2024.06.26

政治

歓迎すべき神宮外苑再開発の争点化 ー元外国籍の女性を首都の知事にする度量を世界に示す―24.06.25

<2016年、代表選出馬には徹底的に反対>
 蓮舫は民進党の看板政治家の1人として、私は拍手を送っていた。ところが、8年前の2016年、代表選出馬時に取り沙汰された二重国籍問題での釈明があまりにも理解しがたい内容であったことから、彼女には代表戦出馬資格なしと反対した。かつて台湾籍であり一時的に二重国籍になったとて別にどうということはない。その時はそうだったとしても、今はれっきとした日本国籍を取得した日本人であると言えば済むものを、「17歳の時に日本国籍になった」と言い張っていた。だから私は代表選の行われる当日の常任幹会においても噛み付いていた。

<8年前に都知事選出馬を促す>
 その時に私は、彼女に提案書を突きつけた。まずは都知事選に出て、知事を2期8年務めてから国政に戻り、それから代表になればいいのではないかと書いていた。8年前なら確実に蓮舫が小池百合子に勝っていたと思う。なぜなら、蓮舫は参議院東京地方区で2010年には171万票、2016年には112万票を獲得していたからだ。(しのはら孝ブログ『二重国籍であることが判明した今は、潔く代表選は辞退すべし』 16.09.14)
 民主党の悪い癖で、代表にはマスコミ受けする者を選び、それで選挙をしようという思惑から、いつも人気者が選ばれる。この時は、私は故あって前原誠司の推薦人になっていた。まさにそのクセ通りで、蓮舫が代表になった。

<女性初の代表を叱咤激励>
 別に蓮舫の責任でもないのだが、東京都議選において日の出の勢いの都民ファーストに負け、15議席から5議席と大敗北した。彼女は党内でブロック別の懇談会を開くと言って、いろいろな意見を聞く姿勢を示した。私は大事な局面を迎えているのでペーパーを準備してそれをもとに蓮舫代表を叱咤激励した。
① 公約通り衆議院に鞍替えし、前の衆議院選挙で最も民進党の得票率が低かった東京23区の選挙区から出馬し不退転の決意を示す
② せっかく女性代表になったのだから、女性を多く擁立して選挙を戦い政権交代に結び付ける
③ 菅直人と野田佳彦の2人の首相はもう役割を終えており、この党を潰した張本人なのだから公認しない。

<都議選の敗北の責任をとり1年で辞任>
 その時のひな壇をみて、偏った人事に改めて気付いた。蓮舫代表、野田幹事長、そして右左に古本伸一郎、近藤洋介と全員花斉会(野田グループ)なのだ。こういう人事をして党運営がうまくいくわけがない。我が党にはいつもこういう悪い因習がある。
 その場に蓮舫と親しい杉尾秀哉もいた。会合が終わってから杉尾は「篠原さんは代表選の時に蓮舫を攻撃していた。今日他の人たちは皆蓮舫のやり方を批判していたのに、篠原さんは蓮舫に提言をするだけで辞めろと一言も言わなかった」と私につぶやいた。組織人として代表を支えるのは当然のことで、私は『何とか降ろし』はしたことがない。
 ところがその2日後、彼女は代表を辞任してしまった。産経新聞がそれほど大きくはないけれども、蓮舫は衆議院鞍替えを迫られ辞意を決意、と書いていた。それを見て、「篠原さんがドキツイ事をいうから、蓮舫は怖気づいてやめたのではないか」と私を責める者もいた。


<くるくる変わる若すぎる代表>
 その後前原が代表に選ばれている。ところが代表に就任するやいなや、小池都知事の希望の党との統合という博打に出て、民進党を3つの党に分裂させてしまった。若き党首がすぐのぼせ上がり変な事をし出す悪い伝統(?)がある。
それからいろいろな経緯を経て2020年秋にやっと一つの立憲民主党になったが、2021年の総選挙におい14議席減らし、枝野幸男代表は引責辞任し、泉健太代表が生まれていた。そして2022年の参議院選挙でまた6議席減とボロ負けし、両院議員懇談会が開かれた。

<泉代表への辞任要求は筋が通っていた>
 そこで蓮舫は例の調子で舌鋒鋭く泉代表は責任を取って辞めるべきだと主張したが、泉は聞き入れなかった。東京都議選の敗北で潔く身を引いた自分と比べたら泉代表はなんと見苦しいことかと腹が立ったのであろう。このときの蓮舫は、筋は通っていた。政界では与野党問わず、選挙の敗北の責任は党首がとるのが常識だ。2007年の安倍晋三も含め、皆引責辞任している。

<神宮外苑再開発問題の争点化>
 そして今度の都知事選出馬である。私はこれを大歓迎している。そして争点になっているのは、私が力を注いできている神宮外苑の再開発問題である。蓮舫は「立ち止まるべき」とし、小池は例のしらばっくれた口調で「立ち止まって業者に検討させている」とうそぶいている。
 これについては、国会内にこの神宮外苑の杜の再開発反対の議員連盟(代表船田元・自民党衆議院議員)がある。私が実質的に支えてきており、我が党の東京都選出の何人もの国会議員に入会や会合への参加を呼び掛けてきたが、応じたのは海江田万里副議長だけだった。都知事選の公約をみても他の諸々の政策は、どっちもどっちということで大差なく、やはり差が際立つのは神宮外苑再開発問題である。私の予想したとおり、本件が最大の争点となっている。
(詳細は『しのはら孝ブログ』神宮外苑シリーズ
①神宮外苑の樹木伐採は先進国では考えられず22.11.09
②21世紀の日本人の世代責任は美しい環境を残すこと史的神宮外苑のイチョウ並木は自然遺産に値する23.02.22
③秩父宮ラグビー場と神宮球場はスポーツ遺産として改修利用が世界の常識 23.3.1
④都心の緑を守ったエコロジスト石原東京都知事23.8.2(当初23.4.10)

<えせエコ知事の新しい利権>
 もちろん、小池知事にとっては例の学歴話以上に一番痛いところであり、無視したい件である。「しんぶん赤旗」によると都庁都市整備局から、9人余りが三井不動産グループに天下りしていることが判明した。自民党の既得権益を打ち破るといって知事になったにもかかわらず、ちゃっかり自ら新しい権益を造っているのだ。8年間の都政の膿であり、こんな都政を続けさせるわけにはいかない。
小池知事が、自分がエコ知事だと言って自分の服を緑にしておきながら東京の緑を引っ剥がしているというのは明らかに矛盾であり、許すわけにはいかない。蓮舫は石川幹子中央大学教授の案内で神宮外苑の杜を視察している。そして6月14日の外国人特派員協会に於ける記者会見ではもっぱら、この問題を争点化していた。

<初の元外国籍都知事で日本の民主化を世界に示す>
 アメリカの大統領は憲法で2期8年までと決められており、大半の州も同じだ。日本も同様に少なくとも知事は2期8年までと制限すべきだと思っている。
バイデン大統領は「日本は移民が嫌いな国だ」などと失礼なことを言っている。そうした中で元外国籍の、しかも女性が首都東京の知事になると、この悪名を覆す一つの証しにもなる。
 都政にも国政にも変化が必要なのだ。自民党だけがダラダラやっている政治は良くないし、小池知事が口先だけで恰好つけている都政も中身がからっぽである。GDPが113兆円と国全体の20.7%を占め(オランダと同規模)、法人税の4割、外資系企業2、374社(全体の74%)が東京に集まり、16兆5千億円の東京都の予算はスウェーデンやオーストリアと同規模だ。当然地方交付税ももらっておらず、国に気兼ねせずに何でもできる。蓮舫知事で都政にも変化を起こす必要がある。

投稿者: しのはら孝

日時: 2024年6月26日 15:21