進んでいる。不運にも参加者の顔ぶれも比較されてしまう。岸田首相も、安倍派への気兼ねもせずに内閣・自民党葬にしておけばこんな波風は立たなかっただろう。与党はミスを重ね、自ら窮地に追い込み、我が党は好機を活かせないでいる。
 私の願いは、安倍昭恵夫人が国を二分する国葬はやめて、内閣・自民合同葬にしてほしいと申し出て、それに応じて内閣・自民党合同葬にずるという一発逆転である。安倍元首相は現実主義者であり、葬儀の形式などにこだわらず、静かな心からの葬送を願っておられるに違いない。

投稿者: 管理者

日時: 2022年9月15日 13:39