【菜の花シリーズ①】私の菜の花(ナタネ)へのこだわり26.07.20
<石破会長の発案で始まった高野辰之の生地での現地菜の花議連総会>
唯一花の名前のついた議連「菜の花議連」は数年前から石破会長、篠原孝で運営してきた。菊が一番生産量が多く、次いでカーネーションだが、花産業議連はあっても1つの花の名のついた議連はない。実は25年春に石破会長の提案の「次回は菜の花の最盛期に現地で」に私が悪乗りし、「菜の花畠に入り日薄れ」の作詞家・高野辰之の地元(中野市)で開くことにしていた。ところが、石破会長が総理になってしまい延期。25年10月に政権の座を去ったので、26年5月4日飯山市の菜の花祭りの開催に合わせて開催することに決めていた。そこに更に「ところが」、つまり高市早苗首相の1年2か月での突然の解散。私は議席を失ってしまった。通常ならもう放っておいてもよいのだが、議員としての最後の締めくくりとして開催することにした。
20年にわたり「菜の花サミット」を全国各地で開催してきた藤井綾子さんはいつもの通り特別ゲスト。そこに私がこの時を念頭において、初めてだが、高野辰之を主人公にした名作「唱歌誕生―ふるさとを創った男」の作者、猪瀬直樹参議院議員には当選した直後からメンバーになってもらい、今回会合に参加してもらうことにしていた。連休中のことであり、遠くからの参加は見込めないことはわかっていたが、そこに思いがけないもう1つの邪魔が入った。安倍首相が凶弾に倒れたことから、政府の首脳陣の警護がやたら厳重になり、大会場で誰でも参加してもらうというわけにはいかなくなった。
しかし、何とか高野辰之記念館での開催はやり遂げたが、途中で、先に報告した通り、石破・猪瀬両議員に現下の国際情勢にからみ講演して頂き、聴衆も含めて対談するというユニークな会合を別途メトロポリタン長野で持つことにした。
しかし、本家はやはり菜の花議連なのだ。一度ブログに菜の花のことを書いたことがあるが、再び私がなぜこだわるか説明しておく。
<油の自給率の向上>
まずは自給率を高めるためである。油の今の自給率はわずか3%、穀物自給率が米を完全に守っていることから60%を超えているのと比べると危うい限りである。中東情勢で燃料の油(石油)の価格が上がり、すでに10兆円近く価格補填している。しかし、食べる油が止まったラ日本人の命、体が危うくなる。それがほったらかしだからだ。
1960年頃は菜の花畑は32万ha、生産量27万tだった。それが今は1,830ha、3,580t(2020年)と100分の1近くに減ってしまっている。
世界は1960年には400万tにすぎなかったのが、いまは約20倍の7500万tである。作りやすく、なおかつ温暖地では5~6月ぐらいに収穫し、その後他の作物も作れるからだ。つまり二毛作ができ、虫が出てくる前に収穫するので、農薬もほとんどいらずやせ地でも作れるからだ。有機農作物への関心のたかまりとともに世界ではナタネ油への回帰が進んでいる。
それなのに我が日本国は1961年の油の原料である大豆の自由化で一挙に減少し、まさに忽然と消えたと言ってもよい。こんな愚かな農政になり、貿易の自由化をしている国は他にない。
<EUは一度捨てた油糧種子(ナタネ、大豆、ひまわり)を自国生産に戻す>
かつてEUは小麦は自給しても油糧種子は輸入で賄えばよいと関税をゼロにして自由化した。ところが1980年代稲塚権次郎の手掛けた農林10号(ノーリンテンと外国では呼ばれる)がボーローグ博士の尽力により北米大陸で広まり収穫量が一挙に増え、緑の革命と賞賛された。そしてボーローグ博士はノーベル平和賞の栄誉に浴している。それが回り回ってヨーロッパ大陸にまで達し、単収が250kgそこそこから500kgに倍増した。
その結果、EUは再び油糧種子の関税を上げ、域内で生産しようとした。関税を下げることが善とされたGATTの下、ウルグアイラウンド交渉の最中だった。EUにトランプ大統領ほどの強引さはないし、カネもない。ずっとパネルで係争を続けていたが、EUはナタネ、大豆、ヒマワリの域内生産を復活した。だから欧州へ旅をしたときに、飛行機から見下ろすと春は菜の花、夏はヒマワリで真黄色である。
<EUやトランプ大統領にならいナタネ油を復活すべし>
これを日本にあてはめると、余って減反しなくなるようになった米に代わり、小麦とそして菜の花の関税を上げ、日本の生産を復活することだが、全くそんな気力もない。情けない限りである。
だから私は意地になって菜の花議連の活動を引っ張ってきた。他に有機農業推進議連と石橋湛山研究会の2つの議連も私が中心になって運営してきている。
高野の6本の文部省唱歌の作曲は全て鳥取市出身の岡野貞一である。ここに石坂、篠原コンビが生まれる所以がある。
今、農業は後継者は育たず、就農者は高齢化、菜の花など見向きもされない。金にならないからだ。国がテコ入れする以外にない。半導体が産業のコメといわれ1980年代後半から2度にわたって行われた日米半導体交渉で日本は競りに譲ってしまい気が付いたら日本で作れなくなっていた。そこで10兆円もかけ熊本に台湾のTSMCに来てもらい、千歳空港の近くにラピダスを自前の半導体工場を復活せんとしている。そして10兆円をかけようとしている。アメリカもEUも同じようなことをもくろんでいるが、両国とも食べる油はとっくに自国で確保している。それを日本は何もせずにほったらかしなのだ。私はこの能天気ぶりに恐怖を感じている。10兆円の10分の1いや、100分の1の1,000億かけてテコ入れすればすぐに復活するというのに何もしない。
トランプ関税は過度な自由貿易により国内産業が医療産業と航空機産業以外壊滅したため、高関税でまず輸入を止め、造船にみられるとおり、日本や韓国の技術ばかりでなく金も活用(投資)して、復活せんとしているのだ。同じことをすればナタネはすぐに復活できるのだ。