2024.09.15

篠原は江田・吉田両方が出馬できるように奔走 - 吉田晴美の出馬でやっと新鮮味が出る代表選に漕ぎ着ける - 24.09.15

 私は代表選が嫌いである。私自身の選挙を含め本来争うのは嫌いなのだ。だから2003年から2011年までに代表選は何度かあったが、1度も推薦人になったことはなかった

<国民が新鮮味を感じない代表経験者ばかりの顔ぶれ>
 私は当初は今回の代表選を傍観していた。ところが立候補者の顔ぶれは、民主党政権を潰し、最も出る資格がないと自らも自覚し、周りの多くもそう思っている野田佳彦元首相、前回の衆議院選挙に負けて辞任した枝野幸男前代表、自民党の裏金問題という好条件が揃っているのにさっぱり支持率を上げられない泉健太現代表の3人になりそうな気配が漂った。この3人の候補だけでは有権者はそれほど関心を示さず、自民党の総裁選の陰に埋没し我が党の危機に直結してしまうおそれがあった。

<自民は3人の女性が名乗りを上げ、我が党は1人>
 翻って自民党。岸田総理は自らは身を引き、「皆さんどうぞ立候補してください」という形にしたので、12人(うち女性3人)が名乗りを上げ、最終的には2人の女性(高市早苗、上川陽子)が立候補している。泉代表こそ自ら退き、我こそはと思う人に代表選に出てくださいと宣言していたら、我が党の代表選ももっと賑やかになっていただろう。安倍晋三元首相が2007年の参議院選で大敗して潔く身を退いたことから5年後に復活、7年に及ぶ長期政権をもたらしたことを忘れているようだ。
 一方、立憲民主党には女性候補が誰もいなかった。そうした中で吉田晴美が手を上げてくれた。更にベテラン実力者江田憲司も出馬宣言をしてくれた。ただ、推薦人は集まっていなかった。
 私は、あまり代表選を経験したことのない人が多い両陣営から頼まれて世話を焼くことになった。

<3年前の西村立候補と何もかも同じ>
 私は3年前にも、西村智奈美に推薦人集めを頼まれて長野から上京し、私の部屋から数時間電話をかけまくり、「ずっとジェンダー平等とか男女共同参画社会を標榜してきた立憲民主党が女性候補を立てられないようではいけない」と、必死になって多くの人を説得をした。やっとのことで推薦人20人にまで漕ぎ着け、代表選挙に立候補できるようにした。その様を見ていた若手議員は私について、頼んでいるようにようには見えない、まるで恫喝しているようだ、と変な感想を述べた。直前の自民党総裁選は、候補者4人のうち2人(高市早苗、野田聖子)が女性だった。
 しかし、私からの必死のお願い(恫喝・脅迫?)にもかかわらず、多くは勝ち馬に乗って後々は役職に就きたいという魂胆を抱いているようであり、推薦人集めは容易ではなかった。
 今回も何もかもが全く同じである。いや吉田が単独で立候補できなかった結果が示すとおり、同僚議員の考え方は、むしろ劣化したのかもしれない。

<野田の代表選に出馬への疑問>
 私は野田と菅直人について、2012年に我々が野に下った時に「2人とも政治家をやる資格はない」と、ドギツいブログを書いたが、それを見た山口二郎(北大教授 当時)が「いくらなんでも書きすぎだ」と電話で注意してきた。特に野田は、党首討論の時に、せっかく手にした政権を安倍自民党総裁に言わば返上しているのである。当時を知る人達の大半は釈然としないだろう。
 ところが、野田には2012年の春に消費増税に反対して当時の民主党を離党した一清会(小沢グループ)が、どうしたわけか支援に回った。また枝野には、今までどおりサンクチュアリ(労組系)の支持があり推薦人が集まり、一早く出馬宣言に漕ぎ着けた。

<今の低迷の責任を負うべき泉代表>
 泉代表は、2022年の参議院選挙で党が大敗した責任をとらず、蓮舫に辞任を迫られていた。蓮舫は2016年の自らが代表の時に、東京都議選で都民ファースト相手に大敗した責任を取って辞任している。だから彼女は泉代表に辞任を迫る資格があった。枝野もそうだが、選挙に負けての責任はトップが負うのが政界の常識である。
泉は現職の代表にもかかわらず推薦人集めに悪戦苦闘をしていた。辞任もせず、かといって実績も上げられなかったので仕方ないことかもしれない。しかし、最終局面で参議院側からどっと推薦人が集まり、何とか立候補できるようにはなったのは、不幸中の幸いである。
 このように党員・サポーターからすると、どうも心の底からは応援しにくい3人による選挙になってしまいそうな状況だったのである。

<江田・吉田を含めた5人の争いが理想だった>
 これでは小泉進次郎以下の自民党の総裁選に目が行くばかりで、我が党の代表選は完全に埋没してしまう。新顔2人を入れて5人でやってもらうのが理想である。だから私は江田・吉田の2人の推薦人の紙を用意して事に当たった。
 吉田は、1期生グループと3年前の西村推薦人が基盤となる。ところが、グループの縛りがあったのだろう、17人ほどいる1期生の中から4~5人しか集まらなかった。あのダメな自民党ですら、派閥の縛りを解いて、かなり自由に推薦人になっているというのに、我が党のグループは自民党以上(いや以下?)のようである。ところが、不思議なことに、マスコミはこの矛盾をつかない。

<西村代表代行の去就>
 西村は泉執行部の代表代行である。代表が出馬するという状況下で代行も出馬するなど成熟した政党ではありえないことだ。
 2022年参院選完敗の時に、泉代表同等かそれ以上に重大な責任を負っていたのは西村幹事長である。ただ、女性議員を多く誕生させたのは、彼女の実績でもある。その後の人事で代表代行に横滑りしている。あの時に野に下っていたら、西村こそ女性候補として最も相応しかったであろう。しかし、執行部に居座ったことから出馬を「ためらう」(記者会見)前に、出馬などする立場になかった。

<最終局面で江田・吉田の一本化>
 江田も、みんな、維新、結(ゆい)と渡り歩いて民進党への合流は2016年であり、立派な見識とは裏腹に、やはり推薦人集めは思うように進まなかった。私は2人とも立候補できるようにとメールを送り、電話をかけまくり最後の最後まで悪戦苦闘した。しかし、残念ながら両陣営とも20人には達しないことが判明した。
 そして、あまりないことだが最後の局面で両方が妥協して一本化することになり、男気のある江田が降りて、自らと元秘書の落合と2人が吉田の推薦人になった。

<江田の英断に敬意>
 正直に言って江田のほうが経験や見識からいって代表に向いている。橋本龍太郎総理秘書官を務めたにもかかわらず反自民で貫き通しており、骨のある政治家である。政策の企画立案力や政局に当たっての処理能力は3人の代表経験者を上回るだろう。しかし、それだけでは政治は動かない。女性の吉田への一本化は、我が党の代表選をより盛り上げるには不可決だった。
 江田の度量の深さに最大限の敬意を表し、感謝したい。これでやっと女性候補者の命脈が保たれたのだ。

<吉田に代表選に喝を入れてほしい>
 討論会を見た。私の支持者から、1期生にしてはハキハキと物を言うし、大したものだ、という声が寄せられている。都会で駅前街宣を重ねた結果であろうか。
一部の報道で推薦人の貸し借り(?)を批判する向きもあるが、代表選の盛り上がりを考えるようになっただけ、我が党も成熟したといってよいのではないか。ただ、それを公然と選挙中に明らかにする必要はない、という指摘はもっともなことである。
 これから新人の吉田晴美がもっと知られることになり、なるべく多くの得票をして我が党の代表選も盛り上がることを期待している。
当然のことだが、誰が代表に選ばれようと、私はその代表を盛り立てて一丸となって政権奪取に向けて走り抜くつもりである。

投稿者: しのはら孝

日時: 2024年9月15日 16:06